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クラロワの非公式8000最強大会が、ゲーム史上の伝説となりつつある件について。そのエモポイント9個を解説

お疲れ様です、pontaです。

群馬でーす!(ぼんじゅうるさんに作ってもらった挨拶)

YouTuberドズルの、何気ないつぶやきから始まった「クラロワ8000最強決定戦」がeスポーツ史上、いや日本のゲーム史上、伝説となりうる大会に育ちつつあるのはご存じでしょうか。

たったひとりのYouTuberのつぶやきから始まったプロジェクトが、コミュニティを巻き込み、別界隈も巻き込み、未曽有の規模となりつつある。

この出来ごとのエモポイントが、クラロワプレイヤー以外にはわかりづらいと思うので私が解説してみようと思います。

エモポイント① 非公式大会である

まずもって、思いつきの非公式大会であること。公式大会の良さ、プロリーグのすばらしさをまったくもって否定するわけではないのですが、コミュニティから湧き上がってきた大会というのが粋じゃありませんか。

大人たちの手のひらから離れた大会、っていうんですかね。

いやまあ、ドズルさんは限りなく公式寄りの人間だし、30超えてるから大人も大人なんですが。でもまあ、企業がからんだ大規模でフォーマルな大会にはない「俺たちのもの」感がありますよね。


エモポイント② ドズルの力

今回、ドズル社でもサポートしていますが、ほとんどの仕事はドズル一人でやっています。社長が動くと、やらしい話、赤字だよ。赤字。大赤字。それがどうした、彼ドズル。(僕ドラえもん、のノリで)

ドズル一人がゴリゴリ動くことにより、粗削りながらもスピード感あふれ、いい意味で尖った大会ができようとしています。

もしチームで相談しながら行う場合、たとえばけんつめし選手の協賛金を受けるかどうかとか、いろんな人の許諾を得なければならなかったでしょう。

そして賞金の配分についても1位総取りではなくなっていたかもしれません。「参加賞もあげるべきだよー」なんていう丸くてヌルい大会になっていた可能性すらあります。

「3位決定戦にもスポットを当てよう」とか色気を出し始める大人もいたでしょう。(実際わたしはドズルに3位決定戦の相談をし、却下されました)

「すべては最強を決めるため」というドズルの意志が貫かれたのも、彼がすべてを決められる非公式大会だったからです。

もちろんチームでやる良さもあって、会場を借りようとか、宣伝を打とうとか、穴のないルールを整備しようとかいう肉付けを行う場合は個人の力は限界があります。

しかしコミュニティの熱気を失わないまま大会をスピーディに実行する場合、ひとりでやるに越したことはありません。

第一、かっこいいですよね。一人の男の思いから生まれた大会、って。

ただ、こうやってひとりでゴリゴリすすめるためにはそれなりのパワーと立ち位置が必要です。

ドズルがここまでに積み立ててきた信用と、YouTuberとしての実力、中立的な立ち位置のたまものだと思います。

同じことを僭越ながら私がやろうとしても、無理です。

選手が集まらない。賞金が集まらない。何より、熱気が集まらない。ドズル以外、マネできない。

この大会づくりの本質は、ドズルという人にあるので、再現性がまったくねー。

えいきょう

エモポイント③時代が求めていた

正直、クラロワは2020年1月、冬の時代でした。プロの世界大会は終わり、目立ったアプデは途切れました。トロ上げに絶好のロングシーズンも終了。ゲームバランスも安定したのはここ最近で、しばらく特定ユニットの強い時期が続きました。来年のプロリーグもアマトップ選手の目指すところとしてはハードル高く、目標にするには厳しい場所のまま。ゆえに、アマのトップたちは鬱屈しておりました。

そんなモヤモヤを吹きとばすタイミングで現れた8000大会は、クラロワのうまいやつらが目指す場所として、まさに時代が求めていたものだったといえるでしょう。

また、私が言うと語弊があるんですけど、クラロワは、プロアマの実力が非常に近接しているゲームなんですよね。

もちろん、プロのほうが場慣れだったりデッキ幅だったり、読みあい、ムラのなさなど総合力ではアマよりずっと優れてはいる。しかし、年齢や海外在住できないなどの関係で、プロにも劣らない実力者が市井に眠るのが、日本クラロワ界なのです。

とくにむぎったんは日本どころか世界最強ともいわれる伝説のプレイヤー。

それなのに脚光を浴びるのはプロばかりで、アマのトップが持つ「俺だって強い」という思い。いっぽうでプロたちの「俺たちがどれだけ練習してると思ってるんだよ。人生賭けてるんだよ」というプライド。

プロアマの垣根がない、最強を決める大会を時代が求めていたんです。


エモポイント④ルールがとにかくわかりやすい

「トロ8000超えてたら参加できる。以上」

その足きりは残酷で、わかりやすい。公平で絶対的な参加条件が明示されていて、だれもがすぐに理解できる。これは大事だ。こざかしい例外はないのである。

「前回のシーズン前にこの大会の参加条件が開示されていれば…」

そんな声もごく一部で見かけたが、私はそれは本筋からずれていると思う。今回の参加者はこの大会のことなど毛頭なく、シンプルにトロ8000を狙った。大会の名誉など求めずに。そのメンバーが集まることに意義があるのだ。


エモポイント⑤日本人のトロ8000overプレイヤーが24人全員参加してくれた

参加するも人、参加させるほうも人。一人でもモレがあったら、画竜点睛を欠く。この完璧さが美しい。


エモポイント⑥賞金が膨れ上がっていった物語

3万円だったのが100万円以上になった。まるでドラゴンボールの元気玉だ。

最初から100万円がボーンと用意されている大会もいいけれど、有志からのお金が集まり、人々の想像を超える金額となっていった。その善意と熱意の伝播していくストーリー自体が、コミュニティの熱狂を巻き起こしたのだ。

予定調和はつまらない。想像のつかない着地点。これが「面白い」ってことなんだと思う。

この100万円はただの100万円じゃない。ドラマと愛のこもった100万円なんだ。

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エモポイント⑦賞金が膨れ上がる「前に」資格者24人全員が参加表明をしていた

はいここ。ここテストに出るよ。これだけおぼえて帰って奥さん。

ドズルの賞金3万円しかなかった時点でみんな揃った。賞金に惹かれて集まることはなんら悪くないけれど、そこではなく、純粋に強いやつを決めるために集まった。これは本当に美しい。

エモポイント⑧トロ8000達しなかったプロたちの協力

個人的な推しポイント。

まっさきに協賛を申し出たプロのけんつめし選手はもちろん。それに続いたライキ選手。練習相手に名乗りを上げたKK選手。いずれも8000を超える実力のあるプロ選手たちだ。

アマが超えた8000をプロが超えられないというのは、自分だったらつらいと思う。しかもその人たちで最強を決めるとか、うらやましさしかないじゃん。

「俺のいないところで最強を決めるなよ」というセリフを言っていいとさえ思う。

「大会失敗しろ」と願いつつ、Twitterを閉じることもできたはずだ。

しかし彼らはそうはせず、大会を盛り上げ、かかわることを選んだ。

その心意気は、プロリーグで活躍すること以上に尊くて、立派だとさえ思う。でかい。でかいよ。泣いちゃいそう。

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エモポイント⑨スターがそろっている

ただのキチ〇イYouTuberと思いきや(失礼)、実は誠実で頭がよく器のでかい好青年だとバレてしまったハネハネ元選手。世界選手権にチームが出場したものの出番がなく、不完全燃焼で終わっただに選手。クリスマスイブで木になり続ける焼き鳥選手などプロはもちろん。

むぎったん、starry、ベジ、おやっすう、はじめをはじめ(言いたかった)、役者がそろいまくっている。プロアマのスターがそろい踏み。これで見ない理由がどこにある?


まとめ


kabutomさんが情報をまとめ、謎部さんが経緯をまとめ、2人のことは尊敬しているので、別にそれでいっかーと思ったんですよね。

ただ自分は、ふだん文章を読まない人でも読める文章を書いたり、感情に寄り添った表現のできるところが強みなので一応、なにかの価値はあるかなと思って書きました。

企業が誰かに資料として提出するのはkabutomさんであり謎部さんだろうなあという劣等感もあるんだけど。いっぽうでクランチャットやSNSで、プレイヤーたちがエモさを共感、共有したいときのために自分が必要だと、そんなふうに思って筆をとりました。


以上、よろしくお願いします。



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