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みずほFGとLINE、新銀行「LINEバンク」の開業断念 システム開発難航や競争環境変化で

【要約】

みずほFGとLINEが共同で設立を目指してきた新銀行「LINEバンク」の開業を断念する方針を固めたことが29日、明らかになった。システム開発が難航し、競争環境も大きく変化したためだ。みずほにとってはデジタル戦略の仕切り直しになる。LINEにとってはZHD傘下のPayPay銀行とのグループ戦略の見直しになる。

【詳細】

みずほFGとLINEは、2018年11月にそれぞれ傘下のみずほ銀行とLINEフィナンシャルが共同出資し、新銀行を設立すると発表した。直近の準備会社への出資比率はみずほが66.6%、LINEが33.4%で、議決権比率は50%ずつだった。当初は20年度の開業を目指していたが、システム対応やマネーロンダリング対策の強化などで準備は遅れ、22年度をめどに2年延期していた。

新銀行開業を発表してから4年以上が過ぎ、競争環境は大きく変化した。1300万を超える口座数を持つ楽天銀行をはじめ、ネット銀行がすでに顧客の争奪戦を繰り広げる。技術革新でスマホひとつで決済などができるようになり、手数料優遇などによる競争も激しい。新銀行開業へのハードルは高まっていた。

みずほは単独ではアプローチしにくかった若年層を開拓する狙いだった。しかし、21年にみずほ銀行でシステム障害が相次ぐなど逆風も影響した。開業に必要なコストは膨れ上がり、デジタル戦略の仕切り直しになる。

LINEは対話アプリの利用者から預金を集め、銀行機能を提供することを目指していた。しかし、19年にはヤフーとLINEが統合に合意し、ZHDが誕生した。ZHD傘下にはすでにPayPay銀行(旧ジャパンネット銀行)があり、グループ戦略の見直しで停滞した側面もある。両社は30日にも正式発表する予定だ。




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