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『コンテンポラリージュエリー』現代におけるジュエリー表現はアートになり得るのか



ご挨拶

皆さんは『コンテンポラリージュエリー』という分野をご存知でしょうか。

約十万年前にヒトは装身具を作り始めました。素材との出会いと加工技術の進歩が信仰、組織、権力、反発、流通、個性などといった時代背景や生活様式と結びつき、各時代、各場所の装身具文化へと発展しました。そしてこの装身具史の文脈は現代に生きるアーティストのジュエリー表現として、ヨーロッパやアメリカを中心に専門ギャラリーやジュエリーコレクターの誕生、美術館での永久収蔵などが行われています。

しかし、残念な事に日本ではこの分野について知っている人は多くありません。私はジュエリー表現を探求するアーティストの一人ですが、私の知る限りでは多くの素晴らしい日本人アーティストが国内外で制作活動しています。ですが作品の発表場所は海外のマーケットが中心となり、国内での活動はとても厳しいのが現状です(コレクターやギャラリー、展示数の少なさなど)。

そこで、国内でのコンテンポラリージュエリー分野の普及とジュエリー表現を模索するアーティストの紹介を目的としてnoteを始めました。一人でも多くの方にこの分野の面白さが伝わるように、これから定期的な情報発信を目指します。

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私が考えるコンテンポラリージュエリーとは

まず始めに私個人のコンテンポラリージュエリーの定義を紹介します。

私が考えるコンテンポラリージュエリーとは、ヒトの“装う”という行為や欲求を熟考し、現代に生きる私たち人間または社会全体について、装身具という形態、機能もしくは概念を利用して行う表現活動の一種です。そして作品は着用者との出会いからその人を象徴する一部となり、それにより偶発的に現れる作品の新たな一面を周囲の人間と共有し、アーティストのコントロールを超えた先で再解釈されます。つまりコンテンポラリージュエリーは三層の顔を持っています。

一方で他のアーティストやギャラリストたちはこの分野について異なった視点から、現代社会に求められる“ジュエリーの存在価値”についての考えを持っています。自身のコンセプトをジュエリーという形で表現したり、ジュエリーという存在自体をテーマに作品を制作したりと、コンテンポラリージュエリーの世界は幅広いと思います。そして鑑賞や談論のみならず、鑑賞者が実際に作品と一体化する点もこの分野の魅力の一つではないでしょうか。

アート分野の境界線が拡張され、さらにコロナ禍で人々のコミュニケーション手段が変化する2020年以降、コンテンポラリージュエリー/ジュエリー表現がアートの一分野として紹介されるためにはどうすればいいのか。これからこの分野について、一人でも多くの方に魅力や可能性が伝われば幸いです。


初回は以上です。今後はアーティストの紹介や文脈についての説明、自身のコンテンポラリージュエリー論など綴っていけたらと思います。今後とも応援よろしくお願いいたします。

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