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CIVILSESSION 26: WET

開催日:2019年11月24日
開催地:渋谷ロフトワーク10F

CIVILSESSIONはクリエイティブチームCIVILTOKYOのメンバーが様々な分野の方と行うアートセッションです。決められたキーワードを元に、発表者たちが一週間で作品を制作します。キーワード発表から一週間後にそれぞれの作品のプレゼンを行い、参加者の投票でグランプリを決定します。

第26回目のキーワードは「WET」。
CIVILTOKYOの3名とゲスト参加者4名の計7名で行いました。

・いしかわゆかこ(N/A プロジェクトディレクター、プロデューサー)
 https://www.instagram.com/kiki_yukk/
・清水麻衣(元映像ディレクター)
 https://maimaiphotohaiku.tumblr.com/
・西本英人(A.Dupré Designer / Eureka Inc. CEO)
 https://www.adupre.tokyo/
・橋本圭司(プロジェクトマネージャー)

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グランプリは清水麻衣に決定しました。

第26回目の今回は、WETというキーワードを元にしたリサーチベースの作品が多かったようです。「濡れる」という直接的なイメージから飛躍させた作品が多く、またアウトプットとしての「作品」よりも、そこに至る過程や飛躍させる思考、リサーチにフォーカスした発表が際立つ会となりました。

自身が生まれ育った渋谷という街を「WET」というフィルターを通して再度見直した清水は、渋谷の観光資源となる「WET SPOT」でリサーチを行いました。またそれをベースに制作したプロモーション映像とマップに加え、各所を紹介する資料を発表し見事グランプリに輝きました。

今回の制作期間中に仕事でインドに滞在していた西本は、WETからの連想で「ハンカチ」というモチーフにたどり着いたと説明。現地でインドの方々に手持ちのハンカチを見せてもらい、それらをどのような状況で、どう使うか、などのリサーチを写真と共に解説。
石川は和製英語である「ウェットな関係」はネガティブなイメージもあると同時に、人間くささもあるのではないかとの見方を発表。自身と他人との間でそれをどう構築できるかの考えと共に、それを実現させるためのツールキットWETTYを制作しました。
杉浦はWETで弱くなってしまうアンパンマンを例に挙げ、WETにネガティブなイメージがあるかもしれないとの仮説を元に、それを人が思う「自分の顔の弱点」と重ね合わせ、顔を部分的に理想に近づけるビジュアルを発表。
橋本はWETを化学の視点から見つめ、それがどういうものであるかを自身の私生活や仕事を通して再度見直してみたと解説。その思考経緯をスライドで発表すると共に、そこで最終的に行き着くのは「富」や「自分の財産」ではないか、という考え方を発表しました。
伊藤は偶然にも発表の週に雨模様の日が多かったことから、WETな天気だからこそ聞くことができる音をサンプリングし、それをリズムとして捉えればDJ/VJが同時に行えるとの考えから、そのプロトタイプを作成し、公開。
根子はWETの意味を調べた中で見つけた「飲酒を禁止しない」という訳から、街中で使える移動式のバーテーブル「キャリーバー」を制作、発表しました。


① 西本英人(A.Dupré Designer / Eureka Inc. CEO)/WET

WETというキーワードから連想されるイメージから、まず最初に思い浮かべたのが身体から分泌される汗や涙。そこから連想したのが汗や涙、鼻水を拭うハンカチです。
仕事柄インドに頻繁に行きます。このお題を頂いた際もインドに滞在中だったこともあり、コンセプトを「ハンカチを通して見えてくる現代のインド」としてインドの人々が普段使っているハンカチをリサーチしていきました。

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② いしかわゆかこ(N/A プロジェクトディレクター、プロデューサー)/WETTY「10:00 me!me!!me!!! | 15:30 shei-shei | 02:15 zubu-zubu」

じめっとしたウェットな関係になれるキット 「WETTY」

WETという言葉を聞いた時にまず思いついたのが、「関係性」だった。ドライな関係と対に扱われるウェットな関係という和製英語。つながりが深い・情深い・馴れ馴れしい・情深い・公私混同・距離が近い・じめっとした…といったニュアンスで使われている。一般的にはどちらかというとネガティブに捉えられがちな「ウェットな関係」。でもどこかそんな人間くさい人と人との関係に憧れもある。ということで、「じめっとしたウェットな関係になれるキット」を作ってみました。切り口は時間帯。3つの時間に分けて3つのキットを作ってみました。

10:00 me!me!!me!!!
15:30 shei-shei
02:15 zubu-zubu

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③ 杉浦草介(デザイナー)/アンパンマンはきみさ

濡れる・湿るとか、職業柄で紙類を取り扱うことが多い自分としては「WET」をネガティブに捉えてしまいます。でもきっとライフセイバーの方やスイミングインストラクターの方などは、WETに対してネガティブな印象は持っていない気がします。だからWET=ネガティブとも言いきれないかな・・・でも服飾系の人もカビ等の経験からWETって嫌いそうだな・・・などといろいろ考えていたところ、ある象徴を思い出しました。日本で一番有名なヒーローと言っても過言ではないアンパンマンは、困っている人を助け、自己犠牲を厭わない。顔が濡れると弱くなってしまうけれど、そんな時は顔を挿げ替えればまた強くなれます。この最強のヒーローアンパンマンにとってWETは弱点であり、イヤなこと。

人は大抵、自分の顔に何かしらの弱みを感じている気がします。昔からコンプレックスに抱えていることや、無いものねだり、「隣の芝」的な内容だったりもすると思いますが、いずれにしても「ここがこうなればもっと良いのに」という願望は大なり小なりあると思います。その自分の顔の弱みやイヤな部分を、理想の有名人と挿げ替えてもらいました。こうすればきっとみんな理想の顔になり、弱みは無くなって、WETを克服できるんじゃないか。

そんな自分のエゴを、相手に無理やり押し付けることにより生まれる「違和感の画」を作りました。

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④ 橋本圭司(プロダクトマネージャー)/wetは富だと思った。

wetという言葉から化学という言葉の関連性を感じ、wetとは実際どのような現象なのかということを考える。
そこで出てきたのは、分子との繋がり、繋がりという単語から自分の以前までの勤務時間と捉えました。人との関わりが少ない時は新しい価値観を得ることはなく、時間ができて人との関わりが増えた時に価値観の多様化が進みました。これが自分にとって価値のあるものだと感じました。
したがって、wetはいろんな価値観との結びつきを感じ、かつ自分の財産と感じる単語として再定義しました。

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⑤ 伊藤佑一郎(写真家)/街のwetに潜むリズム

街を歩き、ふらふらと濡れた街に潜むリズムを収集し、ビートにしました。
映像とその映像に収録された音がひとつのサンプラーで同時に出力できたら、DJとVJを同時にできるじゃん!と思いましたが、作れませんでしたので、したいことのデモをつくりました。

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⑥ 根子敬生(デザイナー)/CARRY BAR

深い意味はよく分かってませんが、WETについて調べると「《米口語》 飲酒を禁止しない」という訳を発見しました。
仕事帰りのサラリーマンが缶ビールを片手に、コンビニ横の謎の茶色いボックス(C.C.BOXというらしい)をテーブルがわりに囲んでプチ飲み会みたいなことをしてる光景見ますが、意外に都市って座ろうと思ったら座れる「椅子」的なものはあるけど「テーブル」の代わりになりそうなものってあんまり無いっすよね。
ということで移動式机「キャリーバー」つくりました。作った、というか机みたいなものをゴロゴロに載せれば誰でも作れます。是非。

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⑦ 清水麻衣(元映像ディレクター)/SHIBUYA WET SPOT

渋谷の街中にあるWET SPOT(濡れた場所)をPICK UPし、新しい観光資源としてのSHIBUYA WET SPOTの地図フライヤーとプロモーション動画を作成しました。


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