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Day44 Grand Canyonに吸い込まれる、地球のおっぱいを吸う、最高の乾杯




この旅1番の、冷えた夜だった。


このまま死んでしまうのではないかと本気で思うほど寒くて、


持っている服全部着ようと思ったものの、寒すぎて股に挟んだ手を抜き出すことができずに、ぶるっくりんぶるっくりんと震えながら朝を迎えた。


どうもどうも、ちったです。

土から踏ん張って生えている草たちは凍っていた。


太陽さんがおはようと顔をだしてきて一気に暖かくなる。

太陽さんに感謝をしておテント様をたたみ、朝のコーヒーを求めにマクドナルドへかけこんだ。

おテント様ね。太陽だけにね。山田くん?座布団ないの?


モーニングコーヒー無料キャンペーンは昨日までだった。

$3近くした。

わたしは飛び落ちた目玉を拾ってトイレで洗って天日干しにし、カピカピになった目玉に唾を吐き、もぎゅっと元に戻してレジに行く。


やはり$3近くした。


なあに、おかわりしまくればいいじゃないか。

はっはっはっはっはっ。


とうとうグランドキャニオンにいくのかと思うとコーヒーがいつもより身体に染み込んでくる。唇から喉から血管細胞全て、染み込んでくる。

そんなことはなく服に染み込んでいた。


昼前に婦人さんにまたがると遅いよと言ってきた。


ごめんごめん、ここまでありがとう婦人さん。


ネイチャーパワーを全身のフル細胞で感じて、大声で歌いながら、登った。


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ここが地球のおっぱいへの入り口。


ゲートで$12を払って、お邪魔します。


グランドキャニオンに着き、ここで少し滞在する予定なので焦らずゆっくりみることに。峡谷ちゃんとやらは、あとでだな。


まずはビジターセンターへいった。

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グランドキャニオンとは何ぞやと。エアーズロックちゃうぞと。


ひとまずグランドキャニオンのムービーを観ることにした。

速攻寝た。

申し訳ないと思いもう一度観た。

速攻寝た。

もう観るのやめた。


思わぬ仮眠もとれて、銀行にいきお金をおろした。


なんと!!!!!!

無料のクッキーとコーヒーがあるではありませんか!!!!!!

もちろん!!!いただきます。

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素晴らしい。

貧乏チャリンコ旅中のわたしなりにグランドキャニオンのポイントを紹介していけたらと思う。

銀行のコーヒーとクッキーはおすすめでございます。はい。素晴らしいです。


その場でゆっくりと銀行のおばちゃんとはなしながらいただき、おかわり。

2杯いただいた。

クッキーはひとつに控えるおもてなしの国のココロ。

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グランドキャニオンにはいくつかFreeWi-Fiスポットがある。

マーケット内と図書館。

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写真だと図書館は写ってないけどすこし離れた場所にある。


お金を払えば使えるWi-Fiはいろんなところにあるからお金がある人は余裕です余裕。

というかお金があればWi-Fiルーター買ったら余裕。


というかわたしWi-Fiルーターもってるのにいまだに使えてないのなんてバカなの。存在すら忘れてたよ。


マーケットにいくと観光地プライス!!!!

そりゃそうだけどさ、、、観光地プライスに顎を外したままパンとバナナとマヨネーズとハムとレタスを買った。

これでしばらく過ごせるだろう。

そういえば自転車のライト壊れてるの忘れていた。

命にはかえられないとライトを買った。


夜のためにあったかそうな靴下と、母へスヌーピーとグランドキャニオンのコラボキーホルダーを買った。


寝袋も売っていたけどあと2週間と考えるとくやしくて買えず。


マザーキャンプグランドに着いてテントで泊まりたいと話すと、なんと1泊$6だった。

情報とは。まあ$18と思ってたから得した気分になった。


ひとまず2泊分を支払ってテントを立てる広場にいった。


周りの人のテントに慣れてる感じがすごい。

これが本場のアウトドアなのか。


しかし44日目、わたしもテントにだいぶ慣たよ。

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時間もかけずうまく立てれるようになった。


我が家の中はナバホさんのおかげでいい感じに仕上がって落ち着くよ。

ちょっとだけ紹介するね。

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枕はタオル。

本当はナバホラグを敷くものではないんだけど、旅中はごめんね。

マットが欲しいよ。

こんな感じで毎晩過ごしる。


さて、


そろそろ夕日と地球のおっぱいでもみにいきますか。もみにいきますか。


よっこらしょっへっちーんちーん。


この旅はじめて!自分でビールを購入した。

ご褒美にアーモンドも添えて。


たくさんの観光客の中、


ひとりホームレスみたいな格好でHopi Pointまでいった。

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グランドキャニオン国立公園では無料のバスが行き来していて、それに乗った。


ドキドキしながら一歩一歩ゆっくり峡谷ちゃんに近づく。

はじめてみるグランドキャニオン。


そこには、


あり得ない景色が広がっていて、


いままでみたこともない、

信じられない光景に、


声かわからない、


息かわからない、


何かが口から吐き出された。

わたしは立ち尽くした。


ものすごくて、

かっこよくて、


美しくて、

きれいで、

こわくて、


おそろしくて、

いろんな感情がわたしの脳みそをぐちゃぐちゃにした。

素敵すぎてわからなくなった。


みたこともない、吸い込まれるような。


すこし歩いて腰をかけた。

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なんなんだ、、、。

しばらくぼーっとして、ビールを買ったことを思い出した。


イヤフォンをして音楽を聴きながらビールをプシュ。

最高だ。


この旅の第三章がそろそろ終わろうとしている。


まだゴールじゃないけど、

ここまできたんだ。


ここまでこれたこと、

周りのみんなと、


アメリカで出会ったたくさんの人たちに感謝。

家族と、おめめさんに感謝。

地球に感謝。


ありがとう、ありがとう。


いただきます。


乾杯!!!!!!!!!

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ビールを流し込んで、

全身が潤って涙目になった。

そのまま涙は止まらないままいつまでもぼーっとしていた。


思うことたくさんで、


まず、

グランドキャニオンとエアーズロックを勘違いしていたこととグランドキャニオンのことを地球のおっぱいだなんて言ってごめんなさい。


アメリカが、

地球が大きすぎる。

でもそれ以上に、

これまで出会ってきたみんなの存在がわたしにとってはグランドキャニオンよりももっともっと大きすぎる。


本当にみんなと出会えてしあわせだ。


ありがとう。

そしてこれから出会う人たちもありがとう。

奇跡だ。奇跡の連続だ。


チャリンコも買わずニューヨークにいって、


テントの立て方もパンクの直し方さえ知らずに出発して、


いま会ったらそんなやつビンタしてやりたい。

けど、

なんとかここまでこれたんだなぁ。


なんだ、


やればできるじゃないか。


申し分のない景色。

太陽が沈んできて、

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夕日がすべてを赤く染めあげていった。

変わる色合いに惚れた。


どのくらいぼーっとしていたのかわからない。

すると、肩をポンポンと、話しかけられた。

泣いていたのが恥ずかしい。

イヤフォンをはずすと、


気づけば周りには中国人がたくさんいた。

中国語でどいて欲しい的なことを話しかけてきていて、


潤っていた目をこすりながらわたしは場所を移動した。


太陽も沈んで肌寒くなってきた。

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最高の時間。

もう、

もういいんだ。

もう先を急ぐことはない。

あとはゆっくりと無事に生きてゴールをしよう。



空を見上げると星がキレイでキレイで吸い込まれそうになって、

ありがとうと声に出していた。

このまま宇宙にいってしまいそうな。

カラダが浮く。

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伝わらないね。


テントの中で横になり、


わたしは胸いっぱいに大きく大きく息を吸って、

お尻から出した。

ぷすぅー。


走行距離 : 10kmほど
現在地 : Mather Campground

総走行距離:4790kmほど

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2014.9.30


少しでもニヤリとなれたなら幸いです。 よろしくお願いします☺️