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Day36 無知は無敵、とあるアルバカーキの休日



目が覚めると身体が重かった。

G。すごくGを感じる。1ミリも動きたくない。

そういえばシカゴでの1日休息をとった以外毎日がむしゃらにこいできた。

特にこの3日間は濃ゆかった。


悩んだあげく、今日もう一泊していいですかと仕事にいったエリックさんにメールすると、

「いいよ( ´ ▽ ` )」

もうね、日本人。ありがとうエリックさん。

ちなみにエリックさん日本語喋る時関西弁になる。

どうもどうも、ちったです。


UGさんももう一泊する予定だったらしく、ふたりでアルバカーキの街をサイクリングすることになった。

荷物を全て置いて身軽にこぐチャリンコはなんて気持ちがいいんだ。


乾燥地帯ならではの土壁造りの家たちがとてもかわいくてアラジンの世界にいるみたい。

ジーニーいないかなあ。ランプこすこすしたいなあ。

ちなみにわたしはお腹をこすればおならがでるよ。

バブル系のおならがね。

わたしのケツはカニの口〜♩

わたしのケツはカニの口〜♩

鼻歌まじりのサイクリング。


コインランドリーで久しぶりの洗濯をした。今までどのくらいの臭いを撒き散らしてきたのか、旅をしてる側の自分では気づけない。ごめんね。


UGさんがこの旅でお世話になりまくっているという中華料理のビュッフェにいった。

そういえばマクドナルド並にどんな街でもどんなとこでも中華屋さんもあったなあと思い出した。

なんと!昼にいけば$6くらいで食べ放題!

ゴーーーーーーーーーーン!


時間制限なんて、ござあません!

ゴーーーーーーーーーーン!

普段マクドナルドのセットなんか頼まないけどセットよりも安い。

ゴーーーーーーーーーーン!

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親指邪魔でしょ?

野菜もお肉も摂取できて、栄養を今のうちに取れるだけ取っとかなくてはと貪欲になり、お腹が張り裂けそうになった。しあわせすぎた。


中国の力をあらためて思い知った我々はニューメキシコ大学にいった。

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大学まで土壁でかわいい。

当たり前だけど、たっくさん人がいた。


みんなおしゃべりして笑ってたり、

図書館では調べものしたり本読んだり、

カフェでは勉強したりお話したり。


わたしがチャリンコを漕ごうが漕がまいが、

こうやってみんないつも通りの生活をしてるんだなあと思った。


不思議な感覚だった。


今日はその生活の一部に混ざってこれまた不思議な感覚だった。きっとわたしとUGさんは浮いていたけど、みんなのいつも通りを楽しんだ。


横断出発前、お金がないから中古の寝袋を$4で手に入れたんだけど、とても薄くて、これから砂漠に入り夜冷えることを考えると、なにか防寒具が欲しい。

けど、新たな寝袋を今更買うのは悔しかった。

なにかブランケットとかあったかそうな布があればいいなと思って探すことにした。

UGさんも服を探していてふたりでセカンドハンドショップにいくとになったけど、向かってる途中でいい感じのアンティークなお店をみつけた。

ふらっと寄ってみることに。


ん?おおおお

なんかかわいい布がある。

これでなんとか寒さしのげないかな。

でもなんだこれマットかな?

お風呂場にありそう。

ってかこれお風呂マットだろ。

寒さはしのげなそうだけど、、、かわいいな。


ひとまず値段聞こうか。


お店のおっちゃんに話しかけた。

これいくらですか?


「どこからきたんだい?」


目がキラキラしたおっちゃんはわたしの質問をきれいに受け流してどこからきたんだとワクワクしていた。

わたしの質問はそのままどんぶらこーどんぶらこーと、川下の方へ流れ去っていったのです。


日本からきて、NYからLAまでチャリンコで横断してるんだと言うと、

ひどく驚いて、とても喜んでくれた。

しばらくお話すると、

「ちょっと待っててね」


そう言うとおっちゃんはどこかへいった。


通りすがりの夫婦が話しかけてきた。

これまたひどく驚いて喜んでくれた。

これからフラグスタッフまでのアリゾナの道のりは、坂道で険しく、道路も乾燥して割れている。その隙間からトゲトゲした草が生えてるからパンクしやすい、気をつけなさい。と教えてくれた。

なあに、気をつけるけど大丈夫さ!ね!婦人さん!

しばらく話して盛り上がった。

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そういえば結局このお風呂マットはいくらなんだろうと、川下まで行き、よっこらしょっと質問を拾い、おっちゃんのところへ行った。

これはいくらなんですか?

おっちゃんはまた質問をどんぶらこーっと受け流し、コーラをご馳走してくれた。

そしてしばらく3人でお話をしていると、

わたしはおっちゃんのキラキラした目、

口、

しわ、


たくさん、まじまじとみた。


なにか魅きこまれる。

目をみて話してくれて、その目の中に映る自分が実際にその目の中にいるような、なんというか、脳から脳へ話すような、、、何を言ってるんだい。


このおっちゃんはきっと、

今までの人生たくさん笑ったり泣いたり怒ったり喜んだり悲しんだり愛して愛して、


わからないけどね、


きっと素敵な人生を送ってきてこんなに素敵なしわをもっているんだなあと思った。

そんな素敵なおっちゃんはペドロさん。

「そういえば、この布はネイティブアメリカンのもので、

すごく高いんだ。」


そうなんですかぁ、、、


「素敵な出会いだったからこれをあげるよ。」


えええええええええええええ、、、

そんな高価と言ってるものをいいんですか、、、


そしたらぎゅうっとしてくれたペドロさんの手もまた立派で素敵で、たくさん愛のつまった手。ココロがあたたかくなった。

ありがとうございます。

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するとペドロさんはUGさんにもどの布がいいか選んでと言い、奥にあった布をいろいろみせてくれた。


その中にわたしがもらった布を発見し、値札がみえた。

$350


悲鳴がでた。

ペドロさんはスッと手で値段を隠して、こんなのはいいんだ選びなさいと言ってくれた。


そそそ、そんなに高いとは、、、


これなんてどうだとUGさんに布をあげるとき、これまた値札がみえた。

$180


悲鳴がでた。

ペドロさんは気にすんなと言って値札をブチっとちぎった。

ふたりして$530もする布をいただいた。

本当に感謝です。


ありがとうございますペドロさん。

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素敵な、素敵な出会いで、とっても素敵なおっちゃんだった。


人間らしいというと、人間を上にみているという意見があるかもしれないけれど、

そんなことは考えずに純粋に、

たくさん笑ったり泣いたり怒ったり喜んだり悲しんだり愛して愛して、

素敵なしわをたくさんつくっていきたいなと思った。


お手手のしわとしわを合わせると、右手の方が少しでかいんですよわたし。

申し訳ない、余談でしたね。


そしてこの日の夜、わたしがもらった布について調べると、

それはナバホ・ラグというものでして、

ネイティブアメリカンのナバホ族の布でとても価値のあるものらしく、

そんな高価な布を、

これで寒さしのげれるかな?

いやあ無理だろ。

んーなんだこれ、お風呂場に敷くマットみたいだけど、うんうん、これはお風呂マットだろうね、まあでも、ひとまず値段聞くか。


だなんて。

こんな高価なものだと知っていたらいくらかなんて聞いていなかった、、、

無知って無敵だなと思った。

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家に帰ってエリックさんに話すとひどく驚いていた。

「めっちゃ高いやつやん!」


そんな、とあるアルバカーキでの素敵な休日だった。


走行距離 : ナバホ
現在地 : アルバカーキ


2014.9.22

少しでもニヤリとなれたなら幸いです。 よろしくお願いします☺️