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Day49 グランドキャニオン籠り6日目、歩幅2ミリの生活

実はこの旅をはじめてから嫌がらせのメールが毎日届くようになった。


朝昼晩構わず画像を送ってくる。

「おはよう」

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目覚めの悪さといったら。

こっちが起きるであろう時間まで計算して送ってくる。

わたしは彼を知っている。

そして彼の家も知っている。


そこ便所だろ。


下半身丸出しなんだろう?なあ、丸出しなんだろう?



「休憩中だよ」

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知らんがな。

彼女か。

彼岸島にでてきそうな白目のなさは愛くるしい。

わたしも人のことは言えない。

お互いに、貯金箱みたいな目。

こんな目で必死に世の中みようとして生きてるんだ!なあ、そうだろう?そうだろう?



そしてブログをはじめてからついに、脅迫のメールを送ってくるようになった。


「おれをブログにだせ」


わたしはいよいよ胃のあたりが締め付けられるような苦しみを毎日味わうようになった。

耐えられなくなったわたしは彼をブログに載せることにした。

これでいいかい。


まあでも、いつも嬉しいよありがとうまなぶくん。


どうもどうも、ちったです。


起き上がる時に全く言うことの聞かない足にびっくりした。

本当に足が動かないのね。


イタタタタ。

足を引きずりなんとか銀行へ行き、朝のコーヒーとクッキーをいただく。

明日グランドキャニオンを降りてしまうけど、銀行のあたたかさにはだいぶ救われたよ、ありがとう。


マーケットまでいき、サンドウィッチ3つ作って食べ、

グランドキャニーぱみゅぱみゅ最終日はゆったりしようと決めていたから、人気の無いポイントでゆったりボーッとした。


お昼すぎにテントに戻ると良平さんとジョンがご飯を食べていたからご一緒した。

NYを出発して49日。

あと10日でゴールのサンタモニカに着く予定だ。

もうそろそろ終わるんだなあ。


「いやいや、次は世界一周でしょ?」


と、良平さん。

いやいやいやいや!

ちょっとしばらくは日本にいたいかなあ!

旅をやめるとかはないけど、これからも続くんだろうけど。


ジョンは終始かっこよかった。


のほほんと時間が過ぎていき、カフェでまったりと日記を書いたりして夜になった。


キャンプ場へ戻ると日本人の方が増えていた。

はじめまして、どうも、ちったです。


「あ、はじめまして、染色体です」

あの、もう少し大きい単位で紹介してください。

細胞分裂した彼はイサムさん。


ラスベガスで黒人に追いかけられたり、ここまでたくさん大変なことがあったそうで。

わたしは対人で大変なことはなくむしろいい出会いばかりだった。

「え、みなさんそういう目にあったことないんですか!?」


みんなで笑った。

良平さんとジョンとイサムさんと、4人でパーティーした。

乾杯しよう!!!


でもわたしは水とコーヒー以外は飲まないと決めたからビールは我慢して水をごくごく。

ジョンがイケメンすぎてずっとCoolと言い合ってた。

わたしはCoolじゃないんだよジョン。

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かっこいいだろう?なあ、かっこいいだろう?

ジョンはアメリカ住まいで、これからメキシコまでチャリンコでいくんだ。

かっこいいよね。

こうみえて

わたしの3個下だってよ。


幾度となくかっこいい細胞分裂をしてきたのだろうか。

わたしの場合は赤ちゃんの頃から細胞分裂していないのではないか。


楽しい時間はあっという間に過ぎるもので。

お互いが旅の話をし合って笑い合った。

わたしは貧乏旅目線で話した。


マクドナルドに行けばWi-Fi使えるしシャワーも無料で浴びれる。

図書館やビジターセンターの裏とかにテントはるとWi-Fi通ってたりコンセントが壁についてたりする。

まあでもビジターセンターでは一度怒られてるからあまりお勧めはしないけど。

そのかわり素敵過ぎる公園で満点の星空の下一泊できた。

寝るときにWi-Fiは必要ないね。

あ!明日の朝は銀行に行ってコーヒーとクッキーで温まりましょ!


良平さんは今まで5年かけてチャリンコこいできたらしい。

あと2年かけてこのまま南下して、メキシコからアルゼンチンの一番下まで行き、戻ってNYがゴールらしい。

すごい、、、

今までの「イ」がつく国では毎回事故にあっていたらしい。

歯も折ってる。チャリンコもぶっ壊れてる。入院もしてる。

そう考えると、わたしは運がいいと思った。


残りも無事に生きて帰ろう。


イサムさんがどうしても写真を撮りたいと言ってきた。

「いや、いいよ写真は。いい、いい。」

みんなでイサムさんをいじる。初対面とは思えなかった。

お願いしまくるイサムさん、しょうがないなと写真を撮ることに。


イサムさんがカメラを出してきて、この旅のために買ったのだと自慢する。

「はいはいわかったから」

みんなで流す。


しかし何度やっても撮れない。

本人が使い方を全く理解していない。

何十回も何十回も撮り直した。


今だから言えるけどイサムさん、、、


トラブルに遭遇しやすいのなんとなくわかる気がする。


みんなで笑ってパシャリ!

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ここで良平さんの光の護封剣により全員3ターン待つことに。

ディアンケトさながら笑い合ってエナジーチャージ出来た。

ゆっくり寝よう。おやすみ!

みんなでテントに戻る。


野生のおじさんがわたしのテントの前にいる。

いつからいたのだ。

わ、わっつあっぷ

「へへへ、おれもここに泊まるんだ!」

握手求めてきて、少し後退りしながら握手した。

テントは?と聞くと


「持ってないんだ!節約のために!」

ものすごく死ぬほど寒くなることを伝えても、

「へへへ、大丈夫だ!」


あ、そうなんだ、ははははは


え?


わたしのテントに泊まらないよね?


こわくて苦笑いしながらそそくさとテントに潜り込んた。


とうとう、この旅の第三章が終わろうとしている。


第四章のはじまり。


明日グランドキャニオンを降りる。


ここまで、数えきれないほどたっくさんの人に支えられてなんとか生きてこられた。

ほんとうに、感謝しています。


初日は涙していたけれど、ようやくここまでこれたんだ。

グランドキャニオンは6日間わたしの話をずっと聞いてくれた。

とても癒された。


ありがとう。


だけど足は完全にあなたによってもってかれましたよ。

明日から婦人さんに乗れるのだろうか。

すこし動くだけでも痛い。


大丈夫だろうか。

やるしかないじゃないか。

うし。


歩幅が2ミリ。


走行距離 : 2ミリ
現在地 : Mother Campground
総走行距離:4895kmほど

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2014.10.5

少しでもニヤリとなれたなら幸いです。 よろしくお願いします☺️