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寄付のあり方と、共感・共生の社会

茨城NPOセンター・コモンズの常務理事・事務局長 大野覚です。
「新型コロナウィルス」NPO支援組織社会連帯(CIS)による「NPO(市民活動団体)のための新型コロナウィルス対応お役立ちサイト」では、全体の運営を行っています。

とある新聞記事をきっかけに、寄付のあり方と、共感・共生の社会について、ふと考えたことを記載させていただきます。(大野個人の意見となります)

ある自治体の首長が役所の職員に対して、「10万円の給付金は、個人で使わずに寄付しよう」と呼びかけました。行政のトップは、いわば社長のような存在で、特に日本では「同調圧力」が生まれます。

本来、寄付は、「ファンドレイジング」と呼ばれる行為の一部で、単に「お金のやりとり」だけでなく、寄付する市民の側も寄付行為を通じて「社会に参加・意見をあげる」重要な手段の一つです。「どんな社会課題に関心があるのか」「どんな社会を理想とするのか」「その課題に取り組んでいる、どの団体を応援するのか」など、寄付という一つの行為を通じて、様々なメッセージが社会に発信できる、大事に行動だと私は思っており、こだわりがあります。

NPOとしての課題 「寄付はASKされるもの」
寄付する市民だけでなく、NPOの側にも役割があります。私が強く印象に残っている本の一節にこんな文章がありました。
「あなたが寄付を依頼しなければ、あなたは潜在的寄付者から寄付をする機会、権利を奪ってしまうことになる」
市民も世の中にどんな課題があり、誰(NPO)がどんな活動をしているのか? つぶさに分かっているわけではありません。NPOの側から声をあげ、寄付を募らなければ、例えば「子どもの活動をしている団体に寄付をしたい」と思っている人々に、気づいてもらえないのです。

各種NPOの人々が目指すのは、共生の社会です。地域の様々なお困りごとを持つ人を、同じ地域に暮らす人として、その痛みを知り、分かち合い、支え合っていく…「ソーシャル・インクルージョン」「多文化共生」とも呼ばれる理想を目指す、それがNPOがもたらす大事な営みです。

先の「首長が職員に対して、給付金10万円寄付の呼びかけ」には、個人的に強い違和感を感じました。 寄付やボランティアが「強制」されずに、且つ、市民自らが積極的に参加したくなる…そんな人々が共感・共生する社会を目指していきたいものです。

#NPO #市民活動 #cis_npo #CIS #寄付について考える

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