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「トレンドの仕事をしていると、歳をとるのが不安になります」という悩み


音楽業界は、いつも期待の新人を猛烈にプッシュしてくる。だいたい10代だ。

アイドルはアラサーになると「高齢」と言われるし、カルチャーの世界は、いつでも「新人類」を求める。

「最年少」というすぐに溶けてなくなる冠を、私たちはつい、自分より若い人に与えてしまう。



若い頃からカルチャーやトレンドに近い仕事をしていると、「歳をとるのが怖い」という感情が芽生えることもあるかもしれない。


大企業で会社員をやっていると、仕事内容はさておき、20代より30代、30代より40代のほうが給料が上がることがほとんどだろう。

でも、30代よりも20代、20代よりも10代のほうが、商業的価値が高い……という文化圏だってある。今こうして、SNSを軸に活動している私だってその1人かもしれない。トレンドは若者から生まれる。進化の速いインターネットは好奇心旺盛な若者にこそ武器となる。この世界は良くも悪くも"Young is King."なのだ。

10代でヒットして、20代で安定し、30代からはその「お釣り」で生きていく……

そんな人生になるのだろうか? じゃあ、40代、50代はどうなるのか? いやでも医療が進化してしまって、私たちは120年くらい生きるのでは?年金がもらえる目処すらないのに、どうして生きていくの?  ……と、懸念する人もいるだろう。


まぁ先のことばかり心配しても仕方ないし、今どきは大企業に就職しても終身雇用の保証はない。でも、ここ最近多くの同年代から、それもカルチャーやトレンドに近い仕事をしている人たちから「将来、どうする?」という懸念の声が出ている。


つい最近まで「若いね」「まだ10代なの?!」と言われていたのに、気づけば同じセリフを10歳下の子に向けてしまう。そして、私たちのような「SNS黎明期」に子どもから大人になった世代……というのは、同じような業種でベンチマークとする40代、50代の存在が、本当に少ないのだ。特に女性。



というのも、「ネット系インフルエンサー」として数名が招集される場を見渡すと、多くが20代女性と、40代男性であることが多い。逆に40代女性と、20代男性は本当に少ない。

まずWindows95が販売された頃に大学生だったギークな男性が、自作のパソコンやテキストサイトなどにハマり、そのまま現世のインフルエンサーとなる……というパターン。

そしてInstagramなどが登場した2010年頃に女子高生だった子たちが、日常の延長線上からSNSにハマり、インフルエンサーになっていく……というパターン。

個人によって様々な差はあれど、ざっくりみるとこの2パターンが本当に多いので、特に40代以上の女性でロールモデルとなる人は少ない。

私は小学生の頃にWindows95にハマった…という前者パターンなので、いわゆる「SNS系女性インフルエンサー」みたいな枠組みの中ではだいたい最年長になってしまう。

だからこそ、SNS系、30代、40代女性のロールモデル……みたいなところは、自ずと問われることも増えてくる。



(結婚式で集まってくれたSNSで活躍する女の子たち、平成3年〜10年生まれくらい。私は昭和です!)


40代からの夢を作ること



私も20歳くらいの頃は、40代の自分なんてちっとも考えていなかった。というか、目の前のことに必死すぎて、将来のことは想像すら出来なかった。

でも今は、想像出来ないどころか、楽しみでしかたない。40代から始めたいビジネスもある。人は「将来の夢」があると、日々の生活にハリが出るのだなぁ……とあらためて思う。


私の40代からの夢は


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新刊『小さな声の向こうに』を文藝春秋から4月9日に上梓します。noteには載せていない書き下ろしも沢山ありますので、ご興味があれば読んでいただけると、とても嬉しいです。