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情けなかった1年、ですが。


2021年。「こんな仕事をしました!」と意気揚々とまとめられるような年には出来なかったなぁ、というのが、今の正直な気持ちです。表向きにどう見えているかはわからないけれど、私にとってたった1つの目標である「健やかな状態で良い文章を書く」というのが、いまいち達成できなかった。当社比、不作となりました。


よく読まれた記事としては、ポカリスエットの批判や、民藝展トートバックの批判という、なんというかまぁ、鼻息荒い系のものばかり。もちろん書けて良かった2記事なのですが、鼻息なんてものは荒ぶるほどに自分を見失ってしまうので、用法用量を守りたいところであるもんで……。

悲しいかな、アイルランド紀行(2019年)や、「美しくあること」「晴れた日に、傘を買った話」(共に2020年)のように、さぁどうぞ!!と自信を持って振る舞える立派な果実のようなものがあまり実らなかった。実らせることが出来なかった。


本を出すことは出来たけれど、そのために頑張っていたのは主に一昨年の自分(そして出版社や書店のみなさま!)。プロモーションのための取材を受けるときは、なんとか自分に服を着せ、化粧をしてやり、「塩谷舞らしい台詞」を喋ららせて……と身体を動かしていたけれど、それ以外の時間はずっと駄目でした。

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新刊『小さな声の向こうに』を文藝春秋から4月9日に上梓します。noteには載せていない書き下ろしも沢山ありますので、ご興味があれば読んでいただけると、とても嬉しいです。