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私の作りたいメディアの話。"圧倒的スター"不在の時代を照らすもの


2017年、最後のマガジン「記憶に残る、Webメディアの作り方」更新になります。


(※1月以降にマガジン「記憶に残る、Webメディアの作り方」をご購入される方は、この記事は含まれませんのでご了承ください。過去記事は単品のみでの販売になるとのことです…。)

今年はとにかく、自分を価値に変えられるサービスが沢山出てきた年でしたね。VALUも、Timebankも。今年のトレンドという訳ではないけど、メルカリはあらゆる人を商人に変えたし、polcaやcashなど、お金周りのサービスも本当に増えた。日々カイゼンされているここnoteだってそう。


これまで普通に日々を過ごしていた人でも、ITツールを駆使すれば、何者かになれる。投資家にも、経営者にも、クリエイターにもなれる。

プラットフォームがどんどん築かれて、舞台の敷居は限りなく低くなった。素晴らしい時代だと思います。

ただ、一方で、私は憧れの人に、出会えなくなってしまった。ビートルズのようなスーパースターのもたらす熱狂を、私たちは知らない。そしてこれからも、永遠に知らないままなのでしょう。


舞台上のスターはどんどん、どんどん身近な存在になり、ファンは細分化され、その境目なく入り乱れていく。もっと身近に。もっと親近感をもって。スターたちは奇抜なファッションを脱ぎ捨てて、すっかり私服に着替えてしまった。

プラットフォーム全盛期の今、全世界が同時に熱狂しうるのは、ミュージシャンのコンサートじゃない。iPhoneの新作発表会だ。


数十年、数百年後の、美術史の教科書はどうなるだろうか。2010年代を代表するアーティストの枠は白紙……「プラットフォームの台頭により、芸術は生活者のものになり、特筆すべき作品は生まれなくなった」という未来が待っているかもしれない。

だから私は、メディアを作りたい。プラットフォーム全盛期だからこそ、メディアを作らなければいけない。圧倒的な「個」を輝かせるために。



その答えの片鱗のようなものを見つけたのは、大学時代だった。

京都の芸大に通っていた私は、大学在学時から仕事をすることにただひたすら憧れていて、

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新刊『小さな声の向こうに』を文藝春秋から4月9日に上梓します。noteには載せていない書き下ろしも沢山ありますので、ご興味があれば読んでいただけると、とても嬉しいです。