オギャー
エメラルドグリーンのグラデーションがかかった桃色空の下、桃色の砂浜を歩きながら桃色の海を見ていた。昼間の月が二つ浮かんでいて。暑い。
きみはまた裏切られたのか。またオギャーって生まれ落ちて来た。つるっつるの裸で。
凍った檸檬をオギャーに削る。桃色の星の檸檬はとびきり酸っぱい。目が覚めたらきみはまた行ってしまうだろう。桃色の砂を撒き散らしながら。脇見を振らず、また愛するために。
オギャーはそうやって何度も死んで何度も生まれる。オギャーは愛することをやめない。愛さないことを学ばない。
誰もいなくなった桃色の海で桃色の空を見上げる。別にオギャーを待ってるわけではない。でもオギャーがまた海に落ちて来たらまた檸檬を削るかな。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?