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数年前に主催していた単館系映画上映のシネマクロールの上映イベントで、スネークマンショーで有名な選曲家の桑原茂一さんを下関にお招きしての折、ざっくばらんに最近の社会の流れやトレンドについて移動や懇親の場でいろいろとお話しを聴く機会がありました。今でも覚えている印象的な桑原さんのコメントがあります。
「昔はセンスの良い若い人は音楽にいったんだけど、今は珈琲の方にいく」
例えば巷のスターバックス人気に始まる珈琲を嗜む浸透度合いは、昨今のカフェ店舗が増えている現状からも確かによく分かります。

斯く言う自分自身も珈琲をブラックで飲むことに普通に馴れたのは16年前くらいからです。それまではいわゆるカフェオレタイプを普通としていたスタイルが、ある時、厳選された豆で焙煎に拘り、淹れて出される珈琲はブラックで飲むことをオススメしたいというお店のオーナーの意向に添い、ひとくち舌に含めて味わった、意外と知らなかった味の感触に新鮮さを覚えたのはまさに驚きでした。

それ以来、珈琲はブラックで飲むことが普通になり、元々カフェ巡りが趣味であったにも関わらず珈琲には案外無頓着だったというのは、今まで相当勿体ない事をしたなと思い返したりしました。
今では食後の珈琲、仕事合間の一服の珈琲と日常に必要なアイテムとして存在します。

よくカフェとカット屋さん、そして歯科は開業しやすい三媒体と聞いたことがあります。そうした環境的側面からも若いセンスのある方の珈琲への造詣は一層深まっているのかもしれません。

センスアイテムとしての音楽にも言える事なのですが、音楽に詳しい方は多分に音楽だけでなく他の媒体へも興味の範囲を広げられているケースが殆どではないかと感じます。
例えば、映画や写真や絵、文学の芸術の範疇。またはインテリア等のライフスタイル系統。その派生の仕組みが現代は珈琲を起点に持ちうる素養展開という流れもあるという事なのでしょう。
桑原さんから教えてもらった若者のトレンド変遷に今は珈琲というアイテムは納得できるところもあります。

珈琲という媒体自体の素材について、会話の糸口になりやすい点も手伝っていると思います。
提供する側される側、美味しい珈琲であればコミュニケーションを促進させ、贔屓な常連‘ファン’に変わっていく可能性があります。こだわりの媒体はセルフプロデュースに繋がり、マネージメントに昇華できる利点を含んでいる事が分かります。

自己表現と珈琲。
珈琲でなくても良いのかもしれませんが、時代推しは珈琲というアイテムが頭一つ抜けているのでしょうか。
桑原さんからは「センスの良い若い人の見る目はいつの時代も面白いよ。昔はギターに走って、今はギターが珈琲になってる。拘りの珈琲を飲むと他が飲めなくなっちゃったね」

珈琲を個性と捉えてブランディング、差別化する価値の有り様から、どれだけ拘りをもてるアイテムか、ちょっと身の回りを確かめて、ふと気がつく事から何かのヒントに繋がることも十分可能だと考えるのです。

先日、早朝からの撮影にて宿泊したホテルからのワンショット。日の出朝焼けにふとした感動を覚えます。

またいつかの機会で桑原茂一さんについてはお話しできたらと思います。

桑原茂一さんのインスタグラムサイトです。
こちら様々な情報が網羅されております。https://www.instagram.com/moichi_kuwahara/

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