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第69回 プラトーン (1986年 アメリカ) リアル戦争ムービー

この作品が出てくるまで戦争映画とはエンターテイメント的要素の強いものが多く、ランボーやコマンドーの様にヒーローが敵を機関銃で殺しまくるか、有名俳優たちがそれぞれの見せ場をカッコよく演じる「荒鷲の要塞」や「戦場にかける橋」など撃ち殺される兵士のリアルなところが無味に感じられた。

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しかし、この作品以降、戦争のリアルな部分が描かれる作品が増えた。

この作品は戦争、戦場での悲惨さや"恐怖"が強く表現できている。リアルな戦場は機関銃の弾が人間の肉体をボロボロにし、爆弾が肉体を肉片へと変えていく。どこに隠れているかわからぬ相手から銃で狙われ生きて帰れることが珍しい。

我々観客はまるで映画の中に入り込み、まさに戦場にいるかの如く緊張感いっぱいの中、登場人物たちと共に見たくない戦場の恐ろしさを目の当たりにする。

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当時売り出し中のヤングスターであったチャーリー・シーンを自分に置き換えて見ているのだが、緊張感に耐えられなくなるほど入り込めた。


そして、その緊張の元となる二人の軍曹。

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トム・べレンジャー演じる狂気、剛の男(悪の軍人)と

ウィレム・デフォー演じる優しさ、柔の男(聖の軍人)

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この二人の対立は話半ばであの有名なポーズへと話がすすんでいく。

対立していれこの対照的な軍人二人はこの作品で注目され、その後の色々な作品に顔を出すこととなる。

面白いのは冷酷で悪人を演じたトム・べレンジャーがその後の作品の多くで善人を演じ、逆に正しい軍人を演じたウィレム・デフォーが悪役専門の役者に変化したこと。

それぞれにこの作品で固まったイメージを払拭することに成功した。


この作品以降、超リアルな戦争映画が続出したが、この作品はそのパイオニアとなった。アカデミー作品賞を獲得したのも納得の歴史に残る名作となった。


★★★★☆ 4.2点


次回第70回はプラトーン同様アカデミー作品賞受賞作品「フォレスト・ガンプ」をピックアップ❗️



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