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朝野ペコのイラストが秀逸!古傷がうずく愛おしいラブストーリー『花束みたいな恋をした』

 いやあ、ずっと、ずっと待っていました。元町映画館の月間スケジュール表紙イラストを開業以来ずっと手がけてきた朝野ペコさん。出身地が同じということ、初個展からファンになり、ずっと活躍を追いかけてきた。ちなみに拙サイト「Cinemagical シネマジカル」でもトップ画を描いていただいている。

 そんな映画が大好きなペコさんの念願が叶ったとも言える映画制作に直接かかわるお仕事がなんと、菅田将暉×有村架純主演の『花束みたいな恋をした』なのだ。脚本は名作ドラマ「カルテット」をはじめ、恋愛ドラマの名脚本家、坂元裕二。『罪の声』では骨太な社会派ヒューマンドラマを撮りあげた土井裕泰が、『映画 ビリギャル』でも主演に起用した有村、そして菅田という関西出身の超売れっ子二人に白羽の矢を立て、ありがちな恋の障害を設定することもなく、あくまでも、誰もが通る甘さと苦さを10年代のサブカルチャーと共に丁寧に描いている。

 菅田演じる麦が絵を描くのが好きでイラストレーターを目指していたという設定。そして麦が描く筆の先には・・・。おー、見覚えのあるタッチの絵が・・・。感動・・・。全てが新鮮で、趣味も合って、一緒にいて楽しくて仕方がなかった学生時代、結婚も意識するけれど、色々なバランスが崩れていく働き始めてから。甘くて切ない、でも尊い恋に、二人のアナザーストーリーが見えるような麦ことペコさんのイラストがなんともいえない余韻を残す。

 その辺にいそうな男女を、スターオーラを決して親近感たっぷりに演じている菅田&有村コンビにも拍手を送りたいような、花束みたいにぎゅっと抱きしめたくなるラブストーリーです。ぜひ!

(C) 2021『花束みたいな恋をした』製作委員会

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