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2度目の「Shell and Joint」をNippon Connectionで観て

3月にオンライン試写会で観て、大いに楽しませてもらった映画「Shell and Joint」。

あの時は、小さい画面で観たこともあって、細かいところがわからず、いずれ映画館で観たいなと思っていた。

すると、映画館で再度公開となる前に、Nippon Connectionという海外の映画祭がオンラインで開催(2020.6.9 - 6.14)され、そこでこの作品が観れるということで、再び、今度はゆっくりと観ることができた。

劇場のスクリーンサイズでとはいかないが、コロナ禍の最中に購入して重宝している「Anker Nebula Capsule II」というポータブルなプロジェクターのおかげで、前回よりはだいぶ大きな画面で楽しめた。

あらためて観て感じたことをいくつか。

1)節足動物の迫力

一番は、ある程度大きな画面で観ないと、映像の迫力が完全には伝わってこないんだなということ。

この作品は、固定カメラからのロングショットやフルショットなど、基本的に引きの映像から大部分が成るが、ところどころで、寄った映像がどーんと挟まれる。

このアップ目の映像の迫力は、前回の小さい画面ではそれほど印象に残らなかったが、今回は強く感じた。

アップになるのが、監督の嗜好性が強く現れる、虫を含む節足動物だということもあるが。

巣箱でうごめくミツバチの映像や、グソクムシの造形や、カメノテの得体の知れなさ加減は、大画面でギョッとしながら(人によってはウットリしながら?)観るのが正しいのかなと。

2)引きのショットの奥のほうでやっていることをちゃんと確認

たとえば、営業マンっぽい彼は車の中で何をやっているんだ、とか、虫語のカップルは遠くで何やってんだ、とか、何箇所か確認したいと思っていたところがあって、それらは今回払しょくされて、スッキリした。

3)”音”へのこだわりも大きめな音量でこそ映える

前回も感じてはいたが、製作者の音へのこだわりも強い作品だと思うので、今回大きめの音量でながしたことで、より楽しめた。

4)英語字幕が出ることによるメリットデメリット

これは作品自体のことではないが、普段は国際線の機内で邦画を見る時ぐらいしか日本の映画を英語字幕つきで観る事はあまりないなか、今回は字幕が表示されていたのでそのまま観ることになり(もしや設定で消せたりしたのか?)、感じたことがあった。

そんなに字幕が邪魔にはならないが、ただどうしても目には入るので、セリフの前に字幕で言う内容がわかってしまったり、英訳のニュアンスが間違っているのではと気になる箇所があったりと、あるのとないのではやはり違うことを痛感。

逆に、日本語のセリフからは、「これってどういう意味だろう」と思う箇所も、英語字幕だと主語や述語が足されていたりして理解が深まったところもあった。
ただ、これってそもそも製作側が最初にセリフを考えたときの意図とはズレているよなあとか、いろいろ考えさせられた。

5)エンドクレジットの監督の絵のインパクト

1)と重なるが、前回はさほど感じなかったが、大画面で観るとかなりのインパクトの強さ。

6)セリフの面白さ

カプセルホテル受付2人の会話はもちろん、最後の晩餐女子会の会話、そしてマペットたちの会話など、あらためて聞くと、引っ掛かりが多い内容が散りばめられていて、時間が経っても時々思い出す面白さがあることを再認識。

7)個人的に一番気になったシーンは

インパクトが強いわけでもなく、動きも少ないが、不思議さという点でモノレールのシーンが気になった。顔の痣、centipedeの栞。

光にあふれた車内が穏やかで、おそらく千葉のモノレールだと思うが、久しぶりに乗りたくなった。


とまあ、前回は”新しさ”に興奮させられたが、複数回観ても十分楽しめる作品だったし、人と話したくなる要素が散りばめられていることを再認識した。

最近、コロナ禍をきっかけに、映像作品の製作や配信といった事業に、個人として、もしくは会社の事業として何かかかわれないか模索している最中だったので、監督さんのnoteでの投稿もふくめて、いろいろと気づきを与えてもらったひとときだった。

ミニシアター・エイドや、自分が学生のときから愛用している飯田橋のギンレイホールには、いくばくかサポートさせていただいてるが、もっと他にもあるはず。考えねば。





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