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前半の緊迫感が半端ない【ちいさな独裁者の感想】

飯田橋のギンレイシネマホールにて。(観たのは2019年7月)

つくづく思うのは、ナチスがからむ第二次世界大戦ものは良い映画が多いなということ。
史実としてナチスを見ると、とんでもない悪行の数々の印象が断然強いが、様々なストーリーを生んでもいる。

本作も、予告編を観た時点から期待は高まっていた。

以下、感想(ネタばれなし)。


しかして、期待を裏切らない出来だった。
特に前半が秀逸。緊張につぐ緊張につぐ緊張。
残念ながら、後半までは緊張感は持たなかったが、それでも観た甲斐はあったなと思わせてくれた作品だった。

主人公のヘロルトの素性がいつバレてしまうのかとハラハラさせられつつ、彼が変わっていく様の表現が見事。ヘロルトを演じるマックス・フーバッヒャーの表情がぐいぐいぐいっと映画を引っ張っていく。

ヘロルトに仕えるフライターク上等兵(ミラン・ペシェル)や、ヘロルトとの対峙シーンでは息を飲んだユンカー大尉(アレクサンダー・フェーリング)など、脇を固めるキャラクターも良かったが、なんといっても主人公ヘロルトの魅力に尽きる作品だった。


後半になると、蛮行の嵐が繰り広げられ、戦時中のクレイジーさがこれでもかこれでもかと突きつけられるので、やや食傷気味に。
史実に基づく映画ってこともあるので、歴史はしっかり描くべきだとは思う。が、そうはいってもかなり執拗だった。

まあそんな感じで、前半ほどの盛り上がりはなかったものの、後半は後半で見るべきところはあり、最後まで興が醒めることもなく楽しむことができた。


と、ここで話は少し変わるが、私は観た映画を思い返すときに、IMDBに登録されている写真を見たり、Googleで画像検索して振り返るのが好きだ。

今回も、いつもと同じくそうやって余韻にひたっていたのだが、ふとモノクロの画像とカラーの画像が混ざっていることに気づいた。たまにある、基本はモノクロで、一部シーンだけカラーにする演出だったのかなと思い、調べてみると、なんと、本国ドイツをはじめ大方の国ではモノクロ版で上映されたが、日本ではカラー版で上映されたとのこと。
しかも、そのことでnoteで議論になっていたとのこと。

ネット上の写真をずっと見たせいか、てっきり、私はモノクロ映画を観たとばかり思いこんでいたが、実際はカラー版を見ていたのだ。

自分の影響されやすいことに唖然とした。。。

映画自体は十分楽しめたのだが、なんか最後に来て、拍子抜けしてしまった。

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