キネ坊主の映画人生を紐解く24

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本日、Save our local cinemasのTシャツが届きました。予想外の規模になりましたが、無事に届いて良かったです。さぁ、関西の映画館が再開したら、これ着て取材に行くぜ!


さて、今回は、2002年末に梅田ガーデンシネマで観た『刑務所の中』について書きますね。

[知られざる刑務所の中の、意外に快適な暮らしの様子を描出した喜劇。銃砲刀剣類等不法所持及び火薬類取締法違反で懲役3年の実刑判決を受け、北海道・日高刑務所に送られたミリタリーおたくの中年・ハナワ。彼は、雑居房の4人の受刑者らと共に、厳しい規律に縛られながらもそれなりに快適な獄中ライフを過ごしていた。毎日繰り返される他愛のない会話、作業場での労働、2日に一度の入浴、夕食後のテレビ、お正月にはおせち料理も出るし、免業日には飲み物&お菓子付き映画鑑賞会もある。ところがある日、捜索(抜き打ち検査)で出所後の互いの連絡先をメモした紙片を発見された5人は、不正連絡で懲罰房に入れられてしまう。しかし、そこで黙々と薬袋を作ることになったハナワは、今までで一番充実した時間を過ごすのであった。]

これは、漫画家の花輪和一さんが、銃砲刀剣類不法所持、火薬類取締法違反で懲役3年を受け服役したのがきっかけで書かれたエッセイ漫画が映画化された作品。

ハナワさんを、山崎努さんが演じ、刑務所の中で、決められた時間割の中で、如何に楽しく充実した時間を過ごしていたのか描かれています。

刑務所、決して入ってみたい場所ではありません。不味い飯というイメージもTVドラマ等から付いていたでしょう。実際は、そんなことにないのかもしれません。あくまで個人の価値観でしかありません。質素ではあるでしょうけど、時には、こんなメニューもあるの!?と驚くシーンもありました。人それぞれの好みではあるでしょうけど、刑務所のごはんを食べるイベントがもし開催されてみたら、一度体験してみるのもおもしろいでしょうね。

また、出演俳優陣も豪華です。香川照之さんに田口トモロヲさん、松重豊さんに大杉漣さん、椎名桔平さんに遠藤憲一さん等々、日本映画界の渋い俳優がこぞって出しています。さらには、短くとも窪塚洋介さんまで出演しているので、様々な俳優を探すのも楽しみになる作品です。

でも、観ていて一番感じたのは、集団行動の滑稽さでした。オイラが保育所に通っていた頃から、列に並んで同じ行動をしていたわけで、当時から感じていたもどかしさを、スクリーンを通して客観的に見たことで、一歩離れてみると、如何に集団行動は滑稽なことなんだ、皆が同じ方向を向いていることが気持ち悪いな、と実感した次第です。どちらかといえば、集団行動より個人行動をするほうが、自由で気楽でなんて気持ちいいんだろう、と常々感じていたので、集団行動を自分なりに冷静に捉えることが出来て良かったなと思える作品です。

と、こんな風に、普段はあまり話さないけど、ふとした時に作品を通してこんな風に自分の価値観を書けるっていいっすよね。明日も書いていきますよぉ~!

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