ミナ・ペルホネン「つづく」を見る

今日は会社を年次休暇で休む。午前9時から胃の検査が入っていたけど、その後どこに行くかは特に決めてなかった。麻酔をかける検査だったから、そんな遠くにはいきたくない。だけど、せっかくの休みなので、何か目新しさを感じたい……そんな感じだった。

上司から借りてからだいぶ経っていた「僕の人生には時間が起きない」(ハライチの相方、岩井さんのエッセイ)を読んだ。美術館で「ムンクの叫び」を見た時の喜びが、面白おかしく書かれていた。「美術館に行くと、色んな想像が掻き立てられる。毎回、何かしら新しい考え方を知って帰る」という一文は、よいな、と素直に思った。そうか、平日だしなんとなく美術館もいいな、と思った。休日は、最近はどこの美術館も、盛況しているから。。

東京アートビートを見るまで、ミナ・ペルホネンの展示があることは忘れていた。そうだ、この前スカートを買ったお店で、この展覧会がもうすぐ終わるって聞いたなーと思い。

今日の格好は、検査にうってつけなグレーのパーカーにジーンズ、そして厚手のダウン。ゴリラのマークでおなじみの、ベン・デイビスのパーカーは、ブランドのネームロゴの色合いが、ピンクやラベンダーで縁取られてたのをかわいく思い、何度か検討してから買ったもの。着てみると自分の想像と何か違った。リブの部分とかもうちょい固くシッカリしたのが好みなのかもしれない。ただ合わせてみただけだと、じっさいにお付き合いしてみないと分からないものも多い。

(結局それは脱がされ、薄い青の検査着を着させられた。。)

とはいえ、こんな格好で展示会に行くのは緊張した。まわりを見回してみて、全身をガッチリとミナ・ペルホネンで固めた方ばかりでなかったのでホッとした。平日だからか、ご年配の女性数人連れ、という方々が目立った気がした。それで、あなたお洋服作るの好きなんだから参考になさいな、とか、私あの布地が好き、とか言っている。

若い世代だけでなく、年配の女性の心をつかむとは。。

私が一番感じ入ったのは、長く着続けてきた人の、思い出の服の展示。一つひとつエピソード を読むと、大事に着ているし、そのときどきの思い出も大切にしているのが痛いほど伝わってくる。なかには、亡き妻への想いもあった。

ミナとともに暮らす人々の、インスタレーションをみても、自分はこの何年かで、何を得てきたのだろう、と思う。端的に、消費だけしていないだろうか。

洋服についての付き合い方を、改めて考えさせられる展示でした。

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