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星の撮り方基本設定編

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こんにちは。星の撮り方基本設定編です。
星の写真は難しいイメージがありますが、基本を押さえてしまえば簡単に撮ることが出来ます。今回は基本の設定についてご紹介します。
なお、各項目の説明が長いので、設定だけ知りたい方は『5.設定まとめ』を見てもらえればと思います。

1.星を撮影するために必要なもの

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★カメラ(SDカード・バッテリー)
カメラは一眼レフカメラやミラーレスカメラがおすすめですが、コンパクトカメラでもシャッタースピードを設定できるモードやマニュアルモードが搭載されているものなら写すことが出来ます。
ただ、クオリティの高いものやたくさんの星を写したい場合はやはり一眼レフやミラーレスがよいかなと思います。
★広角レンズ(焦点距離24mm以上)
星空と地上物を一緒の構図で写したものを「星景写真」といいますが、星景写真を撮る場合広い範囲を写すことが出来る広角写真がおすすめです。
★三脚
星の写真はシャッターを長い時間開けて撮影するためカメラを固定出来る三脚が必要です。
★リモコン
カメラのシャッターを指で押すとわずかな衝撃がカメラに伝わりブレたりするため、リモコンでシャッターを切ります。最近はスマホでアプリからカメラを操作したりも出来たり、リモコンがない場合、2秒セルフタイマーなどで対応出来るので必須というよりはあれば便利なアイテムです。
また、インターバル撮影などを設定するために使う場合もありますが、こちらもカメラ側についている機種もあります。
その他、ヘッドライトや冬の撮影ならレンズの結露防止にレンズヒーターなどもあると便利です。

2.明るい場所で下準備

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星の撮影は暗いので、現地へ行く前に車の車内などである程度準備をするとスムーズです。
★カメラのノイズリダクション機能、手振れ補正機能をOFF
レンズに手振れ補正がついているものはこちらもOFFにします。三脚に固定していても、この機能がONになっていると逆にブレを発生させてしまうこともあるためです。
★三脚の雲台、プレートをカメラに装着
カメラを三脚に固定するために、ネジなどで取り付けるプレートがありますが、これにはレンズ側など向きがあったりするので、明るい車内で先に設置してしまいます。ちなみに筆者はつけっぱなしです。
★フィルターなどを装着
ソフトフィルターや光害カットフィルターなどを使う場合、こちらも先に取り付けてしまいます。ネジ込み式のフィルターは意外と取り付けるのに手間取ることもあり、また落下防止のためにも先に取り付けた方が安心です。
撮影中取り外したくなることもあるので、フィルターケースをあらかじめポケットなどすぐ取り出せるようにしておくとよいかと思います。

3.撮影設定

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★マニュアルモード(Mモード)/マニュアルフォーカス(MF)
カメラメーカーによって名称は違うと思いますが、シャッタースピード、絞りともにマニュアルで設定出来るモードです。
フォーカスモードもあとで説明する「無限遠」に合わせるので、マニュアルフォーカスにします。
★f値:開放(一番小さい数字、または一段階絞る)
とても微細な星の光を集めるため、絞りは一番開けた開放か単焦点のようにf値が1.4などとても明るい場合は一段階絞った1.8などに設定します。一段階絞る理由は周辺減光を軽減したり、絞った方が画質が良いためです。
★WB(ホワイトバランス):AUTO
色味の設定は慣れるまではAUTOで、慣れたら好みに合わせて4000K前後のやや青みがかった色など調整してみてください。
★シャッタースピード
星が点で写るシャッタースピードは【500÷焦点距離】の式である程度計算することが出来ます。ただ、感覚として20秒を超えてしまうと超広角でもわずかに星の日周運動(星の移動の軌道)がわかってしまうので、慣れるまでは10秒~15秒の間を目安にするとよいかと思います。

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★記録形式:RAW、またはRAW+JPG
星の写真は撮影したままのいわゆる「撮って出し」のままではなかなか星が目立たなかったりするので、レタッチソフト(adobe社のLightRoomやPhotoshopなど)で『現像』と呼ばれる調整作業をします。そのため写真を記録したままのRAWデータで撮影します。
※フォトレタッチについては今回は省略します。また別な機会に書きたいと思います。

4.星にピントを合わせる(無限遠)

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星はオートフォーカスを使ってピント合わせをするのは今のところ出来ないので、マニュアルでピント合わせをします。星は何光年という遠い距離にあるので、その星にピントを合わせることを『無限遠』といいます。
星のピント合わせはまずライブビューで星を表示させ、一番明るい星を可能な限り拡大します。ピントリングをまわすと星が玉ボケ状態から小さな点になるポイントがあります。一番小さな点になった位置が『無限遠』で星にピントが合った状態になります。無限遠はその日の大気の状態などによって微妙に変わるので撮影のたびに合わせます。また画角を変えたり移動したらその都度合わせ直すとあとでピントが合ってない!という状況を防ぐことが出来ます。
ここまでくれば設定完了、どんどん撮影開始です!

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5.設定まとめ

・カメラを三脚に固定
・マニュアルモード/マニュアルフォーカス
・ノイズリダクション、手振れ補正OFF
・WB:AUTO
・S/S:500÷焦点距離で点像、目安は10~15秒
・無限遠にピント合わせ

また、ISO感度についてですが、撮影場所の明るさによるので、固定の設定は特にありません。Tipsにもありますが、ノイズの少ない低いISO感度から開始して、その場所にあった設定を探してみてください★

6.星の撮影に行く前に

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星は夜の暗い場所で撮影します。思わぬ危険が潜んでいることもありますので、出来れば明るいうちにロケハンをする、無理をしない、下調べをして準備をするなど安全に撮影してください。また星の写真に限ったことではありませんが、カメラと一緒にマナーも持って行きましょう。
参考になれば幸いです。
それでは、楽しい撮影を!

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