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【衝撃】『トイレで出産』

初めてが自宅出産

予定にない、急な出産。これは恐いです。


その日は出産予定日の二日前でした。

深夜1時、『ちょっとお腹が痛い』と言ってトイレに立った妻。
ほどなくしてベッドに戻ってきましたが、また『痛い』といってトイレへ。

30分間隔でした、妻の感覚では普通に便秘だと思ったそうです。

その後、なかなかトイレから戻らないので心配しながらもベッドで待っていると

『頭出てきたー!!!!!』


と、聞いたことないような妻の声。

と、同時にどうしたらいいんだ!?という迷いが一気に走りました。

とにかくトイレへ走り、妻の状況確認。

普通に便座に座っていたので、ちょっと失礼と股の間を除くと、頭なのか?5㎝ほどは何か出てきている状況でした。

妻が頭だっていうんだから頭だ!どうしよ!

便座から前に少しずらせて、間違っても赤ちゃんが便器に落ちないように移動させました。

すかさず、通っていた産婦人科のある病院へ電話。

相手も驚きはしていましたが、テキパキと指示をくれました。

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①お湯とタオルをたくさん用意して温かくすること

②救急車を手配して病院まで、すぐ来ること


まず、もらった指示はこれだけです。

その電話をしながらも、家にあったありったけのバスタオルとお湯を貯め始めました。

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妻はずり落ちそうな体勢で耐えています、いつ産まれるか分りません。

つい30分前まで明日のランチの話をしていたのが、嘘のよう。

119番に電話して、5分で来るということだったので、そのまま再度病院へ電話。

妻の手を握りながらいつ産まれてもキャッチできるように下で身構えます

と救急車が来る前に、、、

ちゅるんっ!

と、産まれました!!!

その瞬間のことは一生忘れません。

何もできなかったのです、あまりに唐突であまりに早かったので目で追う事しかできませんでした。

待ち構えていたタオルと腕に赤ちゃんが落ちてきた。

でも、変に動けてしまった方が危なかったかもしれません。

よくスマホとか落とした時に咄嗟に手を出してさらに遠くへ飛ばしてしまう、あれです。

そんな事が起きなかったのが本当に良かった。本当に。

赤ちゃんはそれはもうギャーギャー泣いていました。

春先でしたが、深夜のトイレはちょっと寒く早く移動させたかったのですが

妻と繋がったへその緒の処理なんかできません。

とにかく冷えないようにお湯で血を流して、一番柔らかい、確かオーガニックだったとバスタオルでやさしく、包みました。

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妻はびっくりしていましたが、笑っていました。

電話もスピーカーにして会話していたので、赤ちゃんの元気な鳴き声が病院側にも伝わっていました。

『おめでとうございます!』という声とともに、外で救急車の音が近くまで来ていることに気づきました。

妻をリビングまで移動させたところで、周りが血だらけになっていたため、仕方なく裸に毛布をぐるぐるにして救急車を待ちました。

ピンポーンとインターホンが鳴り、2名の救急隊の方が入ってきました。

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『産まれそうなんですか!?』

『いえ、もう産まれました。』

『、、、産まれたんですか?』

『はい、病院に行く前にへその緒の処置だけお願い出来ますか?』

と伝え、驚きながらも慣れた?手つきでハサミとクリップを使ってちゃちゃっと処理してくださいました。

『では、先に病院へ行きますので旦那様も後から来てください。』と言われ

『はい、すぐ行きます。安心して赤ちゃんと一緒にいてね、裸だから服持ってくよ。』と伝え救急車は離れていきました。

この間10分も無く、怒涛の出来事。

そして静寂と離れていく救急車のサイレン。

一息つく間もなく、どうやって病院まで行けばいいのか一瞬迷いました。

タクシーという手を普通考えると思いますが、普段カーシェリングを多用していた為、何故かそちらの予約をしてすぐ向かいました

おそらくそっちのほうがタクシー呼ぶより早かったかもしれません。だって家の隣にあったから。だから、タクシーじゃなくカーシェリングを使ったのは、正解だったと思います。予想以上に高くついたけど。

自宅から電車で40分、車でも似たような時間の所の病院へ通っていた為、ノンストップで進める救急車とのタイムラグでいえば20分差くらいでしょうか、先に病院についた妻が一息ついているところで、二人に面会出来ました。

赤ちゃんはケースに入れられており、酸素と暖房を浴びせられているような感じでした。

産まれた所が寒かったので、低体温が怖いので一応、という事でした。

まだ体中に色々ついていて可愛いとか思えませんでしたが

愛おしい、大事な存在というのだけはすごく感じました。

でも、10分くらいでしょうか。

『旦那さんはあとは帰宅して、面会時間に来てくださいね。』ということで結構すぐ帰宅させられました。

後日談として、妻はそのまま寝られず赤ちゃんにおっぱいを与えようと頑張っていたそうです。

『産んですぐには出ないよー』と言っていました。

色々初めて過ぎた出産でしたが、それこそ僕らでしか体験できない経験でした。

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『トイレで産まれた』って、良いイメージないですが、うちに限っては悪いイメージ持っていません。

世界へようこそ、僕らの宝物。