見出し画像

ウィスキーの友達は?


 高級なウィスキーは本当にうまい。

 少し口に含んだだけで、濃厚な旨味が口に広がり、その歴史や、熟成期間、ウィスキーの記憶、そんなものがじっとりと伝わってくる気がする。「こんなにも値段で差が出るのか」とびっくりしたものの一つである。

 しかし、悩み深いのはその飲み方である。

・ハイボール

 高級なウィスキーをハイボールに使うのはなんとももったいない。確かに高級なウィスキーを使ってつくったハイボールは、手頃なもので作ったものより美味しい。ただ、それも最初の何杯目かで、酔っ払ってしまえば手頃なウィスキーで十分である。

・水割り

 うすまってしまい。濃厚な味わいがなくなってしまう。

・ロック

 冷えることで、香りがなくなる。こちらも時間とともにうすまってしまう。

そこで行き着いたのが

・そのまま

 つまりストレートだ。香り、味わい、全てがMAXで私を満たしてくれる。
ところが。。。。やはりストレートは強いのである。何かしらためらいが喉を通る時に訪れる。「これを胃に入れたらやばい!」そんな声が聞こえてくる気がする。

 だから私はおいしい冷水をはさみながら飲むことにした。やけた喉や口がその都度リセットされる。それがなんとも良い。これは胃に入れば水割りと全く同じだ。しかし、やはり結果は同じでもプロセスは重要なのである。ウィスキーの濃厚さを最大限に味わった後に、その力を弱めたい。それがこの飲み方なのだ。

 そして、これは発見でもなんでもなく、まさにこれが「チェイサー」の役割なのだと最近知った。実際調べて見ると「チェイサー」とは以下のことを言うらしい。

チェイサー(英語: chaser)とは追う者、追撃者の意味である。「チェーサー」とも表記する。バー用語で強い酒をストレートで飲む場合、続けて口直しに飲む水、炭酸水や軽い酒のこと (Wikipedia)

 昔、飲み屋で働いていた時、「チェイサー」は『水割りのかえの水』や『酔い覚ましのための水』という認識だった。随分間違えて覚えていたものである。

 うまい水はウィスキーの友である。ウィスキーのチェイサーにおいしい水を。そして、チョコレートはウィスキーの恋人なのだ。

いつも読んで下さってありがとうございます。 小説を書き続ける励みになります。 サポートし応援していただけたら嬉しいです。