コードは書きますよ…
3回目の転職でたどり着いた前職。
プライムの受託案件中心の仕事のため、それなりに経験を積んだ人が多かった。
自社サービス開発中
あるとき、自社でサービスを開発する必要があり、しかも、手が足りず、私もバックエンド側のコーディング含めプロジェクトを進めることとなった。
開発規模としては、それほど大きくなく、私ともう2人でのプロジェクトだった。
1人は遠隔地からデータを取得するモジュールを作る担当でパートナーの方。
私はそのモジュールが取得したデータを、もれなくデータベースに書き込むバックエンドの担当。
そして、もう一つ、フロントエンドを部下がRubyで作っていた。
データベースに保存されてデータを取得し、画面にグラフで表示することがフロントエンド担当の役割なのだが、ある時、そのグラフ化のロジックどうする?と聞いたときに「ロジック考えていただければ、コード組みますよ?」と言われたのだ。
COBOLのプログラム
私が新卒で参加したプロジェクトは生保システムだった。
当時としても、おそらく今でもと思うが、いわゆる詳細設計がコードレベルの設計書で、設計書を見ればそのままコーディングができる、とてもしっかりと進めているプロジェクトであった。
金融系のシステムで、COBOLだったから、というのがあるとは思うが、今思うと品質のことを考えて、しっかり仕組みになっていたんだと思う。詳細設計書は先輩のSEが作り、私はそれを見ながら、コーディングするだけであった。もちろん、間違いを見つけたら、違いますよ?くらいは言える関係ではある。
しかし、新入社員で初めて参画したプロジェクトで、人が作った設計書通りプログラムを書くだけ?と思い、こんなの「プログラマーじゃなくて、単なるコーダーじゃん!」とやり切れない感情を抱いたことがあったのだった。
コーダーが悪いというこではない。
プログラマーはロジックを考えるからプログラマーとしての存在価値があると思っていたことを完全に否定されたような気がしたからだ。
その後、そのプロジェクトで品質的な観点から、多くのことを学べたし、その仕組み自体が悪かったとは思えないのだが、そのとき抱いた感情はとても大きく私の中に残っていた。
ロジック考えたら・・・
そして20年ほど経ったのちに、それなりにプログラマーとして力があると思っていた部下から、言われたのがこの言葉だった。
「ロジック考えていただければ、コード組みますよ?」
そのロジックを考えることがプログラマーの醍醐味なのでは?と言いかけて、呑み込んでしまった。
もちろん、そのロジックを考えることは嫌ではないし、面倒でもない。
むしろ、ロジックを考えることが楽しいのだ。
だから、その楽しいことを、他の人に渡す、ということが信じられなかった。
しかも、それなりプログラミングの力があると思っていた人物にだ。
人数も少ないプロジェクトだったから、できることを分担してやればいい。だから、結果的に私がロジックを考えて、コーデイングは部下にしてもらった。
そして、グラフが綺麗に表示された。
定義言語が多くなっている昨今であるから、仕方ないのかもしれないが、やはり私はロジックを自分で考えて、プログラムをしたいと深く思った5年前の出来事だった。
システムの肝となるロジック部分を外出ししようとしていた、あるプロジェクトをみて、この5年前の衝撃的な出来事を思い出すとともに、今どきの開発は当たり前なのだろうか?と思いつつ、自身の意識も変えていかなければ最新の開発についていけなくなるんだろうと、もっと柔軟に考える必要があるのかな?と思ったのだったw
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