ポケモンが”僕らの物語”であり続ける理由
なぜポケモンはこれほどまでに共感を呼ぶのか
初代ポケットモンスター赤・緑が発売されたのは1996年2月27日。
それから25年近く経ったいまもなお、ポケモンは世界中で愛され、新たなコンテンツを生みだし続けている。
つい昨日、BUMP OF CHICKENとコラボしたスペシャルミュージックビデオ『GOTCHA!』が公開された。
冒頭、スタンド・バイ・ミーをオマージュしたカットを見て、ポケモンがどれほど長い道のりを歩いてきたのか、思いをはせずにはいられなかった。
小さなカセットから始まった物語は、やがてアニメになり、ハリウッド映画になり、世界中の人たちから愛される存在になった。
151匹のポケモンを求めて、持ち物をバグらせたりミュウツーを出したりしたあの頃は遠い昔のようだ。
けれど、いまでもポケモンは僕らのそばにいるように思えてならない。
ポケモンと遊び、育ってきた『GOTCHA』のPVを見て、胸打たれたのはきっと、いまでもふと草むらから小さなモンスターが飛び出してくるようなーーそんな気がしているからだと思う。
ヒトカゲを選んだときから、物語は”僕のもの”になった
ポケモンといえば、最初に3匹のなかから相棒を選んで冒険がはじまる。発売前に、どの子にしようかなーとワクワクしながら考える時間が楽しくて、新作が出るたびに悩んでしまう。
はじめて買ってもらったポケモンで、私が選んだのはヒトカゲだった。キャタピーやポッポを捕まえながら、各地のジムリーダーを倒してチャンピオンになった。
151匹の中から、どのポケモンを選んで旅をするのか。
実は、ポケモンの楽しさはジムリーダーを倒すことよりも、どんなポケモンで旅をするか、というところの比重が大きい。
その選択肢は、もっともポケモンの種類が少なかった初代でもおよそ150の6乗で12兆通り。プレイヤーは自分だけのパーティーで、自分だけの冒険を楽しむことができる。
王道の最強パーティーで挑むもよし、自分の好きなポケモンで固めてもよし。縛りプレイでは最弱と言われるコイキングだけでクリアした猛者もいる。正直めちゃ感動するのでぜひ見てみてほしい。
最初の三匹が象徴的だが、ポケモンは選択の物語である。
数多くの魅力的な選択肢の中から自分の行動を決めることで、ポケモンは”僕だけの物語”になっていく。
キミにきめた!
そのセリフが、なによりの証拠だろう。
だからこそポケモンは、誰にとっても身近で、かけがえのない存在になったのだ。本当に素晴らしいゲームのコンセプトだと思う。
サトシの冒険は”みんなの物語”
ポケモンを語る上で欠かすことができないのが、アニメのポケモン(アニポケ)だ。
主人公のサトシがピカチュウと出会ったエピソードはいまでも思い出せるし、リザードンとのお別れにはグッとくるし、映画はルギア爆誕が好きだ。
もしもポケモンがゲームだけだったら、ここまで国民的な人気を博してはいなかっただろう。マリオがどれほど好きでも、バンプとのコラボPVを見て感動したりはしないはずだ。
(星野源のCMにはぐっと来たけど笑)
ドラえもんや、ドラゴンボールと同じくらいの人気・知名度を得ているのは、間違いなくアニポケのおかげだ。
いまでもデジモンやおジャ魔女どれみの大人向け映画が作られていることからわかるように、子どもの頃に見たアニメはずっと心に残り続ける。
それは多くの人の”共通意識”として記憶され、一種のノスタルジーな感情とともに育っていくのだ。
ゲームが”僕だけの物語”であるなら、アニポケは”みんなの物語”だといえる。この2つの物語が、私たちの心をつかんでいつまでも離さない理由だ。
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