トルコ戦から日本代表がチェコ戦に繋げたいこと

みなさんこんにちは、佐々木クリスです。

21年振りに自力で掴み取ったFIBAワールドカップ、初戦のトルコとのゲームは苦い味が口に残る完敗でした。これは全くオブラートに包むこともできない事実、当日はベッドに入って目を瞑っても寝付けず本当に悔しい思いでした。

序盤にオスマンの得意なランニングプレーを許し、イリヤソバの攻守に渡る安定感は抜群。チームとしても決めるべきショットを決め、守るべきポイントを抑え、1Qが終わってからのトルコはクルーズコントロールに入っているかのように淡々とゲームを進めた印象。4Qに入ると序盤以降やる気が空回りしていた若頭オスマンを下げ、6:59のタイムアウト以降は次戦対峙するアメリカ対策として、このゲームでは使っていなかったスペイン・ピック&ロール(P&R)を試したり、エルデンを4人の外郭で囲んでポストアップさせるなど、セットの精度を高めようと執拗に仕掛けてきました。

日本は一時的に12点差や、14点差まで追い上げるも、冷静なトルコにフルコートプレスからのトラップというカードを切らせる事なく、主導権争いに加われないままゲームは残念ながら終了してしまいました。

日本×トルコ ハイライト


試合の内容はアジア予選8連勝以降、日本も非常に高かったペイント内得点(PITP)にそのまま現れており、18-54と圧倒的。FBPs(速攻であげた得点)も11-15。FIBAのサイトでplay by playからどの得点がファーストブレイクによるものか抽出できないので3ptも混在する数値ですが、日本のペイント内得点の多くがファーストブレイクから来ていた為、ハーフコートオフェンスで演出したPITP(PITP-FBPs)は大まかにみて7-39となってしまいます。

トルコは主力を序盤にのせて、日本の八村は1stショットが1Q始まって6分が経過しようとしていた時点のタフショット…何がそうさせたのか?

前回記した『仮想トルコ-スカウティング・リポート』の懸念が具現した部分を考えると、次に対戦するチェコも組織力では日本を上回るのではないかと感じています。アメリカに19点差で敗れたとはいえ次戦の対戦相手の内容は決して恥ずかしいものではなく、むしろ手応えも感じながら日本戦に臨んでくると思います。

チェコ・スロバキア時代に世界選手権に出場の経歴があるもの、チェコとしては初めてのW杯出場。彼らも日本同様、歴史的な一勝に全てを賭けてぶつかってくるゲームとなります

悔しい思いをしながら、次戦に向かわなければならない日本の戦士達。初戦を終えて、2戦目。僕はチェコに対する最低限のスカウティングは必要ではありながら、最もフォーカスすべきは自らの戦いにあると感じています。今回はその中でも最も重要と僕が考える2点、そしてチェコの主力選手の特徴とチームのスタイルをご紹介したいと思います。

前回もお伝えした通り、W杯期間中の記事は有料とさせて頂き、みなさまから頂いたお金は全額日本デフバス協会様へ寄付させて頂きますので、ご理解とご協力下さい。

それではここからが本題です...

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