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偏愛食品#83:蛸炙り(338/1000)

蛸はいかが? と聞かれたので食べるよと注文して届いた炙り蛸。
三陸食べる通信は地元のおいしい食材を提供してくれるんだよ。

食材といっしょに「三陸食べる通信」という冊子がついてきます。
今回は活蛸の炙り焼きを作っているマルカ高橋水産の取材がメイン。2代目の半生と炙り焼きができるまでに始まり、さらに素材の水蛸の紹介や蛸の食べ方指南など盛りだくさん。
活蛸の炙り焼きのためだけの1冊という、貴重な本。
蛸は頭足類といって、頭に直接足が着いている生物だなんて炙り焼きを注文するまで知らなかったよ。足と胴の間に頭があるってどんな感じなんだろう? 人間に置き換えて想像するとちょっとどうだろうって思いますよね。胴だけに。だいたい口で食べたものが上部にある胴体に行き、消化され、頭を経由して排出されるってどうよ?
蛸の人生というか蛸生というのも興味深いものがあります。

そんな思いとは関係なく、捉えられた蛸は瞬時に1200度の火で炙られるそうです。それから氷点下の冷却室で急速に冷やすと弾力ある炙り蛸になるのだとか。

たしかに切ってみるとぽよんぽよんとしていて、生きているかのよう。
口に入れると甘味のある弾力が印象的です。

食べ方は、わさび醤油でよし、ポン酢でよし。
なんだけど、そこは工夫のしどころで、醤油の代わりにはさめずを使ってみました。

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「昔は醤油のことを、箸ではさめない料理という意味で“はさめず”と呼んでいた」のが語源の「はさめず」。
だし醤油なんですね、これ。
見つけたのは三重県のアンテナショップ。
ご賢察のように、これはお買い得品で250円だったんです。だし系のものに目がなくて、さらにお買い得という言葉に心躍る私にとって、珠玉の一品です。

使ってみると、醤油そのものがおいしいところにもってきて、だしの香りが素晴らしい。わさびをちょっとつけて活蛸を食べると活力が沸いてくるんだなあ。
一切れ取って、はさめずとわさびを絡ませ口の中へ。
柔らかく弾力があるので、もんぐもんぐと咀嚼します。いつ飲み込めばいいんだろうと思いつつ、蛸とだしのマリアージュを楽しむわけですねー。
そりゃ言わずと知れた日本酒殺し。
この一切れで一合飲めるぜ的な感興を催しますね。
いや最高の取り合わせ。

でもね、ポン酢方面にも猛者がいます。
それはこの、辛いポン酢。

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モミポンはモミジおろし+ポン酢、なんでしょうね。京都のものです。
ポン酢の深い味わいにぴりりと辛みが加わって、これまた得も言われぬ旨さになり至っています。

はさめずわさび、モミポン、日本酒、はさめずわさび、日本酒、モミポン。
蛸蛸酒蛸酒蛸。
三重京都岩手三重岩手京都。
幸せな順列組合せ。
ゆっくり味わいつつお酒を飲んでいると、多幸感に包まれていきます。。。
たこだけに。

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