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この人が好きだ!#13:黒坂黒太郎さん、45周年おめでとうございます!(218/1000)

コカリナといえば黒坂さん。発見者であり日本での始祖であります。
上皇后美智子さまもファンなのは有名な話ですよ。

黒坂黒太郎さんは45年前、キングレコードからデビューしたミュージシャンです。デビュー後ほどなくして宮本常一の影響でメジャーから距離を置き、日本各地でコンサートを続けてきた方。その数は5000回を超えたそうですから、年間100回以上演奏している計算になります。

その旅の途中、1995年にハンガリーで売られていたコカリナと出会い、その後日本に紹介して楽器として精度の高いものに完成させました。
その経緯は『コカリナ?森の精が宿る笛』という本に詳しく書かれています。(って、私が初めて作った単行本なんですよね。機会があったら手にしてみて欲しいな)

その後はフォークミュージシャンとして、コカリナ奏者として日本中で活躍されています。
長野オリンピックの会場整備に伴い伐採された木からコカリナを製作し、オリンピックの表彰式で子どもたちと演奏したり、東日本大震災で被災した松の木をコカリナにして子ども達にプレゼントしたり、陸前高田市の「奇跡の一本松」の枝をコカリナに加工して演奏したりしています。最近では、新国立競技場建設のために伐採された樹齢200年のケヤキから5000本のコカリナを作り、周辺の小学校にプレゼントされました。
また、海外での演奏も盛んに行っており、ウィーン学友協会やカーネギーホールにも出演されているんだよ。

当時の美智子皇后が、長野オリンピックでの出来事を知って興味を持たれ、黒坂さんにコカリナの教えを乞うたのだとか。https://www.jprime.jp/articles/-/6661

今回、演奏活動45周年を記念したコンサートにも、上皇后がお忙しい中、リハーサルだけでも聴かせてといらしたそうですよ。(すげー!)

コンサートの会場は、すみだトリフォニーホール大ホールです。
途中の敷石がまた素晴らしい。

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ね?

そうして会場に着きました。

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たくさんの花も出ています。

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にぎやかでいいですねー。華やぐなあ。

コンサートは2部構成です。
1部は黒坂さんと奥様の周美(かねみ)さんの歌を中心に。2部は大コカリナ合奏団と共にコカリナを披露されました。

1部では、宮本常一の教えに従い、日本各地で暮らす人に寄り添って作った歌をたっぷり聞かせてもらいました。
水俣病の患者を題材にした「WE CAN STAND」、広島の学生と作った「ヒロシマ・スチューデンツ・アピール」、夕張炭鉱の悲劇を歌った「夕張の子」など感慨深い歌があり、ご自身の出身の上田にある別所線をテーマにした軽やかな歌があり、さまざまな土地で作った「筑波山」などのような歌もありました。

曲もいいし、黒坂さんの歌もギターも素晴らしいんですが、とりわけ心を動かされるのは周美さんの声。
伸びやかで聖性を感じるんですよね。いつも聞くたびに感動するんだなあ。(周美さんの歌については、次回記します)

休憩をはさんで第2部ではコカリナアンサンブルが登場します。
アンサンブルといっても、大人が150人くらい、子どもが50人弱(ステージにいる人を数えた)いますよ。ものすごい迫力。

コカリナは今やコントラバス、バリトン、ソプラノ、3本が合体したトリプルなどさまざまな音域のものがあります。みなさんそれぞれ異なったものを携えているので、幅広い音色で演奏できるんですね。
ベートーベンの歓びの歌やチャルダッシュがあり、周美さんと子どもたちが歌う「世界中の友達に平和を」とか、荒川がモチーフとなっている「母なる川」などバラエティに富んだ曲が続きます。

なかでもさくら国際高校ダンス部とのコラボで、学徒出陣で散った若者たちの鎮魂のための「青春の森」は思わず泣けてしまう出来栄えでしたね。

コンサートの最後に黒坂さんがおっしゃった言葉。
「人生はわくわくする気持ちがたいせつ。それがあればいろいろなものをはねのけられる」
とても印象的でしたし、まさにそれを体現してこられたミュージシャン生活だったんだろうなあと深く思った次第。
私もわくわくしながら生きていきたいと思いました。

黒坂さんと周美さんの人柄が滲み出た、とても心が洗われるコンサートでした。帰り道、じーんとしていたな、気分が。
ホントに素晴らしいので、ぜひどこかで聴いていただきたいものです。オススメだよ。


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