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アーティストの方にこそ、Chooningを使ってみてほしい

音楽情報を共有するSNS「Chooning」をローンチして二ヶ月弱。多くの反響をいただきました。

…と、嬉しくてついついたくさんTweetを引用してしまいましたが!

多くのリスナーの方々に「音楽の視聴体験が変わった」と感じてもらえました。一方で、想定していたもう一方のユーザー “アーティスト=Spotifyで楽曲配信をしている方” には、まだ利用は広がっていません。Chooningは、アーティストにとってもいいことがたくさんあるサービスです。何より、ストリーミング時代の新しい音楽ライフをつくっていくためにアーティストの参加は不可欠!ということで、今回はアーティストの方々に向けたメッセージを書きました👏

Spotifyを通じた収益の発生に直結する

例えば、Chooningにアーティストのアカウントがあって、そのアカウントがこんな投稿をしたとします。

新曲の配信を開始しました🎉 この曲には〜〜〜〜という思いを込め、〜〜〜〜や〜〜〜〜といった工夫を重ねて作り上げた曲です。ぜひ、みなさんの感想を聞かせてください🙌

この投稿を見たファンは楽曲を聴き、アーティストを応援したいという気持ちを表現するためにChooningに感想を投稿します。

Chooningに投稿するためには、実際にSpotifyで楽曲を聴く必要があります。(この「最近聴いた曲のみ投稿可能とする」という仕様は、投稿者の利便性を欠くこともあるのですが、私たちのポリシーによる制約です🧘‍♂️)

Chooningの投稿の左下にある「Spotifyロゴのボタン」を押すと、Spotifyが起動し、実際に楽曲を聴くことができます。アーティストの投稿を読み、1タップで新曲を聴くことができます。

Spotifyで曲を聴きながら、投稿にあったアーティストの言葉に思いを馳せたり、歌詞を読みつつ視聴を終え、感想をChooningに投稿することで応援する。こうした行為の中で、その曲のSpotify再生回数は確実にカウントされます。そしてSpotifyで配信しているアーティストの収入は再生回数によって按分されるので、Chooningでファンに投稿を促すことは収益の発生に直結するのです。

(余談)少し前に藤井風が新曲『へでもねーよ』『青春病』の2曲をリリースした日がありました。あの日の朝、Chooningのタイムラインを見たらこの2曲に対する投稿が多くて「ああ、こうして『いま話題の曲』を知ることができるのは面白いな!」と感じました。もっとユーザー数が多かったら「Chooning内のバズ」によって、これまで届かなかった層に楽曲がリーチしたり、その層が更に投稿することでバイラルが起きて、収益増加をもたらすこともあるだろう!と思いました。(そんな規模になりたい!🤩)

MV再生数の増加施策、オンライン物販促進施策になる

Chooningの投稿の強みは「投稿を読んでいる時点で、ユーザーはその曲を聴いている」という点です。「こんな思いを込めて曲をつくりました!」→聴くか聴かないかを判断する、のではなく、曲を聴きながら「こんな思いを込めて曲をつくりました!」という投稿を読んでいるのです。

この特徴を活かして、是非広報チャネルとして使ってみてください。例えば、先程のアーティストの投稿に、更に以下のような文面が加わっていたとしたらどうでしょうか。

🔽 MVも見てね!(〜〜監督に撮っていただきました!)
https://youtube.com/hogehoge
🔽 このアルバムのグッズをオンラインショップで販売しています😍
https://thebase.in/hogehoge

こうした情報を“曲と同時に提供する”ことで高いコンバージョンが期待できます。Chooningの投稿には、URLを含めることができ、ユーザーはそのURL先のサイトをWebView(アプリ内ブラウザ)ですぐに閲覧することが可能です。このように、Chooningでは曲と共に他の収益チャネルへの導線を表示することができるのです✨(ライブ告知にも使えるかも!)

自分の曲に対するリスナーの反応が見れる

Chooningには、サービスの世界観や制限文字数など、様々な理由から、他のSNSに比べて「濃密なコンテンツ」が成立しやすい文化があります。もしアーティストが自分の曲に対するChooningの投稿を読んだら、さながら「自分に向けられた手紙」を読んでいる気持ちになるのではないか、というくらい熱量の高いコンテンツが多いです。

コロナ禍でライブイベントが制限され、アーティストがファンと交流する場も縮小しています。だからこそ、Chooningを通じてアーティストの作品に対する思いを書き起こしたり、それを読むことでアーティストの創作意欲を維持・向上することができたらと思います。

ちなみに、現在はTrackView(ある曲に対する投稿を一覧する画面)しかありませんが、今後のアップデートでArtistView(あるアーティストの曲すべてに対する投稿を一覧する画面)やHashtagView(あるハッシュタグに対する投稿を一覧する画面)を提供していきます😎

さいごに

一ヶ月ほど前に「音楽情報の共有サービスを作ったので使ってみてほしい」という記事が話題になってから、Chooningについて説明する多くの機会に恵まれました。しかし、そのプレゼンは「ストリーミングによって希薄化してしまう音楽との関係性を解決しよう」「ストリーミング時代に、音楽と向き合う時間を作ろう」という、音楽リスナーに対する便益を述べるもので、アーティストに向けた言葉を語る機会を逸していました。

少し前に、Spotifyの創設者・代表であるダニエル・エクの発言がアーティストや音楽のファンからの反感を買い、物議を醸したことがあります。Spotifyを擁護するわけではありませんが、これはSpotifyやストリーミング・サービスが特にevilなわけではなく、現代の音楽コンテンツを取り巻く産業構造のなかでアーティストの利益を確保することが、とても難易度の高いことなのだと認識しています。

まず、私は「ストリーミング・サービスがアーティストたちを追い詰めた」という指摘は間違っていると考えています。そう指摘する方は、ストリーミング・サービスが普及するまでのインターネットと音楽の関係を忘れてしまったのでしょう。

あの頃、P2Pのソフトウェアを通じて音楽は違法にダウンロードされ、その勢いが増すにつれアーティストの収益は減少していきました。その悪しき営みに楔を打ち込んだのがストリーミング・サービスです。日本における大麻や買春といった社会問題の議論で、よく「合法化して管理下に置いたほうが全体の損失を抑えることができる」という主張がありますが、私は音楽産業におけるストリーミングの存在はこれと似ていると思います。ストリーミングがなければ、音楽産業はもっと酷いことになっていたでしょう。

音楽とストリーミング・サービスは、水と水道インフラに喩えることができます。現代の私たちにとって音楽とは、まるで蛇口を捻れば出てくる水のような存在になりました。生活は快適になりましたが、水のありがたみは薄れました。水道代は支払っているものの、それが有料であることを意識することはまずないでしょう。

インターネットが普及しておらず、CDが売れた時代はよかったです。アーティストも、自身のクリエイティブに充分な対価が得られました。でもそれは「水道インフラが発達していない時代は水が高く売れた。それによって水を掘りあてた人たちに正当な対価が支払えたんだ」という主張です。水道が当たり前の生活を送る人たちの心に届くものではないでしょう。つまり「ストリーミング憎し・デジタル憎し」の主張は建設的ではない、ということです。

もちろん、現状を肯定してはいません。だからこそ、ストリーミングの負の側面を見つめ直し解決にあたるというチャレンジをしており、それがChooningなのです。

私は、インターネットと音楽コンテンツに携わる者として、リスナーだけでなく、アーティストにも語るべき言葉を持っていなければなりません。これからも時々、こうしてアーティストに向けた発信を行い、課題を共有し、多くの人たちと一緒に考え、その結果をプロダクトに反映していきます。

もしこうした私の考えやチャレンジに共感していただけましたら、是非Chooningを使ってみてください! 現状を変えていくために、アーティストの方にこそ、Chooningを使ってみてほしいのです。

文:イワモトユウ(Chooning 代表)

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