見出し画像

脂質の代謝のメカニズム

こんにちはー!トレーナーの沢田です!

今回は脂質の代謝のメカニズムということでお話ししていきます!

減量経験がある方はわかると思いますが、摂取カロリーが消費カロリーを下回っているのに痩せない!という現象が時々発生します。

それはある栄養素が不足しているせいなのですが、その栄養素とは一体なんなのか、それについてお話ししていきます!

ぜひ最後までご覧ください!!!




脂質の分類

脂質は過去の投稿で、一番効率の良いエネルギーだとお話ししました。

その脂質ですが、3つの種類に分けることができます。


【単純脂質】
名前の通りで、基本的に脂質だけの分子であり、中性脂肪・グリセロールなどがあります。


【複合脂質】
脂質と何かが結合した状態で、リン脂質・糖脂質・リポタンパクなどがあります。


【誘導脂質】
単純脂質や複合脂質が加水分解してできた化合物のうち、脂質の性質を持つものです。コレステロールなどがあります。



この3つ全てに脂肪酸が含まれており、その代謝経路は変わりません。

ですので、種類が違うということだけ念頭において、代謝経路は同じだという認識でいてもらえればOKです。





脂質の代謝プロセス

食事から摂取した脂質は、体脂肪・中性脂肪として体に蓄積されます。

運動すると、血糖値が下がります。それを察知して生命維持機能が働き、グルカゴンというホルモンが分泌されます。

グルカゴンが分泌されると中性脂肪を脂肪酸とグリセリンに分解するためにリパーゼという分解酵素が働きます。

この働きで中性脂肪は遊離脂肪酸となって血中に溶け出します。

遊離脂肪酸がミトコンドリアに運ばれて、あらゆる代謝工程を経て電子伝達系に入りATPができます。

これが大まかな脂質代謝のプロセスになります。



ワンポイント解説

中性脂肪=トリアシルグリセロールと呼ばれたりしますが、この意味は

トリ=3つ、アシル=脂肪酸、これがグリセロールについているという意味です。

モノ→1、ジ→2、トリ→3

と覚えればOKです。




血中の中性脂肪がリパーゼの働きで脂肪酸とグリセリンに分解されます。

その後グリセリンはグリセロール3–リン酸を経てジヒドロキシアセトンリン酸になります。

そして最終的には解糖系で糖と同じような代謝経路を経てATPとなります。

このグリセロールについている3つの脂肪酸がどのようにエネルギーになるのかが重要です。

脂肪酸はミトコンドリアには運ばれた後にβ酸化という反応が起きます。

その後クエン酸回路を経て電子伝達系回路に運ばれてATPとなります。


長鎖脂肪酸はミトコンドリアに入る前にアシル–CoAになります。

ミトコンドリア内でアシル–CoAからβ酸化によってアセチル–CoAになります。

そしてようやくクエン酸回路に入っていきます。

アシル–CoAのままではミトコンドリア内膜に入っていけないため、ある栄養素の働きが必要になります。

それがL–カルニチンです。

ダイエットサプリによく入っているものになります。

このカルニチンがアシル-CoAと結合すると、アシル–カルニチンとなり、内膜を通過できるようになります。

つまり、体内に脂肪酸が沢山あっても、L–カルニチンがなければミトコンドリア内に脂肪酸を運べないので、ダイエットするときは十分注意が必要です。

1日の目安摂取量はおよそ1gくらいです。

もちろん骨格や筋量などに左右しますが、この1gを食事から摂取しようとすると、牛肉1.5キロ食べる必要があります。一番多く含まれる肉としてはラム肉がありますが、それでも600〜700gほど食べる必要があるので、食事だけではなかなか摂取できない栄養素だと言えます。


アシル-CoAがアセチル–CoAになる過程でβ酸化が起きます。

ここで働く脱水素酵素・代謝酵素をアシル–CoAデヒドロゲナーゼといいます。

β酸化にはアシル–CoAデヒドロゲナーゼの働きが絶対に必要だと覚えておいてください。

そしてアシル–CoAデヒドロゲナーゼの補酵素がFADフラビンアデニンジヌクレオチドというものです。

何かと言うとビタミンB2です。

ビタミンB2が足りていないと脂質の代謝ができなくなります。

これは最低でも1日50mgほど摂取する必要があります。

そしてこれがクエン酸回路で代謝され、電子/水素イオンが電子伝達系に入ります。そしてATPになります。

このとき、電子伝達系に運ぶための役割を持つのがコエンザイムQ10です。

1日に最低100〜120mgは必要とされています。

これを摂取するときの注意点として、スタチンと呼ばれるコレステロール低下剤とは相性が悪いため、同時摂取するとコエンザイムQ10の生成能力も低下してしまいます。

ですのでもしスタチンを摂取しているのであれば、どちらかのタイミングを少しずらして摂取するようにしましょう!




まとめ

ごちゃごちゃと書いたので簡潔にまとめると

脂質を代謝するためには主に3つの栄養素が必要になります。

1.L–カルニチン 1000mg

2.ビタミンB2  50mg

3.コエンザイムQ10  100〜120mg




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?