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全日本最速店長日記⑩

【暑い北海道の熱いレース】

2016年に初出場し、このコースの厳しさ、面白さに魅了されてまた今年も【ニセコクラシック】に参戦してきました。
去年からUCIグランフォンドのシリーズ戦になり世界的なレースとなったニセコクラシックは、ロードレースで競い合いたい人から、厳しいコースを時間内に走破したい人まで幅広く受け入れる懐広いイベントとなりつつあります。
今年は去年に比べかなり参加人数も増えたらしいのですが来年は更に人数もレベルもあがっていくのではないかと思います。

春先にインドネシアで行われたツールドビンタンでUCIグランフォンド世界選手権の出場権は既に獲っていました。しかし、去年のニセコクラシックは総合5位だったので「今年こそは総合優勝したい!」という気持ちで、今年のメインレースの一つとして照準を合わせてきました。

しかしビッグレース前には大抵試練の期間が訪れます。今回も例外なく家族が2週間前から風邪をひき始め家の中で風邪菌が猛威を奮っていました。
予防に細心の注意を払い、何とか試練の期間をくぐり抜け、今回はなんと全く伝染らずに乗り切りました。
レース当日の朝目覚めた時から体調が良く、「今日はいけそうかも」と今年一のコンディションで迎えられました。

【序盤のKOM】

去年は冷たい雨に打たれながらのレースでしたが、今年は一変、真夏日の中での戦いでした。
年代別で分けてスタートするもののすぐに合流し、まずは大集団の端から一番前を目指します。
スタートから6km地点くらいで先頭に上がったときには既にライバル視している有力選手が集結していました。

序盤はアップダウンがしばらく続き、大きな動きはなく淡々といいペースで進みます。20km地点にある、80km/h以上速度が出る下りは、去年ハンドルが震えるシミー現象が起こった鬼門の場所です。今年はどうかというと、また少しシミー現象が発生しました。これについてはレポートの後、詳しく書きます。
30km地点すぎから始まるコースで最長の上り「パノラマライン」では、同年代カテゴリーの森本選手を中心に速度を上げていきます。
富士ヒルクライムのちょうど半分くらいの距離で勾配も5%と同じくらいのコースプロフィールです。ここを今回は29分半で登りきったので、かなりハイペースでした。
コース上で一番標高が高いここにはKOM「キングオブマウンテン」が設定され、表彰対象になります。
KOM地点の1km手前で小集団に残っていたのは、森本選手、田崎選手、高岡選手、新井選手、中村龍太郎選手と私でした。ここまでのペースは結構ギリギリでしたがスプリントの脚は残っていそうです。KOMを狙っていそうな中村選手の番手を取り、隙を突いて追い抜く作戦に決めました。
KOMまで残り200mくらいでタイミング良く先頭の田崎選手がペースアップしてくれて、中村選手が狙いを定めて腰を上げたのと同時に死角からスプリントを開始します。相手が相手なので、私も出し惜しみなく全力を出しました。田崎選手を追い抜いた中村選手は予想通り脚を緩めたので、その隙に右側の死角からまくってKOMを獲得しました!

【後半の我慢比べ】

KOMを過ぎると一気に下り、平坦路をひた走り日本海で折り返す。先程の6名のローテーションで淡々と走り後半の勝負どころに向けてお互いに様子見の走りが続きます。
私はと言うと、かなり脚に疲労が溜まっている感じ。100km地点を過ぎたあたりにあるコース上2番目に長い上りで勝敗に関わる動きが必ず起きるのでそれに備えます。去年は私からアクションを起こしたが今年は防戦になりそうです。
案の定上りが始まると森本選手がペースアップし小集団は崩壊。私も我慢の走りで食らいつきますが、じわじわと地脚の差で離されていきます。
この時点で前を走るのは森本選手、田崎選手、高岡選手、中村選手。遠目に見てこの4人もバラバラになりつつあるのを確認したので、現状で出せる最大限のパワーで後を追っていきます。
やがて中村選手が力尽き落ちてきたので声をかけゴールまでの約15kmを一緒に走りました。
結局は最後に追い上げてきた井上選手に抜かれ総合6位でゴールでした。

【シミー現象】

シミー現象とは長い下りでハンドルが左右に勝手に振れてしまう共振現象です。自転車が制御不能になる恐ろしい現象です。
去年ニセコクラシックの20km地点の下りでシミー現象が起きました。その時は落車を免れましたが、今年のレースでも少し発生しました。
去年とはまず、路面の状況が全く違いドライでした。
シミー現象を確かめるためにロードバイクの構成を去年と全く違うものにしました。フレーム、ホイール、タイヤ、コンポーネント全てを変更しましたが、それでもシミー現象が発生したということは、どうやら原因は乗り手の乗り方にもあるのではと考えました。
自転車の方の対処法は、ホイールバランスをとる、ヘッドのガタを無くす、ブレーキシューの見直しをする、その他の部分も勿論しっかりと調整しておきます。
もし発生してしまった時の対処法は、小刻みにポンピングブレーキで減速、ペダリングをして共振のリズムを崩す、ハンドルを前向きではなく下向きに荷重をかける。
そして最も重要なのは落ち着くことですね。これは精神論だけでなく、実際に力むと肩やお腹に力が入りサドル荷重になり、重心が上半身に移ります。結果、乗車バランスが悪くなります。対処法としてペダルに荷重し、重心を低くするのを意識すると良いでしょう。
これらの対処法を知っていれば無理なく減速しシミー現象を回避できると思います。

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