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全日本最速店長日記⑪

【本場ヨーロッパのレースへ】

今年(2017年)は最大のターゲットレースである、UCIグランフォンド世界選手権に出場してきました。

8月24日のタイムトライアル、8月27日のロードレース に参加するため、お店を8月後半はほぼ閉めさせてもらいました。収入は半減しますが、それでもこの機は逃せなかった💦

8月21日にまずイタリアのミラノ近くのヴァレーゼに2泊3日し、来年のUCIグランフォンドのロードレースとタイムトライアルのコースを試走してきました。イタリアのミラノからフランスのトゥールーズまではイギリスのLCCを使い、そこから大会会場があるアルビまではレンタカーを借りて移動しました。

遠征ネタはここでは書ききれないほどあるので、もし私が全日本最速店長選手権を連覇できたら、記事にしたいと思います。今回はレースレポートのみで。

【世界のTT力】

海外遠征は自転車一台持っていくのが精いっぱい、ということでノーマルロードにTTバーとTTサドルを取り付けての出走でした。
フランス大会ということで、ゲン担ぎで相棒はフランス産まれであるタイムを選びました。タイムトライアルコースはサーキットコースをスタートし、ちょっとした起伏のある田舎道を通りサーキットコースに戻ってくる22㎞のプロフィールでした。移動で疲れているので、コース下見はせずにぶっつけ本番で挑みました。

各選手30秒おきにレーススタートします。走り出すとポジションがいまいちしっくりこない、サドルを何回も座りなおす羽目に。今出せる限界まで追い込みましたがパワーがかかる感じがなくゴール。コース途中のラウンドアバウトで曲がる深さがわからずかなり失速したりもしました。

しかし途中で3名の選手を抜き、誰にも抜かれなかったのでもしかしたらいい結果かもと思っていましたが、杞憂に終わりました。最終的にはトップから約3分遅れの25位、惨敗です。
仮にコースを完璧に覚えて、TTバイクに乗り換えてもトップタイムには届かなそうです。
ちょっとショックですが気を取り直して、ロードレースに気持ちを切り替えます。

全長155㎞のコースなので、本番までの短い時間の中で試走するのは疲れが残り無理と判断し、後半のコースのみレース前日に車で見て回ることにしました。
見て回った感想は、大きな登りはないものの意外にアップダウンが多く脚にダメージが蓄積されそうなコースということ。
前回のオーストラリア大会同様に、集団がばらけにくそうなコースなので終盤のアタックに備えて脚を温存し小集団スプリントに持ち込みたいという目論見。
タイムトライアル以降は自転車にほぼ乗らずに疲労回復に努めました。

【世界7位】

アルビの町の中心部から郊外に出て、いくつかの丘を越えて再びアルビのサーキットコースにゴールする155㎞のコースで今年のアマチュア世界一決定戦が行われます。
昨年同様、周りを見ると皆強そうに見えます。しかし私も絶好調でレース当日を迎えられたのでそこまで不安感はありませんでした。去年の順位である28位を上回るのが、今回の目標です。
私が走る35-39歳カテゴリーの集団は200名近く出走します。コースもわからないし、序盤の走行は特に落車に注意しなければなと考えながらスタートをきりました。
序盤のペースは比較的落ち着いていて、集団内にいるとかなり楽なくらいです。2名の逃げが発生するのが集団前方で見えましたが流石にこのコースを2名で逃げ切れるわけがないと踏んで集団内待機を決め込みます。去年と同じく皆落ち着きがあり集団内で走っていてもさほど落車の不安感がない、一箇所道が狭くなるところで落車が発生した以外は問題ありませんでした。

集団がのんびりとサイクリングペースで進んでいるとコースまだ中盤ですが、後方スタートの40-44歳カテゴリーの選手3名が追いついてきました。その中には日本チームの高岡選手もいる。流石だなと思っていたら、私の年代の選手達にも刺激が入りペースが上がり、結局終盤までその3名とは一緒にレースすることとなりました。

中盤にある最初の登りで先頭に躍り出て、積極的に集団のペースを上げ集団の縮小を狙います。
すぐさま他の選手がかぶせてきてペースが上がっていき、結局丘を越える頃には100名強から40~50名まで集団の人数が減りました
次の登りでも麓からかなりペースを上げ続けましたが、40名の集団から脱落する選手はなく、私とほぼ同じ登坂力と見受けられました。
あとはタイミングで決まると思いそれ以降は終盤に向けて脚をなるべく貯めます。

アップダウンが続く残り20km地点で遂に動きがありました。アタック合戦の末に決定的になりそうなアタックが集団前方に。一拍タイミングが遅れてしまいましたが私も限界で追います。
私のカテゴリー2名と40-49歳カテゴリーの1名の選手3名が20m先に見えますが、追いきれない、追いつかない。しばらく同じ間隔で追いかけっこしましたが心拍190bpmオーバーが続き徐々に離れていきます。結局それが優勝への動きとなりました。
ゴール後にわかったのですが40-49歳カテゴリーにメチャクチャ強いフランス人選手がいて、後方からほぼ一人で集団に追いついてきてそのままアタックして優勝してしまったようです。そのアタックに便乗した動きでした。

2名に行かれても、まだ3位入賞の可能性がある。追いついてきた2名のフランスの選手と共に走ります。
残り10km、後方にはまだ集団は見えない。しかし同じ国のこの二人が協調して、やはり均等に先頭交代してくれない。交互に交代して私が2倍牽きます。ペースを崩すとあっという間に後方集団に追いつかれるので、なるべく二人に出し抜かれないように最後のスプリントの力がギリギリ残るペースで進みます。

サーキットコースまで入りこのままいけるかとスプリント態勢に入ったゴール300m前、ふいに大集団が現れました。相手に集中しすぎるあまり後方の集団の接近に気が付きませんでした。愕然としつつも、集団に飲まれながらスプリントに残りの力を振り絞ります。しかし、追いついてきた選手4名に先行され7位でゴールラインをきりました。後ろには約40名の集団が迫っていたようです。

出走前の目標は達成出来ましたが、あと一歩で入賞を逃したのは残念でした。
昨年オーストラリアのパースで見せつけられたアマチュア世界トップとの力量差は、今回一年の鍛錬で大分埋められたと感じました。
来年のイタリア大会に向けて準備することは、まず有力選手のチェック、コースのチェック、それと更に上を目指せるよう鍛錬を積んで、脚力を上げていきたいと思います。

日本から遠く離れたアルビの地で、遠いと思っていた世界一が間近に迫った瞬間でした。チャンスはしっかりと準備した者にしか訪れないし、挑戦する者にしか掴みとることができないと思っています。また準備を整えて世界一に挑みます!

自由奔放に生きる私を、知っていただければ嬉しいです。 サポートいただいたお金は今後のチャレンジのネタ作りに活用させていただきたいと思います。 心強いサポートお待ちしております!