結果が出ていない時にこそ、がんばりに逃げてはいけない
「何をそんなに焦ってるんですか」
昔、クライアントに頂いてしまった痛恨の言葉です。思い返しても本当にイケていない時期が続いたものだと思います。
上手くいっている時は、本当に何をやっても上手くいくものです。外す気がしないと言いますか、次も上手くいくだろうなと思えるのです。
一方で、上手くいっていない時は、何をやっても上手くいかないと感じるものです。考えても考えても、良いものが出る気がしないのです。
こんな時に一番避けるべきは「がんばる」ことだと思っています。
RedChair
YahooのRedChairがスキでして、新しい記事が上がる度に見に行っています。今回は、ムロツヨシさんと劇団ひとりさんの対談。
役者は人を惹きつける職業ですが、それは逆に言えば、惹きつけられる人が多い職業であるとも言えます。
結果、限られた人しか活躍できない中で、厳しい競争が繰り広げられます。
最近では名前を知らない人はいないほどになったお二人ですが、やはり若い頃は苦労したのだそう。
特にムロさんは消費者金融から上限まで借りて、完済したのは30代半ばなのだそうです。
ムロ:根拠のない自信を全部使い切ったのが26歳。「ここまでやって何もないから、日の目見ないかもな」と思い、自分に「もう辞めますか?」と聞いたけど、「辞めない」って言うんです。
自分なりの方法でがんばって、崖っぷちまで追い込まれて、限界が見えた時に、人は初めて別の方法を試そうとするものです。
ムロ:そこから、名刺配りが始まるんですよ。いろんなところにお酒を飲みに行って、「コイツと仕事したい」となればいいなと思って。
実力主義な役者の世界でも、演技が上手い以外にも重要な要素はあると。現場以外のところで魅力を高める。戦い方を変えたわけです。
がんばり尽くした末に、がんばる方向が誤っていたと気付く瞬間は突然訪れます。時間が経ってからでないと気づかないことも多いのですけれども。
独り相撲
冒頭のクライアントの言葉は、私が結果を出そうと焦りまくっていた時にかけられた言葉でした。
その当時は何とかして結果を出そうと、夜遅くまで分析をし、翌日クライアントに結果を見せ、また分析に戻る日々でした。
ただそれを繰り返していると、どんどん独り相撲感が出てきます。
考え方がクライアントからズレてきて、要りもしない分析をしたり、複雑過ぎて誰も分からない結果を出してしまったりしていました。
そんな折掛けられたのが「何を焦ってるんだ」です。
以降、どうすれば良いのか分からなくなってギブアップ。素直にクライアントに「わからない」と相談するようになったのです。
「すみません…上の方から頂いた施策のゴールが分からなくて、何を裏付ければ良いか正直分からないです…」
「あ、それ。それは誰も分かってないよ。だって上の思いつきだもん」
「でも、それをサポートするのが我々ですから…」
「いえいえ、言うことすぐ変わりますから。1週間経ってもう一度言われたことが大切なことだと、社内の者は皆知っていますよ」
なんと。実際その上の方と話す機会があって、先日の件ですけれどもと試しに聞いてみると、それ何の話だっけとの返し。
つまり、言ったご本人ですら今一つクリアでないことに「がんばって」対応しようとしていたのが私だったのです。
そこから、分からないことは分からないと、肩の力を抜いて素直に聞くようになりました。思えば、それがやり方が変わった転換期だった気がします。
がんばることは正しくない
美談のように語っていますが、単純に考えが足りなかったのです。
その当時、上司に良く言われたことに「がんばりに逃げるな」があります。
これは業界ではよく言われていたことで、がんばっているかどうかと、結果が出るかどうかは一致しないのです。
結果が出るかどうかで評価されるのだから、がんばることで自己満足に陥らないようにという意味です。
むしろ、結果が出ない時に同じ方法で「がんばる」ことは悪であったりもします。
結果が出ない時ほど立ち止まってみて、何が足りないのかを考えてみる。そして少しずつ新しいことを取り込んで行く。
そんな努力こそが、本当に「がんばっている」ことなのでしょう。
最近手を抜きすぎかな、なんて思っていた時に、クライアントの方から頂いた言葉が意外過ぎて驚いてしまいました。
「なんか最近、肩の力が抜けて、凄く良くなったじゃん」
がんばっているかどうかと、結果は一致しない。
世の中、そんなものなのかもしれませんね。
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