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売れるストーリーを作るにはどうしたらいいの?

昨晩、このようなツイートをしました。

原体験やストーリー性が、マーケティングでも大切と言われてきていますよね。でも、周囲を見ていると「なんかズレてるよなぁ」と思って、ついツイートしてしまいました。

いま消費者の嗜好は、「役に立つ」から「意味がある」へ確実にシフトしています。その意味で、ブランドのストーリー性は、共感のフックそのもの。

しかしながら、単にストーリーがあればいいのかというと、違います。

売りにつなげるなら、「自分語り」だけではなく、「顧客が商品に夢を見る」まで考えないとダメなんです。今日はそんな話をしていきます。

ストーリーへの共感とは、未来への期待感であり、受け手が夢を見ること

ストーリー性でモノを売るとは、未来への期待感を顧客に抱かせることです。

ビジョンやストーリーへの共感、個人が商品に対して「意味がある」と思えるのは、だいたい以下のようなときです。

「今すぐには貢献できないけど、これから良い世界をお見せします。」

「良かったら、一緒にその世界を作りませんか?」

(ちょっと宗教みたいですが・・・w)

・過去----・現在----☆未来

この過去と現在の点をうまく繋げ、良い未来を見せること。さらに、その未来を提供する必然性が、ブランドの過去・現在に存在すること。

この2つが、ストーリー性に欠かせないことになります。

共感とは、わたしとあなたの共通項を作り出すこと

共感って、わたしとあなたの領域が重なることなんです

さきほど、ストーリー性で共感を得るポイントは、「未来への期待感」だと書きました。図にすると、こういう感じです。

図1

現時点では、わたしとあなたに共通項はないけど、未来では重なる部分があるよね。これがストーリーで共感を生む方法の1つです。

(※あとは、今誰も気づいていない気持ちを察してあげるというやり方もあります。)

未来に共感するとは、「相手が未来に夢を見る」こと。

完璧なプロダクトを売っているように見えるAppleも、顧客に夢を見せて開発を進めています。

行動経済学者の権威ダンアリエリーは、「社会規範」を例に、Appleの長期を見据えた顧客との関係性について、こう説明しています。

社会規範とは、人が「私たちは長期を見据えてここにいる。たとえアップルウオッチのシリーズ4がそれほど良くなかったとしても、それは構わない。シリーズ10までやってほしいから、それでもお金を払う」と言うこと。これが長期的な見方です。

さらにアップルには、それこそ大勢のベータテスターがいます。なぜか。アップルは人に、「あなたのために一緒にものを作るのを手伝ってください」と言っているからです。そういう言い方をすると、突如、「私がこれを作ったから、さあ、買ってください」ではなくなる。「手伝ってください。私たちは皆、共通の目標のために一緒にいるのだから、参加してください」という話になるんです。

たしかにapple watchは、まだまだ健康をパーソナルに最適化するという点で、まだまだ伸びしろがありますし、実際にティムクックもこれからの商品だと語っています。

Apple製品というのは、現時点での満足度の提供と、未来への期待感を同時に提供している会社なんですね。だから、今ココだけの関係ではなく、ストーリーで顧客と未来でも繋がる契約をしていると言えます。恐ろしい会社です(笑)

ストーリーを売るには、主語が自分のままではダメ

ストーリーでモノを売るとは、未来への期待感、顧客に夢を見させることだとお伝えしてきました。

ここで大切になってくるのが、相手を主語にして考えること。

どれだけ波乱万丈なストーリーを実体験ベースで描けても、受け手が自分ゴト化できないなら、意味がありません。ときには、受け手が喜ぶために、ストーリーをチューニングすることも必要になると思います。(賛否ありそうですが。)

FC今治では、ファンが主語になり、未来に夢を見ている

相手を主語にした事例といえば、岡田武史さんが経営する「FC今治」です。

岡田「実際に今治に行ったら、土地はあっても商店街に誰もいないというか。このままならチームが強くなっても、応援してくれる人がいないというか。少子高齢化の限界都市のようになっていたので、そこを何とか街と一緒に元気になる方法がないだろうか、と思って地域や地方の創生もやろうと」

岡田「正直、地域に夢を見せるというよりは、僕自身がホラに近いような、わがままのような自分の夢を語っていただけなんですよね。みなさんがその夢に共感して力を貸してくれて、指導者やスタッフ、選手たちも集まってきてくれた。」

FC今治が昨年J3に昇格しました。ゼロから作り上げたサッカークラブをJに昇格させたわけで、チーム発足から史上最速でのJ参入です。

今治での岡田さんは、サッカーをきっかけに、教育から町おこしまで、とにかく街を元気にしたいという思いが強かったんですね。

僕は当事者ではないのでなんとも言えませんが、きっと選手、スタッフ、今治の住民(少なくとも一部は)も、FC今治というチームに夢を持った思うんですよ。

岡田さんは上記の記事で、「自分が夢を語っていただけ」と言っていますが、やっぱりどこかで岡田さんと受け手の共通項ができ、そこからエンゲージが高まって行ったと思っています。そうじゃないと、たくさんの人を巻き込めないですから。(とくにスポーツは)

岡田さんは直接的にモノを売っているわけではないですが、相手を主語にして夢を語り、人を巻き込んでいく。FC今治の事例は、まさにストーリー性を帯びたマーケティングだと思います。

終わりに

今日は、人を動かす、売れるストーリーについて書いてきました。

真に人を動かすストーリーには、欠かせないポイントは3つ

・未来への期待感を抱かせる
・相手との共通項が考える
・相手を主語に考える

この3つが最低満たされていないと、なかなか受け手が自分ゴト化できる商品として、手に取ってもらえないんだと思います。

結局ここで伝えたいことは、つねに「受け手目線」で考えるということ。コンテンツマーケは受け手こそが王様です。

相手の視点が抜け落ちている状態で、自分が好きなように話をしても、なかなか受け入れてはもらえない。

そんなことを覚えていただけたら、嬉しいです。

本日も最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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