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『老後までに2000万』に拒否反応が生まれる人に欠ける2つの視点

今月のはじめに、金融庁が「老後を生き抜くために、年金とは別に2000万円は準備しといてね!」というメッセージが出てきました。

この「2000万円準備してね」というメッセージを受け取って、かなり多くの人が「2000万も準備できるわけがない!」という反応をしています。いや、実際2000万円という額自体は大きいお金なのです。しかし、この額を長期的に、しかも資産運用という手段で20年、30年後に2000万円をGETするのは全然難しい話ではありません。


今日は、2000万という大きな金額に、思考ゼロでただただ拒否反応を示してしまっている人に、欠けている2つの知識を書いていきたいと思います。

それが、

①資産のストック性
②複利効果(時間が経つと急激にお金が増える)

です。

この2つの視点を欠いた状態で、2000万円達成はたしかに難しい。しかし、かんたんな資産運用の知識があるだけで、2000万円を達成するバーは大きく下がっていきます。

資産のストック性(お金がお金を運んでくる)

お金を得る手段は、大きくフロー収入とストック収入があります。普段からこの2つの収入を分けて考えている人は、あまりいないと思います。

フロー収入:対価を差し出して、一時的に収入を得る
ストック収入:それ自体(株など)が存在しているだけで、収入がつねに入ってくる

僕を含めて、多くのサラリーマンは会社に時間を捧げて、毎月給料をいただいています。会社に行くことを辞めてしまえば、給料もストップする。これがいわゆるフロー収入です。

2000万を貯めるのが厳しいと直感的に感じてしまう人は、このフロー収入だけでお金を積み上げていこうとしているからです。

実際、今の日本人に投資思考が身についている人は皆無なので、みながみな「お金を得る手段=働く」だと勘違いしてしまっています。だから、70歳までの雇用義務のような、ちょっと無茶苦茶な政策指示が出てくるわけ。


でも、本来あるべき収入の作り方はこうです。

全体収入=働く(フロー収入)+運用で稼ぐ(ストック収入)

です。フローとストックの2つの収入を兼ね備えることで、働く1本で稼ぐより、収入の幹を少しずつですが大きくできます。

複利効果の恩恵を受けよう

貯金思考の人、つまり投資思考を持ち合わせていない人に欠けている視点が、複利効果です。

あのアインシュタインが、人類最大の発明だと言わしめたのが複利です。

複利とは資産の元本だけではなく、利子にも利子が上乗せされていくことです。逆に、元本だけに利子がつき、利子だけを足していくのが単利です。

単利と複利のパワーの違いを簡単に比較します。

たとえば、銀行に500円を預けて、金利5%。つまり、500円預けていると初年度25円が利息でもらえるとします。

複利では、2年目は525円に利息が付き26円、3年目は551円に28円と、毎年もらえる利息が増えていきます。

25円→26円→28円と大した額ではないですが、これが時間とともに大きくなっていきます。

単利と複利で、利息の違いを見ていった図がこちら。

複利では、20年目には利息63円、40年目には利息168円となり、元本500円がなんと3352円に大化けします。

これが元本500万だと、30年目に2000万、40年目には3000万を突破することを意味します。

このように単利ではコツコツ右肩上がりを続けていくだけなのですが、複利で資産を運用すると、時間が経てばたつほど資産の伸びが急激に高まります。この資産の伸びが複利効果です。

貯金思考の人は、直線的な伸びの単利の世界しか知りませんが、投資思考を持つ人は、この複利の世界で生きています。時間が経てば経つほどお金も増幅するので、もし老後までに30年、40年以上あるのであれば、そこまで心配する必要はないのです。

この複利の後半の伸びが、老後までに来るよう、早めのうちから準備をしておくだけでいいのですから。

20代30代なら積立運用だけで2000万円は確保できる

簡単にまとめます。もしあなたが投資をしていない方なら、

①株式をメインとしたストック収入
②長期投資による複利効果

この2つの恩恵に預かるだけで、割と簡単に資産2000万円は突破できます。夫婦で積み立てNISAを満額で運用すれば、20年間で2000万です。

夫婦で月6万円を投資に捻出できたら、それで老後には余裕で2000万円達成です。

今貯金ゼロ円の状況から、突然2000万円が必要と言われたら、たしかに「そんなの無理!」と拒否反応が出てしまうかもしれません。

そして、その金額を用意しないと生きていけない現実。ただし、蓋を開けてみたら、ちゃんと資産運用と向き合えたら、

意外と2000万円は難しくない、

そんなことを知ってもらえたら幸いです。

最後までありがとうございました。

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