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2度と食べれないブラウニー②

2017年に出会った、
あまりに印象深い2つのブラウニー。

ひとつ目は、こちらの記事。

そして、そのその数ヶ月後、
また衝撃的に美味しいブラウニーに出会う。

一応お断りしておくと、
別にそこまでブラウニーに興味はないし、
常にアンテナを張っている訳でもない。

この、ひとかけら。

このブラウニーは、
学校の文化祭的なイベント

"インターナショナルフェア"なる祭りで
イギリスブースにて提供されていた、
手作りブラウニー。

イギリス人生徒の、保護者の誰かが
作ったと思われる。

ラッピングなどなく、
ただ、四角にカットしたものを、
飾り気のない紙ナプキンに乗せてくれた。

自分でも、作れるし、
実際、時々は作っていたし、
全く期待せず、本当に

どれどれ?食べてみましょうか?

ぐらいな、少し失礼な感情だった。


一口で、呆気なく
そのブラウニーにひれ伏した。

これは、私には作れない。
一瞬で悟った。

冷静に、周りを見ても、
このケーキを食べて、そこまで
衝撃を受けていたのはどうやら、
自分だけなのだ。

娘に確認しても、
気のない"うん、美味しいね〜"
しか、帰ってこない。

もしかしたら、

「お母さんが作ったほうが美味しいよ」

とか言って欲しいとか思われているかも
しれない。
けど、そんなことどうでもいい。


どこかのお母さんが作ったブラウニーだ。
聞けば、レシピ教えてくれるかも。

美味しいとは言っても、

"ブラウニー"

特別な材料を使ったり、
特別な技術が必要ではないはず。


帰るまで迷って、結局聞けなかったが、
最近まで、ずーっとずーっと後悔していた。

もう、
2度と、
食べれない。

∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴


でも、今になって分かったこと。

もし、レシピを教えてもらっても、
私にあの味は作れなかったと思う。

"作る人が変わると、微妙に味が変わる"

味とか、素材とか、
決して違いが分かる方ではない。
それなのに、

同じ材料、同じレシピを用いても、
別の人が作ると何かが変わる。

そんな経験を、何度もして来たのだ。


作り手が変わる、って
それくらい重大なことだったりする。

ひとりの人間が作れる
種類や、数、量なんて知れている。


だから、どこかでたまたま食べた、

"これ、美味しい!"

というキラキラした感情は
実はとても尊い。

これからも、そういうものを
集めて生きていきたい。
誰に分かってもらえなくてもいいから。

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