ビヤンネートルで2月を思い出して、大人になった(気がする)話

大事なことなので結論から言います。

素晴らしく美味しく美しく奥深いパフェだった。私はこのパフェを通して、ひとつ大人になった……

さてさて、やってきました、ビヤンネートル。代々木上原にある月替わりパフェが大人気のお店です。

月替わりメニューのあるお店ってちらりほらりと見ますが、「毎月必ず行くんだぜ!」ってお店、ありますか?
年に1度行くか行かないかのお店で「ほお、今月のメニューはこれか。今しか食べられないならこれにしよう」だなんて、浅はか極まれりです。時たまにしか行かないのなら、通常のメニューもレアです。いやむしろ、定番メニューこそ、その店ならではの味が染み付いているのだから選ぶべき。…だが気持ちは分かる。季節限定。素敵危ない、ミラクル魅惑な言葉ですもんね。

……と、話を戻しましょう。マイふぇいばりっと月替わりメニューが楽しいお店は、是非とも是が非でも心に決めておくべきです。それを食べに来ると、「はぁ、月が変わったんだな」と感じられる場所。時が過ぎ去っていく事に気がついてしまうのは切ないことですが、月に一度くらいは思い出さないと。人生で一度きりのその一ヶ月を大切にできますように。

ちょっと大きな話になってしまいました。
それもこれも、パフェが偉大だったせいです。

今月は、「りんごと玄米のパフェ」。

画像1

上に薄くて大きな林檎が2枚。大きな耳みたいで可愛らしい。
林檎を口に瞬間、何だか自分が子供に戻ったような、懐かしい感覚。なんででしょう、大人になってからだって林檎は食べているはずなのに。
きっと、すぐに食べられる状態に切られているから、かな?
なーんて想いを馳せながら、シャキシャキシャキと食べ進めていきます。

後ろのメレンゲはちょっとスパイシーで面白い不思議な味と食感。多分、子供が食べるのと大人が食べるのとでは感じ方に大きな差が出そう。これも、シャクシャクと食べていきます。何だか止まらず、あっという間に食べてしまう、魅惑の魔力をもったメレンゲでした。

林檎の端にはもれなくクリームが付いてきます。ビヤンネートルのパフェに使われているクリームはいつも切ないくらいスッと口の中で消えてしまいます。私の元のはとどまってはくれない……美味しいのに……。

で、ここからが問題です。まず林檎のソルベ。かなり酸味が強い。大人な酸味です。それに絡んでくるのが大人な苦味と甘みを含んだキャラメルソース。フィヤンティーヌなど別の食感も混じってきて、子供から一気に複雑怪奇な大人の世界に踏み込んでしまったかのような……

戸惑いながら食べ進めていくと、世界が一転します。お次に出てくるのは玄米のソルベ。全然知らない世界に飛び込んで、でもそこには、最初に出会った林檎が周りで見守っていてくれる。妙な安心感があります。

そしてその下には、赤ワインのゼリーとキャラメルのブラマンジェが登場(⁉)大人の世界と子供の世界の境界がどんどん曖昧になっていく感覚。それと共に、大きめのフィヤンティーヌと、玄米のパフかな?心地よい音楽を奏でてくれているような。

変な言い方かもしれないけど、このパフェを食べる間に成長の葛藤を経たような感覚に浸ることができました。

ちなみにセットで注文したドリンクは、ドライマティーニのハーブティー。
ドライ…なんだって?

【マティーニ】
ジンベースの著名なカクテル。通称カクテルの王様。

ええ、全く知らないで注文しました。ハーブティーの種類が多くて、せっかくだから全部制覇しようと思って。今回は、ドライフルーツとかって総じて林檎と合うやろ~♪っていう単細胞な感覚でチョイスしましたが、全然違いましたね。でも予想とは全然違っていたけれど、草原を思わせるような心地の良いハーブティーでした。

今月も流石なパフェでした。人生一度きりの2月という、今いる暦を思い出させてもらいました。
ごちそうさまでした。

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