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ピエールマルコリーニの秋を一足お先に

人はどうしてこんなにも都合よく考えられるものだと思う。

欲しいと思っていたものを手に入れたら嬉しいし、ギリギリ手に入れられたのなら一層嬉しいし、手に入らなければどうせ大したことないんだろと思うし、友達が先に持っていたら最終的に持っていれば同じことだと思うし。けれど自分が先に入手したものなら当然自慢したくなる。

人って、そんなものだよ……。
はい、私も人の例に漏れずそんなものです。

2年くらい前の話、チョコレートの超人気有名店ピエール・マルコリーニでパフェを食べた。いやその後だって何度も楽しませてもらったのだけれど、この時は少し特別だった。メニュー切り替わりの初日、一番最初に並んだ。つまりお店の人以外で、私が最初に食べたのだ、その後何百という人を笑顔にするであろうそれを。

その事実は、今でもちょっと忘れられない感動になっている。

初日の最初に並んだ——しかし、もしかしたらスタートは発売初日とは限らないのかもしれない。


素敵なイベントに参加させてもらった。

パフェ界隈で有名な斧屋さんとチョコ界隈で有名な市川さんのトーク&実食イベント。以前green bean to bar chocolateで開催された回で参加したことがあり、その縁でお声がけいただいた。

あぁ~この頃はまだまだパフェ撮るの下手くそマンだな……他の人が映らないように撮るの結構難しいんだよね。

仕事の精神的忙しさもあって卒業を機にこっそり辞めてしまったけれど、このイベントを機に斧屋さんの開催するパフェ大学でパフェの勉強をしてパフェを食べるのが日常化したし、勿論チョコ好きとしては市川さんの記事をいつも楽しみしているし。ゴディバについてのセミナーとか、凄く良い思い出だなあ。


おおっと、どれも個人的には凄く必要不可欠な思い出で前置きが長くなってしまった。今回の話ね、これがまた凄い。あのピエールマルコリーニさんのカフェ3階を貸し切りでまだ販売されていない9月からの秋パフェを食べるなんて...…。
土曜日のピエールマルコリーニなんて行列必至だろうに。

圧巻……そんなに大人数で行くお店でも無いし、通常は2本ずつとかで分けて運ぶだろうから、こんなに集合した姿って物凄くレアなのでは……。これを目にした瞬間の場の熱が凄かった。

さてここからはまだパフェのネタバレ。
今年もピエールマルコリーニのパフェを食べるのを楽しみにしてる!詳細なんて見たくない!!!という方はご注意を……。

パフェ〜マロン&プラリネ

秋の訪れをフッと肌に感じる外見にうっとり。
もしかしたら栗栗した栗パフェを想像している人は「あれっ栗が乗ってないじゃん!」と憤慨してしまうかもしれないけれど、掘り進めていく程に口の中はその困惑を覆い隠す程のマロンマロンとしたマロンなので大丈夫。

このイベント直後に、しっかりプレスリリースも出された。

ここでは構成説明の中に、ラム酒「トロワ リヴィエール」とスペイン産マルコナ・アーモンドのクロッカンと、2つの素材について具体的に記載されている。つまりそう、アピールポイントなのだ。あえて明記したいということだ。何を隠そうこの2つ、めっちゃ高いらしいからな!お値段が…。それでも美味しいからと覚悟をもって選び抜いたやつだということ。
もし食べる機会があったら、「おぉコレ高級な味がする……」と驚くに違いない。是非驚いて!

あぁ、艶めきにうっとり。波紋のように中心から広がっていく色味が素敵。どこから食べようか、迷ってしまう。

私はセオリーとしてビターチョコのプレートからいく。だって冷たい温度とかアーモンドプラリネ濃い甘さ入ってきた後だと、チョコ単体としての美味しさが見えにくくなるから。大抵の人はそう考えるのかなあと思ってチラ見すると、案外チョコから食べる人の方が少数派なんだね。みんなまずはマロンや期待のアーモンドを試してみたいということか。

ちょこんと乗るメレンゲも可愛らしい。遠目で見ると、ホイップクリームの絞りだよねコレは、超可愛い。

ほんのり香るシナモン。
シナモンは馴染みのあるスパイスだし程度もちょうど良く、パフェの始まりに入ってきても仄かな歓迎される違和感としての役割程を果たす。加えて、後に繋がる強いスパイスの伏線だったりね……あ〜こういうの本当、パフェの面白いところだよなあ!!!

カリッカリのクロッカンアーモンドプラリネは、もう容赦なく美味しい。その力強く気品ある香ばしさは、凝縮された甘さをガッシリ掴んで受け止める。

表層のクリームを崩す瞬間は、いつだってドキドキする。白いから馴染みのシャンティー…と甘いバニラの香りを想像しながら含むと、おおお!??広がるのはマロンだ。砂糖を加えていないそうで、そういう余計な甘さが無いからこそ、マロンの甘さがしっかりと感じられる。

そこからはもう、世界はマロンフィールド。
大きくマロンのアイスクリームが入るわけだが、例のお高いラム酒が香るわ刻んだマロングラッセが潜むわ、飽きるという発想が全く浮かばない。

気が付いたらあっという間に次の層が顔を見せている。もっふりモッフモフ…こんなに大胆に蒸し栗が使われるスイーツってなかなか無いんじゃない?
これ自体の甘さは控えめだが、だからこそ栗本来の美味しさが光る。

そして…きたーーー、最初に出てきたアーモンド!!!
「えっ、もっと食べたいのに〜と思ったらまた出てきて嬉しかった♪」という声が多く聞かれたが、私も同感。特にそのカリカリと爆発する甘さは蒸し栗と対比的で、一層輝く。

そしてダークなチョコアイスと、スペキュロス風味のソース。「ハッと目覚めるような」という感想がこのパフェの感想として何度か出てきた。メリハリのある濃淡の「濃」の部分のインパクトがそう感じさせるのだろう。

パフェ終わりの哀愁のような感覚とは違い。スパイスの効果でもあろうがお腹が空いてくるほど。この後カレーを食べたいという方までいたのには驚いたが…いやでも、分かる……。

スパイスのソースは、ちょっと物議を醸した。強すぎるのではないか、と。そのイベントに参加していた人は、パフェであれチョコであれ、まあスイーツ界の玄人なのでスパイス系って強めが好きな傾向にあるけれど…そうでない人は?
特に見た目はまろやか優し系のパフェだから、安心パフェを求めるお客さんが多いんじゃない?こんなに攻めていて大丈夫?と……。

結果は、9月1日以降、きっとお客さんの反応で分かる…かもしれない。

私としては、このスパイスソースの香り高さはめちゃ刺さる。追いソースしたいくらい。
秋になったら、きっと色々なマロンパフェを食べるよ。段々どれがどのお店だったか、記憶が混在してくるかも。でもこのインパクトあるソースが締めにあるうことで、これはこのスパイスのマロンパフェときっと忘れられない記憶としいて残る。

定番人気三種のボンボンショコラ。

更には沢山のお土産まで…なんと贅沢。

これはこれでまたピエールマルコリーニの魅力を存分に伝えられそうなので、また別の機会に感想をまとめようか。


誰よりも早くこんな有名で人気で大好きで美味しくてなお店の新作をいただけるなんて…フフフどうだ羨ましかろう。

色々な人の感想を聞けるのもまた楽しい。
皆はどんな感想を抱くのかな。毎日「ピエール マルコリーニ パフェ」って検索するからな!レビュー書いて!!!

そんな輪が広まれば良いなと。

この素敵な機会に、好きだったチョコのお店をもっと好きになった。

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