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濃いに恋するチョコレート

味の濃いものは美味しい。

これは中々覆せない事実です。
確かに、健康志向が高まる昨今、塩分を控えたりして薄味に慣れ、濃すぎるものが苦手・・・ということはあるでしょう。

高級料理店の薄く濃厚に、そして複雑に構成された上品な料理が美味しいということだって当然、あります。

ただ、基本的に人間の脳というのは濃いものに惹かれるようにできているらしく。

私の出身は秋田。
味濃いもの大好き過ぎて残念ながら脳血管疾患や癌での死亡率全国ワーストな秋田。そんな生まれ育ちであることにも起因しているかもしれないけれど。
例に漏れず大好きです。
恋してます。
濃い味に。

ソースたっぷりたこ焼き、お好み焼き。
タレしみしみ牛丼のご飯だってコーラやポテチだって、大好きなんです。

さて、なんだか微妙にズレた切り口の冒頭になってしまいましたが。
本日はあまりの濃さをもってして私の心を見事ぐさりと射抜いた罪深いチョコレートたちのお話です。

*****

Dari K
「京ショコラ」

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木箱に大切に納められた3粒のチョコ。
これ開けるの、まさしく「開封の儀」でした。

”自家焙煎したカカオが香るチョコレートを大切なあなたに・・・”

なんだかチョコ好き的には心に凛と響く言葉が書かれています。

それでは、左からいってみましょう。
魅惑のチョコレートの旅へ――

「スラウェシ・プレーン」

カカオの香ばしさを残しつつフルーティーな酸味も残したシンプルな一品。

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キラキラが美しい!
1粒に夜空の、宇宙の全てが詰まっているかのようです。
あるいは夜空をひとかけら切り取ったような、そんな美しさ。

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断面もみっちりで濃い茶色。
うんうん、良いですね~見るからに美味しい。

ふわあぁっとカカオの香りが漂っていて期待が高まります。

さあ勿体ないけどパクっとひとくち...

濃っっっっっい(歓喜)!!!!!

濃厚ガトーショコラのケーキ丸ごとを、ぎゅうっと1粒に詰め込んだ感じ。

今までのボンボンチョコ人生で、これ程までに濃さに衝撃を受けたのは初めてかもしれません。確実にベスト5には入る!

勿論、濃ければ良いってものではありません。
濃くて重いチョコとかはちょっとご遠慮願いたい、、、

でもこれは...
厚めのチョコがパリッと割れて、濃密で滑らかなチョコがスゥッと溶けていきます。
あぁ...至福のひととき。


圧倒的な存在感でいながら、いつまでもそこに居続けることはない。
気が付いたらいなくなってしまう。
しかしその瞬間が愛おしい。

君との過ごした時間は濃厚で、苦くて甘くて、あっという間で。
ほんのり切ない余韻を残してすぐに居なくなってしまったけれど、素敵な、幸せな時間だったよ(※チョコの感想)

「ほうじ茶」

東茶園から届いたほうじ茶を微粒に粉砕して実現した奥深い和の香り

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ほほう。
こちらはシンプルな見た目ですね。
良いですよ~シンプルな茶色いチョコ、大好き。
それに一筋ポコっと盛り上がっているのがまたカッコいいじゃないですか。

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おおう!中身はなかなか力強い濃さ。
バランス的にはコーティングがビターでガナッシュは同程度、あるいはそれよりも薄めの色の場合の方が多いような気がしますが、これはだいぶ差をつけてガナッシュの方が濃い色!

さて。
ほうじ茶って、ふんわり香るだけでも結構個性的でほうじ茶感出してきますからね~

...!!!濃------い!!!!!

ほうじ茶の妖精が力の全てをこの1粒に凝縮しました、みたいな濃さ。
単に濃いだけじゃなくて、力強くて食べると元気が出てくる感じ。

チョコ自体もかなりビターな味わいだけれど、ほうじ茶もそれに負けていません。
お互い譲り合って良い相性でおさまるのではなく、お互いのポジションを一歩も譲らずグッと高めあったような一粒です。

相乗的に深みのある味わいになっています。

「抹茶」

抹茶の卿、京都和束街「東茶園」の挽きたて抹茶が醸す苦味と甘みの絶妙な調和

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緑の点。
ああ、茶色いその表面から見えているその緑色は氷山の一角で、中身はその緑色がぎっしりなんだね。
うんうん、今わたしが露わにしてあげるから――

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どどん。
キャー!素敵!
きっと緑が出てくるよ、と予想はしていたものの、実物を目の前にするとまたなんとも圧巻な素晴らしい深緑です。

香りからすでに上品な深い抹茶であることが感じられる。さて――

パクリ...3度目ですが、失礼して。

濃っっっっっい(歓喜)!!!!!!!

お茶教室でゆっくりと抹茶を楽しむような。
本当に抹茶の味。

チョコの領域を超えている気もしますが、その溢れんばかりの抹茶をギューッと1粒のチョコに詰め込んでしまえるところがDari Kさんの凄いところですね。

苦味が強い。
良い意味でね。
綺麗な苦味って美味しいんだ~っていうのが感じられ、自分の常識世界が広がります。

それに、苦味の奥の方にミルクというかホワイトチョコのような甘みも感じられるので、とてもまろやかで食べやすい。

小さい頃抹茶って苦手でしたが、このチョコに出会っていたらもっとはやく好きになっていたかも。

(ちなみに私が抹茶を美味しいなと思ったきっかけは「辻利」さん。一度良質なものに出会って美味しいと思ってしまえば、他のものも「なんだ美味しいじゃん」と感じられることって往々にしてありますよね。そしてそういうものこそ沼にズブズブ・・・)

*****

濃い。
3粒とも全て口に含んだ瞬間に「濃い!」って叫びたくなりました。
叫びました。
隣人さん、起こしてしまっていたらごめんなさい。

高級なチョコって、味わいが複雑すぎて
「茶...?う、う~ん?あ、あったあった、ココか!」
みたいなのが結構あります。
まあそれはそれで、楽しくて好きなんですけどね。

でも京ショコラのように、ダイレクトに濃さを伝えてくれるの、気持ちがいいです。

遠まわしに伝える「好き」も良いけれど、たまには「好き!」って素直に言って欲しい。そんな感じ。

「うおおぉい!?」って言いたくなるほど濃くでかつ美味しいチョコレートを食べたい人に猛烈におすすめなチョコレートです。

あなたも濃いに恋してみませんか?



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