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『戦略サファリ』から読み盗った3つのこと

みなさん、こんにちは。

今回は星野リゾートの教科書のひとつである『戦略サファリ』から読み盗りました。(「能動的な読書」を目指しておりますので、「読み盗(と)る」というアグレッシブな言葉を使わせてもらっています。)

では、本書の概要読み盗った3つのことを書いていきます。

本書の概要

代表著者であるヘンリー・ミンツバーグは経営学の世界的権威の一人です。
本書は全12章で、第1章でねらいと構成が、第12章でまとめと今後の展望が述べられています。そして、第2章から第11章までかけて、戦略形成に役立つ10のスクールが説明されています。

●デザイン・スクール コンセプト構想プロセスとしての戦略形成
●プランニング・スクール 形式的策定プロセスとしての戦略形成
●ポジショニング・スクール 分析プロセスとしての戦略形成
●アントレプレナー・スクール ビジョン創造プロセスとしての戦略形成
●コグニティブ・スクール 認知プロセスとしての戦略形成
●ラーニング・スクール 創発的学習プロセスとしての戦略形成
●パワー・スクール 交渉プロセスとしての戦略形成
●カルチャー・スクール 集合的プロセスとしての戦略形成
●エンバイロメント・スクール 環境への反応プロセスとしての戦略形成
●コンフィギュレーション・スクール 変革プロセスとしての戦略形成

また、それぞれのスクールにモチーフとなる動物がいたり(戦略サファリのサファリ要素)、教訓があったりするので表にまとめてみました。

スクールの表

(※「行動」の欄は私個人の見解です。)

上の表で色分けをしておりますが、全10スクールが3つのグループに分かれています。

1:デザインからポジショニングまでのグループ( Doing的な性格 )
2:アントレプレナーからエンバイロメントまでのグループ( Being的な性格)
3:コンフィギュレーションのグループ( 上記2グループの組み合わせ)

このことからお分かりいただけるかもしれませんが、著者はコンフィギュレーション・スクールを推進しています。

コンフィギュレーションをざっくりまとめると、「数字で予測のつく要素はもちろんあるけど、事実(ファクト)はそのとおりにはいかないことが多い、だからいろんな視点を論理(ロジック)で統合して戦略を立てよう」というものです。

数字・ファクト・ロジック」は、APU(アジア太平洋立命館大学)の学長である出口治明さんがよくおっしゃています。本の内容とは逸れますが、出口さんの動画をシェアいたいます。「仕事がどうでもいい」から始まる面白いお話ですので、お楽しみいただけたらと思います。


では、『戦略サファリ』から読み盗った3つのことを書いていきます。

まず1つ目は、

① 多様な視点でミクロとマクロをみる

ということです。

本の冒頭で「盲目の男たちと象」( ジョン・ゴドフリー・サックス (1816-1887))という寓話が紹介されています。

お話の概要は以下の通りです。

6人の盲目の男たちが象に出会います。それぞれが象の6つのパーツ(足や尻尾や耳など)を観察します。6人それぞれが別の感想・意見をもちます。誰も間違ったことを言っていないのに、お互いの意見がぶつかります。翻って、私たちも細部や全体像を知らないのに知った風になっていませんか?

という内容です。本書には、戦略の形成に必殺技は存在しないことが書かれています。しかし、それぞれの技をつぶさに理解していくことでミクロの目を養うことができ、それぞれの技を組み合わせることでマクロの視点ができてくるとも記されています。

多様な視点でミクロとマクロをみるべし と読み盗りました。


では、続いて2つ目は、

②翻訳本の価値は監訳者の力量による

ということです。

監訳者からのメッセージに以下のような文があります。

ところによっては、日本語よりも英語の方がわかりやすいところもある。これからのボーダーレス社会を考えると、この日本語翻訳というワン・クッションを置くやり方は、内容的にも時間的にも限界がありそうだ。

星野リゾートの教科書は原書が英語で出版されているものが多いです。私に原書を読むだけの英語力があればよいのですが、全く歯が立ちませんので日本語に訳されたものを読み進めています。

その中で以下2つの違和感を感じさせない監訳者の方は凄いなぁと感じています。

① 日本語の文章としての読みづらさ
② 英語の意味と日本語の意味のズレ

本書の監訳者である齋藤嘉則さんは、「監訳者のツアーガイド」と題してそれぞれの章への導入を設けてくださっています。この導入のおかげで違和感なくサラっと読むことができました。

翻訳本の価値は監訳者の力量による と読み盗りました。


最後に3つ目は、

③ミンツバーグの「変革キューブ」

です。

変革キューブは立体(三次元)で表現されています。それぞれの軸(x軸・y軸・z軸)は

x軸:(可視化・概念化) 見えるか見えないか
y軸:(具体度・抽象度) ミクロかマクロか
z軸:(短期的・長期的) 早いか長いか

こんな感じです。どんな課題もこのキューブの中に入れて考えよ と著者 ミンツバーグは唱えています。

ミンツバーグの「変革キューブ」を参考に課題を考えるべし と読み盗りました。

まとめ

『戦略サファリ』から読み盗った3つのこと

① 多面的な視点でミクロとマクロをみること
② 翻訳本の価値は監訳者の力量によること
③ ミンツバーグの「変革キューブ」を参考に課題を考えてみること


次回は『ストラテジック・マインド』(大前研一 著) から読み盗ってみます。

最後までお付き合いいただいて
ありがとうございました。
では、またです。


貴重なお時間をありがとうございます。よき時間となりますように。