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出来損ない と ケンシロウ

※No.1の続きです。
是非そちらを先にご覧下さい。

「えぇっ??」と思わず口から出た。
続きの下書きを保存していると思い込んだ私は、今朝、愕然とした。まっさらなのである。
あぁもう…繋がりが全く思い出せない。
苦虫を噛み潰した、とはこの事なのか。
ネタがとび、難しい言葉を使いたくなっただけの今の私は、まさに【出来損ない】なのだろうか。

いや、また新たに違った視点で、昨日と違うことを
思い切って書いてみようと思う。
これはnoteを始めようと考え始めた時に思った、
自分の【新たな挑戦】なのだから。

本当に拙く、直すところも沢山ある文章ですが、
私の新たな挑戦を、皆さんに見守っていただけたら
嬉しいです!!
どうぞよろしくお願いします。

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No.2

諦めた人生

嫌な夢を見た。
涙と嫌な汗でぐしょぐしょな全身。
「やめて!!!!」
現実では小さな叫びの予想外な自分の声と、
ばっ!と勢いよく伸ばした腕の感覚で目覚めた。
どちらが夢でどちらが現実で、そしてそのどちらともが地獄に思えた。

虚ろな日々がどれくらい続いたのかわからないまま時間だけが過ぎていった。
2年制の専門学校は、最終学年の夏に実習があった。

私は実習先で そのまま就職を決めた。

その就職先は、あんなに離れたいと願った地元だった。
その日々の先に、何も無いとわかっていた。

20歳の夏に、私は人生を諦めていた。

また居場所がなくなり、何にもなれなかった。
その苦しい気持ちだけ置いて、私は都会を離れた。

地元に帰った私は、怒られてばかりいた。

職場では、10cm以上ある分厚い薬価本の角や、50cm定規の角で、頭を叩かれたりした。
涙が出る。周りにバレないように必死で笑った。

嫌われないようにと願う度に、誰かに怒られ
自信のなさから声が小さくなり、常に不安がつきまとう。誰かにまた怒られるんじゃあるまいか。
仕事をしているのに、人の視線が気になって、受付なのに隠れていたかった。

ほどなくして、私は受付から移動になった。
その意味が何なのかはすぐにわかった。

大きな声で御局様とその不倫相手の偉そうな顔のでかいオジサンが
「人間の出来損ないだから」
「あんなバカはここにいてもらっちゃ困るのよ!」と
事務所内で騒ぎ立てていたからだ。

「出来損ないかぁ…」
1人呟いて、トイレで泣いた。



少し経ったある時、年上の女性が職場に入ってきた。
その人は何も知らないから、極めて明るく私を食事に誘ってくれた。

そんな事をして、彼女とやり取りしているうちに、少しずつ職場の先輩たちとも彼女を通して仲良くなった。

ショッピングや食事、私を定規で叩いた御局様の不倫をアテに何時間も話したり、温泉に入りに行ったり、先輩の家で鍋パーティーをしたり。
そこらにある ありふれた女子会だったけれど、それでも私はとても嬉しかった。

それもまた、1年ほどで終わりを迎えた。


最初に食事に誘ってくれ、1番年上で仕事もできるのに、ある時はまるで私よりも年下なのかと疑いたくなる瞬間があるほど天然で可愛らしかった彼女が、海外へと留学してしまった。
「お金を貯めて1年後にまた海外に行く予定だったの」
「黙っていてごめん」
最後に彼女を見たのは、謝っている姿だった。

それからは段々とバラバラになって、職場をやめて遠くへ行く人もいたし、私もバラバラになる1つの要因で、それぞれがその要因であった。


ケンシロウ
私の世界がグレーになるきっかけの 初彼を忘れられずに過ごしていた。
他の殿方と付き合えるとも思っていなかった。
【私なんて…】そう思っていたから。

そう思う理由は、そこかしこに転がっていた。


だから、飲み会に誘われても【どうでもいいです】という服装をして行ったし、弟が着ていた大きなパーカーや太いジーンズをはいていたから、腰まで伸びた髪がなかったら男の子のように感じられたと思う。
またそれを強く望んだ。

ある夜、小さな頃からの知り合いの 年上の女から連絡があった。嫌な予感がする。
『どうしても幼なじみだとは言いたくない私は、強情なやつなのだろうか…』

「はい、もしもし…」

「あ、でたー!もしもし?」

「どうしたの?」

「今何してるの?どうせ1人でしょ?」
「今から来てよ!メンバー足りないんだよね〜」

「え、今から?明日仕事なんだけど…」

「いいじゃーん!私より若いんだし。20歳の子が来るとそれだけでいいんだって!」
「何もしなくていいから!」




母の姉妹である、私の叔母の近所には同じ家がズラリと並んでいて、その中に住んでいた子で、小さな頃は家族ぐるみで仲良くしていた。

母や叔母が地元に帰ってきた私にいつも
「相手はいないの?まだ処女でしょ?早く見つけなさい」とニタニタ笑って私に言っているのを、彼女は知っている。


人数が少ない時や話題が無くなった時に
【20歳の処女の幼なじみ】と言って彼氏がいない
【私のため】を装っては、私を呼びつけた。

だからそういう場にはいつも【どうでもいい】出で立ちで行った。
それを見て女は「今日もやる気ないなー!」と爆笑し、
私にお酒を飲ませた。

全く知らない男の隣に誘導され、挨拶を交わした。

女はその前に座りながら、
「今言ってた子!!」
「誰か紹介してやってよー!」
「この子ほら、ね?処女だし。」と笑う。

「こんな服きてるからわからないけど…」
「おっぱい大きいんだよー!ね?何カップだっけ?」
「もったいないでしょー?」とニヤつく。

「え?そうなの?へー…すごく可愛いのに」

「し・か・も ハタチー!!」

「マジ?ハタチなの?まじかー!俺とじゃダメー?」
「いいよー俺は!」
と隣に座っている男と女が会話をする。
男は私を下から上、上から下へと目線を配った。

吐き気がした。

女がすかさず
「えー?!ダメだよー!私がいるじゃん」と言うと
「お前とは友達だろ!!」
「お前とはヤレねーよ!」
と鼻の下をビロビロに伸ばして、私に視線を戻し、
ジョッキに残っていたビールを一気に流し込んだ。


『この格好で来て良かった』


男も女もゲラゲラと笑いあって会話を続ける。
「じゃあいつは?あいついいじゃん、○○!!」
「今彼女いないだろ?」

「えー!?○○はダメだよ!この子には似合わない。」
「だって○○は面食いだし!」

「あぁ…ダメかぁ…」
「じゃ、やっぱ俺にしておけば?」
と【鼻の下ビロ男】が私に触れる。

「脱げばいいじゃん、アウター」

脱いで強そうな大きなTシャツを着ていた私を見て
「俺はいいと思うんだけどねぇ」
と私の肩を抱いた。

その瞬間に力が入る私に、男がなにか感じ取ってこう言った。

「ピュアだね」

私の頭をポンポンとして、そうぬかす男の目にビックリして、「は、はい」と精一杯振り絞った声で言う。

「可愛いね」

「ちょっと〜この子そういうのされた事ないんだから」
「アンタのこと好きになったら困るでしょ!」

「なんだよ〜いいじゃんか!」
「連れて帰ろうと思ったんだけどなぁ。。」

「処女はムリでしょー?」「責任取れんの?」

「だよなぁ〜まぁでも1度は、なぁ?」「夢なんだよ!」

「もう、いいから!飲みなよ!」

「っんだよ〜」

目の前で繰り広げられる なにか に戸惑うことしか出来ずにいた。

何も出来ない自分が悪い。
言い返すことも出来ずに、いつも目の前に広がる光景を怖がっている。
それじゃあまるで、受け入れているだけにしか相手からは見えないのだ。

なのに、こんなにも…心が死んでいく。


『お前はもう死んでいる』

よく内容も知らないケンシロウでさえ、私の心に降りてくるくらい、内面は荒れていき、私の口数がどんどん減り 「へへへ」  と漫画のような愛想笑いしかできない。

『ケーーーーーーン』

と呼ぶと目の前のヤカラを、北斗神拳とやらで メタメタにしてくれたらとぼんやり考えてみる。
突然、私の頭の中に出演してきたケンシロウとこの状況があまりに違うから、1人で笑って、グラスに残った甘いカクテルを飲んだ。

こんなことで負う悲しみなんて、これっぽっちも感じないようにしたかったから、今度は表情をつくらず 頭の中のケンシロウと飲んでいた。
目の前のヤカラへの精一杯の抵抗だった。

昔から、そんな時はいつも 空想や脳内だけが私の友達になってくれた。

12時を目安に一人で帰った。

「シンデレラかよ!」

『何を言う、ケンシロウだ』

「はい」

「冗談だよ!」「ピュアだな」


最後に出てきたケンシロウに吹き出さないだけ、私は偉いな などと思いながら、帰り際タバコをふかした。

昔から大好きな星座の神話があった。
その星座の北斗七星を探したが 見つからなかった。

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長文、拙い文章ですが、読んでくださりありがとうございます!!とっても嬉しいです。

こちらも まだ続きそうですが…汗
次回は【小さな頃の私の出来事】を 書いてみようと思います。

どれもほぼノンフィクション な フィクションです。

【綺麗な厚焼き玉子のサンドイッチ】を願うのに、失敗してしまう私は、出来損ないだなと思いながらも、ここに書き連ねるうちに、少しずつ過去が整理され、そして元気になっていく力も不思議と貰っています。

ありがとうございます。

また、よろしければお楽しみ頂けると幸いです。

では、また次回。。。


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