見出し画像

2021年自動車産業キーマンたち名言集

 時間経つのは早いもので、2021年もあっという間に過ぎてしまいました。自動車産業が百年ぶりの変化期にあり、誰も未来が見えないし、分かりません。この一年、自動車産業のキーマンたちは、コロナとの戦いの中で、いくつかの名言を残した。これらの名言をつなぎ合わせることで、この一年の自動車業界の動向や未来の方向性がうかがえるでしょう。

1.「俺より安全性を重視するCEOは、この地球上にいないだろう」(Tesla)イーロン・マスク

 英紙ファイナンシャル・タイムズ(FT)は、2021年の「パーソン・オブ・ザ・イヤー」にイーロン・マスク氏を選出しました。同氏はインタビューの中で、テスラが自動運転ソフトウェア「オートパイロット(Autopilot)」について消費者に誤解を与え、消費者を危険にさらしたことを否定した。「テスラの取説書をちゃんと読んでください、取説書にはっきり書いてあります。」と答えた。

「俺より安全性を重視するCEOは、この地球上にいないだろう」と、また、「テスラの安全性評価の高さと、NASAがSpace Xのロケットを採用することは、私たちが安全性に取り込んでいることの証拠であること」と述べている。

(出所:Tesla)

テスラ自動運転ソフトウェアの名前が誤解を

 安全性に関して、Space X社はよくできているかもしれないが、Tesla社はそうでもなさそうですね。テスラの自動運転ソフトウェアAutopilotは、多くの事故が発生したため、多くの批判を受けている。例えば、Autopilotは誤りを犯す可能性が多い、誤りを犯したときに突然動作を停止して衝突事後につながる。規制当局や立法側は、Autopilotという名前が誤解を招く恐れがあると非難している。自動運転技術はまだ完全ではなく、多くの技術的な蓄積が必要であるにもかかわらず、ドライバーに車が実際に自分で運転できると思わせてしまうのです。

テスラ中国のPR事件が炎上、中国事業に波紋

 2021年4月に開催された上海モーターショーでは、中国人女性が同年2月に自分のモデル3の衝突事故について説明し、大騒ぎとなりました。

 これに対し、テスラ中国は「修理費用は負担できるが、彼女の要求は理不尽だと思うので、多額の補償には応じられない」と固辞し、「テスラはこの問題で決して妥協しません」。「当社のアンケート結果によると、90%のお客様が再びテスラを選ぶという」と語調を強めた。

 仮にそれが事実であったとしても、企業側にとって正しい発言ではない。なぜなら、その女性の行動にも不適切なところがあるにもかかわらず、その発言によって焦点をその女性の行動からテスラの企業理念へとシフトしたからです。いわゆる『テスラ中国のPR事件』。「中国の消費者をバカにしているのか?」インターネットでは炎上し、テスラへの抗議活動が起こり、テスラの株価が一時急落した。

 テスラは中国に多くのファンを持っていますが、だからといって中国の消費者はボトムラインがないわけではありません。ローカル企業であれ、外資系企業であれ、常にお客様を第一に考えなければならない。後日、テスラは反発に耐えらず謝罪をした。

 イーロン・マスクは自動車産業のルールを崩壊し、再構築してきたから、「パーソン・オブ・ザ・イヤー」に選ばれるのは無理はない。自動車業界の改革者であり、改革者であるゆえに、傲慢さこそが彼の魅力でもある。テスラのファンの中に、イーロン・マスクに魅せられている人は少なくない。起業家の個人的なカリスマは、最強のマーケティングツールだろう。

 自動車業界の人間として、自動運転技術の発展に貢献するすべての人を尊重する。一方で、その実用化には慎重に進めてほしいです。仮に実験室ではレベル4まで開発されたが、レベル3には人が自分の安全をコントロールできない部分があるため、実用化は当面レベル2.9に止めるべきだと思う。マスク氏には、業界に変化をもたらすとともに、命への敬意を保ち、彼自身が言っているように安全性を真剣に取り組み、ファンたちの応援に対する責任を果たしてほしい。

2.「我々の敵は炭素。内燃機関ではない」(TOYOTA)豊田章男

 日本自動車工業会(豊田章男会長)は2021年9月9日、定例記者会見を開催。カーボンニュートラルをはじめ、自動運転や政界への要望、自身に関する報道などについて説明した。
 まず豊田会長は、カーボンニュートラルにおいて、「我々の敵は『炭素』であり、『内燃機関』ではない。炭素を減らすためには、国や地域事情に見合った取り組みが必要」と説明。

https://www.bds.co.jp/bdsreport/detail349.html
(出所:Toyota)

自工会会長の立場--日本国の事情
 

 2011年東日本大震災以降、原子力発電が停止し、日本の電力は石炭火力発電に依存している。だから、電気自動車が増えれば増えるほど電力が必要になり、CO2排出量はさらに多くなる。
 しかも、日本のエネルギー自給率が低く、安定の電力供給は課題でもある。例えば、2021年初頭、電力供給が大ピンチになり、電力価格の高騰が発生した。もしすべての車が電力で動くようになると、電力不足恐れがあるだろう。
 さらに、カーボンニュートラルは日本にとって雇用問題になる。自動車関連産業の就業人口は540万人に上る。完全にEV化になると、雇用確保ひいては日本経済にも悪影響を及ぼしかねない。
 一方、世界中はEV化が進み、電気自動車が大きなトレンドになっていて、豊田会長はそんな状況が見えないわけがない。商人はやはりビジネスだ。現在、日系の車特にトヨタのアドバンテージは燃費であり、完全にEV化になってしまえば、これまでの競争優位はなくなってしまう。

トヨタ社長としての立場--トヨタの事情

 もっと言えば、トヨタが20年以上にわたってハイブリッド車と水素エンジン車に時間と資金をかけてきたが、今純電気自動車BEVに舵を切ったら、これまでの取り組みが無駄になってしまう。

 21年5月23日、豊田章男さんが自らレーシングドライバーになり、トヨタ「水素エンジン車」が24時間耐久レースを完走した。電気自動車だけでなく、水素エンジン車も環境対応に期待できることを世界中にPRした。

 
 22年の北京五輪に、トヨタは2200台ほどの車を提供する予定。その中「MIRAI II」、水素燃料電池バスなど水素燃料電池システムを搭載した車合計200台ある。

(出所: トヨタ中国)


 だから、豊田会長はトヨタと日系メーカが事業を変革するために時間を稼いでいるともいえるのだ。しかし、ガソリン車には残りの時間が多くはない。2021年は、電気自動車が最も猛烈に急増する一年であり、テスラの市場価値はすでに、トヨタ、フォルクスワーゲン、GMをはじめとする伝統的な自動車メーカ十数社の合計額を上回っている。中国ローカルの電気自動車メーカでも、売上高が急上昇し、株価も上昇した。それを受け、世界中のカーメーカが慌てるようになり、自分が自動車業界のノキアになるのを避けたい。メルセデスベンツやBMWでも急いで新しい電気車両プラットフォームを発表し、電動化とスマホ化に取り込んでいる。
 他方、世界中カーボンニュートラル規制は厳しくなりつつあり、ガソリン車販売禁止の期限が近づけている。各国の政策はすでに、純電気自動車BEVに転換しようと明示している。技術、市場、政策のすべてが純電気自動車への扉を開いたのに、対応を怠れば、世界に選ばなくなるだろう。だから、トヨタは2021年年末に、2030年に350万台のEV販売を目標とし、16台のBEVを披露した。

21年末トヨタのEVシフト発表会とは矛盾しない?

 16台のBEVを並べることで、トヨタが完全にEVに舵を切ろうとしたことでしょうか?
 そうではない。豊田会長はまだ躊躇している。
 純電気自動車の他に、ハイブリッドと水素をまだあきらめていません。投資予定の350億米ドルのうち、純電気自動車には半分だけで、残りの半分はハイブリッド車と燃料電池車に投資される。
 実は、ほかの自動車メーカに比べたら、トヨタのEVへの変革への決意はそれほど強くない。トヨタは、2030年までに350台の純電気自動車の販売を目指しているが、それは現在の販売台数の3分の1に相当する。一方、フォルクスワーゲンは、2030年に世界販売の5割を電気自動車(EV)にすると発表した。
 豊田会長は、自分のweibo(中国版ツイッター)投稿でこのように説明している。「私たちは、多様性があってスタンダードの解決がない時代に生きている。一つの選択肢ですべての人に幸福をもたらすわけがない。すべての人の好みに合う製品はありません。そのため、トヨタは世界中のお客様に可能な限り多くの選択肢を提供したい。」

3.「次期フォルクスワーゲン・ゴルフは、中国製であってはならない」(VW)ヘルベルト・ディース

(出所:VW)

 チップ不足に直面していたフォルクスワーゲンのCEOであるヘルベルト・ディースは、ウォルフスブルクで開催されたVWの全社で、自分の改革プロジェクトと工場の自動化について発表し、VWの従業員を鼓舞しようとした。

 「ええ、私はウォルフスブルクを心配しています。」 ディースは、フォルクスワーゲンに対する懸念を認め、従業員に呼びかけた。一方、ディーズ氏は、「次のゴルフはテスラであってはならない!と言っていた。 次のゴルフは中国製であってはならない。 次のアイコン商品は、ヴォルフスブルクの『トリニティ』に違いない」と宣言した。

 次世代EVセダン「トリニティ」


 次世代EVセダン「トリニティ」まだコンセプトの開発段階。 ウォルフスブルクに新しいプラットフォームを建設し、2026年に生産開始する予定。このセダンは、フォルクスワーゲングループの新しいプラットフォーム「SSP Scalable Systems」から登場する最初のモデルの一つになる。航続や充電速度、デジタル化の面で革新を遂げ、レベル4の自動運転も可能にする。

https://response.jp/article/2021/03/08/343782.html



21年VWの電気自動車が好調

(出所:VW)

 2021年のVWグループの純電気自動車の販売台数は、前年比約2倍の45.3万台となり、電気自動車の販売台数に占める割合は、昨年の2.5%から5.1%になりました。 また、VWのプラグインハイブリッド車も好調で、前年同期比61%増の30万9,500台となった。地域別では、欧州において、フォルクスワーゲングループはVWは欧州における純電気自動車のマーケットリーダーとなっている。特に西欧ではVWの純電気自動車の人気が高く、グループの販売台数の10.5%を占めた。
 この調子では、VWの2030年販売台数の半分がBEVになるのを期待できるだろう。

(最後までお読みいただきありがとうございました。
日本語はまだ勉強中なので、不自然なところがあったら、お気軽に読み飛ばして下さい。
もちろん、気になるところを教えていただければ嬉しいです。)

 
 





この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?