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【こ】氷とコーラスとこうのこのみ

五十音一文字ずつから三つの言葉を選び、自分語りをしています(五十音ブログ)

ふわふわな甘み

超が付くほど不器用な私でも、昔々は水割りの氷を作るために氷の塊をアイスピックで割っていた。綺麗な球体には出来ないが、バイトでは困らない程度に。

自分自身はアルコールが不得手なので、水割りよりもかき氷。最近の口どけの良いものが特に好きだ。ふわふわとした感触は幸せに直結しているなと思う。

こめかみがキーンとする昔のかき氷にも愛着はある。お祭りの屋台の氷メロン、スーパーで買って帰った赤城しぐれ、などなど。

子どもたちが小さかったころ、自宅用のかき氷機はフル稼動していた。
ガリガリという氷をかく響きと、子どもたちの笑い声が混ざる、音の思い出が愛おしい。

心に響く歌声

音の思い出と言えば、最近では私が入っている女声コーラスグループが一番だろうか。

友人が所属しているコーラスのコンサートを聴きに行っていて、3回目のときにハタと「自分も舞台の上で歌えたら楽しいだろうな」という気持ちになった。
楽譜の読めない私がここに入るのは無謀でなかなか勇気が出なかったのだけど、好意的に迎え入れてもらった。

美しく響き合ったときの快感、コンサートのときの高揚は今でもキラキラと輝いているし、うまく歌えない私に根気よく付き合ってくれる皆さんの優しさ、自宅に呼んでくれてのレッスンの有り難さに何度もジンとしたことは忘れない。

コンサートでは、家族や友人の存在は宝物だとあらためて実感した。目に見える応援は、自己肯定感を力強く持ち上げてくれる。

初めてのコンサートを終えた後でFacebookに掲げた感想を、noteにもアップしてみた。

どう生きていくのか

入った時のこのグループでは、私は最年少であった。
メンバー全員が、地に足がついた大人であり、好きなものに打ち込む乙女であり、自然体だった。思いが食い違うことがあっても、その食い違い自体も受け入れているように思えた。笑顔とあたたかい言葉に、いつも余裕を感じていた。

私は、
自分より年若いひとたちに「歳を取るのも面白そう」と思ってもらいたい。

目指すものや見本になるつもりはないが、私を見ていて

「歳を取るのも面白そう」

と思ってもらえたら、どんなに嬉しいだろうと思う。私はそんな風に生きたいのだ。

コーラスのメンバーは、私に「歳を取るのも面白そう」と思わせてくれる憧れなのである。

空を見上げて

40年くらい前に、こうのこのみさんの個展を観に銀座の画廊に行ったことがある。画廊に入るのは生まれて初めてで緊張していたが、本物の絵を目の前にすると緊張は吹き飛び、ただただ感動の波に身をまかせるしかなかった。

ちっぽけで取るに足らない存在でしかない自分でも、
どこか遠くの世界へ運んでくれそうな
やさしいやさしい気球。

特に気に入った大きな絵があり、買うことは叶わないため眺めるしかなかったが、長いあいだ静かな風を感じて、心を軽くしてもらった。



あのとき乗りたかった気球の行き先は、

今いる自分の場所にあんがい近いのかもしれないと、ふと思った。

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