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YAPC::Hakodate 2024でやったクリエイティブコーディングLTの裏話

こんにちは chobishibaです。
YAPC::Hakodate 2024で「自分だけの世界を創るクリエイティブコーディング」というタイトルでクリエイティブコーディングの発表をしました。

YAPC::Hakodate 2024の感想はこちらに書いたのですが

5分では収まりきらない内容を5分に詰め込んでライトニングに駆け抜けた関係上、泣く泣くカットした部分もあるので補足記事を書いてみました。

事の発端

どうしてLT応募しようと思ったかというと事の発端はこちらのロゴ

(背景)10printだ!!!

10printとは1980年代に発表されたワンライナーのBASICのコードで、ランダムに/と\の文字を画面に出力すると迷路のようなパターンができるというもの。

趣味でクリエイティブコーディング(ものすごく簡単にいうとコードでお絵描き)をやってて、各種イベントのロゴや関連文様をコードで再現することを余興としてやってたりします。

YAPCもこれができるのでは?今回のYAPCでしかできない冒頭の入りがそこにあるならもうやりたい!絶対LT応募する!と決めました(※この段階でまだ募集も始まってない)。

※ ちなみに10printは昨年参加したジェネラティブアートイベントに参加したときに偶然教えてもらいました。アーカイブ

プログラミング経験者の場合、クリエイティブコーディングは好きな言語でやるとすごく楽しいんじゃないかと自身の経験から思っていて、Perlでもきっとやりようはあるのでは?と調べたら案の定先達がいらっしゃいました。

(私も数学から創るジェネラティブアート大好きです。ターニングポイントになった本です)

最初はPerlでもクリエイティブコーディングを楽しめるということを紹介しつつ、Genuaryというイベントで31日間毎日作品を作るチャレンジしたときの話しようかなと思ってました。
今年の年明けはなかなか落ち着かないニュースも多かったですし、そんなときコツコツコード書いて作品作って心落ち着かせたこととか、31日やったことで自信もついたこととか。

そしていざ募集が始まって要項を見ると

Perlだけにとどまらない技術者たちが、好きな技術の話をして交流するYAPC::Hakodate 2024らしいライトニングトークを、ぜひご応募ください!

https://blog.yapcjapan.org/entry/2024/09/05/180000

『YAPC::Hakodate 2024らしい』と聞いて浮かぶのは今回のテーマ"Open the future"。だったらLTも"Open the future"でいこう!これからプログラミングを仕事にしていきたい学生さんに、手を動かしたその先に想像もしなかった未来があることを伝えられたらいいな。そんなこと考えながら出したこちらが提出したプロポーザル。

なんか本編プロポーザルよりこっちの方がよかったのでは?あまりにも自分なりに満足いくものが書けたので会社の1on1でこんな話してました。

いやー、本編締切の7/ 15には渋谷で物理展示する未来に辿り着いてなかったのですよ(展示は8/25〜。本編締切時には展示の選考結果も出てなかった)。なので本編の頃はまだ書けず、LTのこのタイミングだったから書けたものでした(そもそもLTだから拾ってもらえたのかもしれない)。

採択

LTは枠も少ないし激戦だろうし、まぁ落ちたらYAPC::Hakodate ver 10print作ってPostしようかなと思ってましたがまさかの採択。ハタハタしてました。

内容は当日のお楽しみにということになってましたがchobishibaが話すならまぁアレだろうと思われてた方もいらっしゃるかもしれません。

いつも採択されてから思い出すのですがカンファレンスのLT結果出るのってだいたい1週間〜10日前なんですよね!というわけで発表があった以降のプライベートの予定全部白紙にしました!(まぁそういうときに限って仕事はリリース直前だったりするんですよね😇)

そしてやったー!YAPCでトークさせてもらえるーと高まった気持ちの赴くまま作ったらこれ。

流石になぁ…と41まで減らしたのですが、10/4の朝やっぱりもうちょっとPerl成分入れたいとこちらを書いて入れました。線と線の間の処理が甘いのは時間切れのためです…

/と\の文字をランダムに並べるとこの模様になるの、そうはいわれても分かりにくかも?と動画verも追加。しかし一瞬でこのページも過ぎてしまうのだからと本番は3行くらいまで描画されたところから開始してみました。

些細なところですがお気に入りだったので当日そこも注目してもらえて嬉しかったです。

発表の補足

比較

ソフトウェア開発とクリエイティブコーディングを比較することでよりプログラミングの多様さを感じてもらえるのではないかなと並べてみました。
仕事で堅牢で安全なシステム作りも難しいけど考えごたえがあって好きです(だから今の仕事してるわけで)。"冪等性"という言葉を使ったのは"偶然性"の対比もありますが、前回のYAPC::Hiroshima 2024 での同僚の発表をちょっと意識してみました。

はじめ方

興味持って始めたいと思ってくださった方への導入が足りなさすぎたのですが、使ってみたい言語があるならぜひその言語経由が手に馴染むと思います。
なんでもいいけど何か手を動かしてみたいな、ということであればまずは、こちらの高尾さんのp5.jsのワークショップをなぞってみると描画の仕組みとかつかみやすいと思います。

発表の中では円で描けるものを紹介していましたが、模様バージョンも用意してました。線、円だけでもいろんなものができます。なにはともあれ1つ作ったらそこからどんどん派生していくとより好きな方向、好みの方向がわかってくると思います(やってると身の回りのいろんなもの「これコードで描けないかな?」って考えてしまいます)。

31日間チャレンジ

こんな感想いただいていましたがこれは内容をよく知ってる方なのでは。

というのもお題が「スクリーンセーバー」とか「ローディング中」とか、わりと連想やすいのもあれば、「ごめんちょっとよくわからない…」なお題もありました。

単純に私の知識不足のものもあったりもしました。言葉の意味を調べたり、歴史を調べたり、そこからどう解釈するか考えたり。思い返すとこの期間に作ったものが今年の他の作品のベースになってるように感じます。

いろいろ説明端折ったのでこの期間に毎日やらないといけないような印象になったかもしれませんが、全部のお題をやる必要もなく、お題の日にやる必要のなく(つまり"今"やってもいい)、必ずしもお題に沿う必要もなく、かなり自由なのですが、リアルタイム参加だと、自分の解釈を出した上で他の人の解釈を知れてブーストになりやりごたえありました。なので過去のお題を見ていくつかためしてみつつ、次回2025年1月開催へ備えてみてはいかがでしょうか。

記録場所

作ったものはためておくと見返した時に楽しいです。だんだん変化していたたり、その時々のブームがあったことがわかったりもします(ちょっと前まで円ブームでしたが、最近再帰ブームがきました)。

発表中こんなことを言いましたが、乙なものなんですよ令和のこの時代にも。そもそもPerl知ったのが2000年初頭に自分のサイトでCGI動かしたくてで(YPAC::Hiroshima 2024のキーノートスピーカーでもあったとほほさんサイトに大変お世話になりました)趣味でこれやりたい!は動機としてすごく強いです。

今の作品溜め込んでる場所もNext.jsで作ったものをexportしてhtmlにしてます。コードをgitで管理したい&楽にためていきたい&Reactさわってみたい。という動機で全然Next.jsさわったことのないところから作りました。

物理展示

展示は専用配信プラットフォームが組まれていて、そのおかげで私はビジュアルを作りこむことに集中できました。この体験はこちらにも書いてます。

2024/10/19にある Veu Fes Japan 2024 でこの配信のシステムを作られた田中陽さんのトークがあるので気になる方はぜひ!

やりたい気持ちもやりたくない気持ちも大切に

LT中熱く語ってましたが決して何年もやってたわけではなくて、初めてクリエイティブコーディング知った時は面白いと思ったけどどうにも馴染まなくて(主に文法的に)、それが数年後好きな言語(Ruby)とかけ合わせやすい環境と出会いストレスフリー!となって、継続して作るようになり、公開するようになって他のクリエイターと知り合えたり、イベントに参加したりしながら今にいたります。やればやるほど面白いループに入れたのこの1,2年なんですよね。なのでちょっとさわってみて、やめて、また気になった時に戻ってきて…を繰り返して全然いいと思います。だって趣味なんだから。ちょっと触ってみたことがどのタイミングでどこで何が繋がるかわからない。ものは試しでぜひやってみてください!

余談

LTのよさ

LTのいいところは1トラックになり、興味のない人にも自分の好きなものの話を聞いてもらえるところだなと思ってます。初めて知ったとか、やってみたくなったといった感想いただけてほんとすごく嬉しかったです。
とはいえもうちょっとまとまった時間かけて聞いてもらいたいなと思っていたところ(語り尽くせなかった)、12月にRubyWorld Conference 2024 でお話しさせていただけることになりました!こちらでお会いできる皆様どうぞよろしくお願いします(配信もあるそうです)。

まとめ

生活の中で自分を大事にする時間を持って欲しいということと、何かをやってみたい気持ちに無駄なものはなくて、何もかもが全て未来に繋がってるとそんなことが伝わってたら幸いです。

どれもこれも資料作ってたらぽろっと出てきた言葉でした。
YAPC::Hakodate 2024があったからこそこそ話せた内容だと思います。開催と素敵なテーマ、きっかけのロゴ!そして当日聞いて反応して盛り上げてくださった皆様本当にありがとうございました!

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