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”冷やし中華”は、どうすれば「冷やし中華」になるのか

料理が、苦手だ。
とは言いつつ、比較的自炊もしているし、レシピ通り作ることもできる。

苦手なのは、「おおよそ、このような感じなんじゃないか」というイメージで成り立つ、懐が広い料理だ。
例えば、夏ならば冷やし中華、冬ならば鍋、がそれにあたる。冷やし中華も鍋も、比較的色々な具を入れて成り立つ料理だと思う。
冷やし中華ならば、例えばこんな具が思いつく。

きゅうり・トマト・ハム・ささみ・卵・紅生姜・貝割れ大根・刻み玉ねぎ・コーン・わかめ・もずく・ツナ・しそ・ゴマ・のり・エビ・すだち etc…

ここに入らないオリジナルな具もたくさんあるだろう。つまり、冷やし中華には(厳密にはあるのかもしれないが)、通常食卓に出てくる際に「この具材が入っていないと冷やし中華ではない」という決まりはないと言えるのではないだろうか。
そう考えると、「その日冷蔵庫にあるものでいくつかそれらしい具を乗せれば、冷やし中華ができるのでは」と考えた。

しかしその憶測は、誤っていた。3年前に作った冷やし中華が、こちらである。

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トッピングの具:玉ねぎ、ミョウガ、ソーセージ、からし

「冷やし中華としては、失敗ですね」「食べたことがない人でも、もう少しうまく作れるのでは」「なんだか勇気をもらいました」など、さまざまなコメントをいただいた。

つまり、懐の広い料理は、私が勝手にそう思っていただけで、実は“広そうな”料理なのであり、2〜3種類はセンターを張れるメンツを揃えなければ成り立たない。脇役のミョウガは、主役がいるから成り立つのであり、主役そのものになることはできないのである。これは、大きな学びだった。この結論にたどり着いて以来、必ず「きゅうり」「トマト」のいずれかは入れるようにしているため、ほかにさまざまな具を入れても彼らが大黒柱になり、近年は失敗していない。

もう一つ、冷やし中華において大切なことがある。それは、色味だ。私たちが想像する冷やし中華は、恐らくとてもカラフルだ。赤、黄、緑の3色が入っている。それに比べて、先に掲載した冷やし中華は、圧倒的に色不足だった。色味が鮮やかになることで、見た目のゲテモノ感はある程度解消される。この色味の法則は他のどんな料理にも応用でき、最近作ったソーメンは、大したことをしていないのに催事感が生まれた。

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「おおよそ、こんな感じなのではないか」という料理に対して、「今日は冷蔵庫にこの具材しかないから、なんとかそれらしく作ろう。そこが腕の見せどころだ」と概念のキワを攻めようと思った時、あるいはイメージが非常にざっくりしているために、料理の途中から「やっぱり、主役と脇役交代で」といった台本変更が発生した時、悲劇が起こる。出来上がってから、「あれ、これって一体なんだったんだっけ」となってしまうのである。

最近は、「主役・脇役の法則」と「色味の法則」を守っているため、信じがたい見た目の料理は生まれていない。
しかしそれは、決して上手くなったのではなく、おそらく同じようなものばかり作っており、新しい料理にチャレンジしていないからだ。
少し前に、知人からストウブの鍋をもらった。未だ、ソーメンを茹でるぐらいにしか使っていない。同時に、最近リモートワークで自炊が増えたためか、味変スパイスに興味を持ち始め、クミンを買った。
ストウブで作るクミンで味付けした料理は、なんだか都会的でオシャレな感じがして、ワクワクする。オシャレそうな料理によくある、肉とトマト缶、にんにく、何か緑色の葉っぱを一緒に煮込めば、きっとなんとかなるだろう。

ときどき不朽の“迷作”が生まれることもあるが、それも含めて、私なりの最高の料理ライフだ。

#キナリ杯 #冷やし中華 #料理 #自炊

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コメント (1)
一枚目の画像を冷やし中華と言っちゃうところや、おしゃれそうな具材を煮込めばなんとかなると思っちゃうところに、思わずツッコミをいれたくなって笑いを誘われました!
そして、それでも最高の料理ライフという言葉を読んで、ならよかったわ!!となんだかハッピーな気持ちになりました。
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