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はみ出し者のわたしへ

むかしから、特定の場所にい続けるときまってそこから抜け出したくなってしまうクセがあった。仲良しグループ、サークルやゼミの輪、常連のお店。完全に抜け出すというよりも、ちょっと左肘とか、つま先とかがはみ出ちゃうような。ふらりと出かけて、また帰ってくるような。そんな距離感でいつも、集団と付き合ってきた。

幼稚園から大学までずーっと学校が楽しかった。友達も学校行事も部活も大好きないわば青春野郎。今勤めている会社も大好きで、帰属意識もかなり高いほうだと思う。「どこどこのサチコさん」と呼ばれるのも苦じゃない。

それなのに逃げ出したくなるのは、どうしてなんだろう。そんなことを考えて、この文章を書きはじめました。


なんではみ出しちゃうのかな

はじめは、「自分のとある一面だけで判断されるのがいやなのかな」と思った。別の記事でも書いたように、わたしは自分をえんぴつのように捉えていて、全部の面があってこそのわたしだと思っているからだ。一面だけで自分を語られると、名前のついた枠にはめこまれるような窮屈な感覚になる。これは理由のひとつかもしれない。

そんな風に考えていけば、もっともらしい理由はいくつかある。だけど、ほんとうのところは、もっとかっこ悪くてちっぽけなことだったんじゃなかったかな。ちょっとずつ思い出してきたあの頃のこと。嘘を書いても仕方が無いので、もう少し記憶に潜っていこうと思う。


ほりおこした深層心理

少しさかのぼって中学生の頃の気持ちを思い出してみた。中学生サチコの毎日は楽しかったけれど、思い描いた通りの自分になれないことや、誰かにとってのいちばんになれないことが、苦しく感じられた時期もあった。中学生の頃はとくに、他者からの目線が気になるもの。すごくいい友達に囲まれていたにも関わらず、人気者のあの子と仲良くなりたいとか、あのグループの人たちにも認められたいとか、そういう気持ちがあったのも事実。

自分以外の誰かになろうとしている、そんな自分がみじめで苦しかった。スクールカーストのようなものもに捉われたくないと思いながらも、誰よりも捉われていたのはわたしだったのだろう。

その頃は言語化なんてできてなかったけど、とにかくそんな自分が好きではなくて、そういうことが重要でない世界に、はやく出て行きたかった


こころの奥底にある気持ち

幸いなことに、高校にはスクールカーストは一切なく、同じような想いをすることは少なかった。それでもまだ、仲良しグループができれば、自分から少しだけはみ出してしまうのだった。

誤解のないように書いておくと、わたしは通っていた高校のことが心から大好きで、100回サチコの人生を生きるとしたら、100回とも母校を受験すると言い切れる。一生つきあっていきたいと思う友人たちばかりだ。仲良しグループがありながらも、別のグループの子たちとも垣根なく仲良くできる人ばかりだった。本当に心から楽しく、豊かな3年間を過ごしたのだ。

そんななかでも、あえて自分のこころの深い部分を思い返していけば、

この中の人間関係で疲れることがこわい。この中の誰かに嫌われることがこわい。誰かがわたしよりもあの子をすきになるのを見るのがこわい。

たぶんそんな気持ちがあったんだと思う。それは、友人や状況のせいではなく、わたしがちゃんと精神的にひとりになれていないからこそ起こる感情だった。まだ他人に対してできることがたくさんあると信じていた、そういう年齢だった。


やっと「ちゃんと」ひとりになれた

要因は色々あったと思う。高校生の頃の出来事で懲りたこと。大学に入学していくつかのコミュニティに所属するようになったこと。ツイッターを始めたこと。周りのひとと良い関係が関係が築けていること。はっきりとしたきっかけがあったのかは覚えていないけれど、年齢を重ねて自然にわかってきたのかもしれない。

どこにも所属していないということは、みんなと仲良くできるということ。これは、中学時代からぼんやりと思っていたことだった。ただ、あの頃のわたしは自信が持てなかった。

ちゃんとひとりでいる人たちが集団でいることと、ひとりでいられないから集団でいることは全く別のものだった。そのことにようやく気づけて、楽になった。


安心してはみ出す日々

未だに、嫉妬もするし人と人が集まればいろいろな感情もわく。でも、いまは、みんなといるために、ひとりでいたい、そう思うから、安心して肘とかつま先とかをはみ出させることができる。ひょいっと抜け出したり、別の場所に顔を出したり。そうやってちゃんとひとりでいれることを確認してから、またいつもの場所に戻ったりする。

小学校や中学校の頃は、学校での自分がすべてだった。あの頃みたいに、一面でしか自分で自分を捉えられなくなることがどこかでちょっとだけ、こわいんだろうな。

わたしは、自分がちゃんとひとりでいられるか、確認したくてはみ出しているんだと思う。

みんなでいたいから、ひとりになる。ちゃんとひとりでいられる自分でいたくて、逃げ出してみる。そして安心する。そんなことを繰り返している。

せっかく手に入れたひとりでいられる自分を、なくしたくないだけなんです。


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あー、やっとわかってすっきりした。ただただ潜っていく文章でわかりにくいかもしれないけれど、自分がすっきりしました。笑

時間かかってしまったけど、アンケートにご協力いただき、ありがとうございました!


うれちい