コントロールを手放すことでコミュニティは躍動する
コミュニティの一番の敵は短期的な目標数値かもしれない。
短期的な目標数値は、対象をコントロールしてそれを達成させようとする圧力になるから。
対象が単純な機械なら、アウトプットを倍に増やしたければ倍の材料と倍の燃料を投下すればいい。でも、コミュニティのような生命体のパフォーマンスを高めようとして倍の栄養を与えてもムダに終わる。むしろ栄養バランスが崩れて不調に陥ることすらある。仮にそれでうまくいってもそれはドーピングのように副作用や反動があるものです。
例えば、イベント参加者数を2倍にする短期的な数値目標が(そんな目標設定はないと思いますが)あったとして、イベント開催頻度を単純に2倍にしてともそうはなりません。イベントの希少性が下がり、一回あたりの参加者数が減ってしまったりもするからです。
他にも、メンバーに個別メッセージを大量に送ることで単月でみればイベント参加者数を2倍にすることもできるでしょう。でも、翌月にも同じことができるとは限りませんし、むしろアクティブ率が下降するキッカケにもなるかもしれません。すると更に個別メッセージを送らなければ参加者数が維持できなくなっていく…。
短期的な目標数値は、そんなうまくいかないテコ入れを「ともかくやってみよう」と思わせてしまう圧力がある。
そして、それは「やっても意味がなかった」どころか「やらない方がよかった」という結果になりかねません。短期的な成果が見られた場合ですら、それは長期的な成果の「前借り」でしかない場合もあります。残念なことに、そのことはあとになって気がついたりするものです。
短期的な数値目標が必ずしも悪いわけではありませんが、それに押されてコミュニティという生命体を無理やりコントロールしようとするのは避けた方が良いと思います。
生命体はコントロールによってその生命力を落とし、逆にコントロールを手放すことで生き生きと躍動したりするものです。
だとしたら、目標数値を設定するにしても長期的に達成すればOKなものとして設定したり、目標数値を複数設定してそのうちのいくつかを達成すればOKなように自由度を高めておいたり、そもそも目標数値を設定しないということも可能性として考えておくのが良いと思います。
あとは、コミュニティに適切な栄養を与え、温めて血の巡りを良くするくらいでいい。あとはそのコミュニティがどんなふうに生命力を発揮するのか眺めて、怪我をすれば治したりするくらいかな。
コミュニティへの介入は必要最低限。その見極めが難しく、面白かったりもします。
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