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「なぜ」という問いの使い方には要注意

「なぜ」という質問はとっても曖昧なので、乱用しないほうがいい。

「チコちゃんに叱られる!」という番組ではよくこの手の質問がゲストに投げかけられるので、チコちゃんはあまり良い問い手ではない、ということになります。実際、番組のゲストは答えにくそうに困っていますね。

「なぜ」について、例えば生物学の例をみてみます。「ティンバーゲンの4つのなぜ」という分類があります。ある生物がなぜその特性を持っているのか(Ex. シロクマはなぜ白いの?)、という問いには以下の4つのバリエーションがあるよ、という主張だそうです。

①系統発生(なぜそう進化したのか)
②発達(どんな発達プロセスでその特性が出現するのか)
③機能(その特性がどう機能することで役に立つのか)
④機構(その特性のメカニズムはなにか)

なるほど。生物学的な「なぜ」だけでも少なくともこの4つがあるわけです。さらに世の中にはさまざまな学問があり、価値観があり、イデオロギーがあります。わたしたちが発する「なぜ」はきっと、何十何百にも多様な「なぜ」に分類ができることでしょう。

だから、単に「なぜ」と問いを立てたとき、その問いは曖昧さをともなってしまうわけです。どういうタイプの「なぜ」なのかを言葉で補うことで答えやすい問いになります。

そういえば、こどもたちも「なぜ」の質問をたくさんしますね。大人よりもこどものほうがよく質問するのだそうです。

こどもに「なんで太陽は光っているの?」と聞かれたら、「水素原子の核融合で莫大なエネルギーが発生しているからだよ」と原因や機構(メカニズム)の話をするよりも、「わたしたちを暖めて元気にするためだよ」と目的や機能(ファンクション)の話をしてあげたほうが納得して喜ぶ傾向にある気がします。

そんなふうに「なぜ」の分類がたくさんあることを知っているだけで、質問への答え方のバリエーションがいくつか思い浮かびます。意識してみるとディスカッションや対話がしやすくなるので、オススメです!

最後にまとめると、「なぜ」にはたくさんのバリエーションがあります。質問として使う時にはどういうタイプの「なぜ」なのかをわかりやすく伝えるといいですし、逆に質問されたときはどういうタイプの「なぜ」なのかを聞き返したり察したりするといいですね!

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