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逆説3:点の数より線の数

コミュニティを質を測る指標はなんでしょうか?

企業であれば売上や利益で測ることができるし、地域であればその人口や経済規模で測ることもできるでしょう。

コミュニティで言えば、インフルエンサーのオンラインサロンも数千人規模のものが珍しくありません。人数が多ければ、反応も増えるし、盛り上がっている感じがでる。

だから、人数が多いほうがいいコミュニティである。

そんなふうに思いたくなります。

しかし、です。

本当に人数が多いほうがいいコミュニティなのでしょうか?

数値で測ること自体はわるくないのですが、注目する数値を間違えると、間違ったアクションにつながってしまうので注意が必要です。

「点の数」より「線の数」

コミュニティデザインにおいて、メンバーの人数が増える仕掛けは必要です。それを全く用意しないと、徐々に人数が減ってしまって消滅するかもしれませんし、一定の人数がいなければできないこともあります。

しかし、ただ人数だけを増やすだけでは足りません。もっとやるべきことがあります。

以下の手書きの図をご覧ください。

をコミュニティメンバー、がメンバー同士のつながりだと思ってください。左右にはそれぞれ9個の点があるので、9人で構成された2つのコミュニティを表しています。

もし、コミュニティオーナーが真ん中に立ち、コミュニティのハブとして機能するようなハブ型の場合には、左図のように線の数は8本になります。

しかし、もしハブがいないメッシュ型でメンバーをつなぐことができたらどうでしょうか?9人のコミュニティでは最大で36本の線が引けることになります。

つまり、9人のコミュニティではメッシュ型はハブ型に比べて、つながりの数において4.5倍のポテンシャルがあります。

※ポテンシャルと書いたのは、必ずしもコミュニティ内の全員が他のメンバー全員とつながっているわけではないからです

これが100人のコミュニティだとどうでしょうか?図で表現するの大変ですが、想像してみてください。

ハブ型では99本の線が引けて、メッシュ型では4950本の線が引けます。つまり、つながりの数においてメッシュ型はハブ型の50倍のポテンシャルがあるわけです。

※一般にN人のコミュニティでは、メッシュ型のつながりの数はハブ型に対してN/2倍のポテンシャルを持ちます。証明は省きますが、簡単です

線の数が多いほど、メンバー同士のつながりが多い事を意味しているので、コミュニティ内でコラボレーションが起きてプロジェクトが生まれやすくなります。思いもかけないつながりによって、仕事や人生が変わることすら、あるかもしれません。

あなたのコミュニティは
ハブ型?メッシュ型?

インフルエンサーがメディアとして一方的な発信をするタイプのオンラインサロンや、一般的なファンクラブは主にハブ型をしています。

一方で、メンバー主催のイベントが数多く開催されるようなコミュニティや、求心力が低い非カリスマ型のオーナーによるコミュニティ(議論メシもそう)の場合は中央がなく、メッシュ型をしていることが多いようです。

あなたのコミュニティはどちらでしょうか?

コミュニティデザインの視点

ソトに目を向けてマーケティングなどでメンバーというを増やすことよりも、ウチに目を向けて様々な手を打ってを増やすことに注力することが、コミュニティデザイナーの役割として重要だと考えられます。

線の数と質の総計がコミュニティである、とも言えるんじゃないかなと思うくらい、線で結ぶことがコミュニティには必要です。

仮に新たな(新規メンバー)を増やす場合にも、どのようにして既存メンバーとでつなぐのかを考え抜く必要があります。

点の数より線の数です。

議論メシのコミュニティデザイン

議論メシでは、月に20回以上のイベントが開催され、オンラインでも月に8回ほどテーマを決めたディスカッションをしています。

ディスカッションのテーマは毎回変わりますが、すべてが当事者性のあるテーマです。そういった個人のコアに関わるテーマについてディスカッションすることでメンバー同士の価値観や経験が自然と共有されて、つながりやすくなっています。

さらに、メンバーのプロフィールの一覧を全体で共有したり、コミュニティ通貨GRN(feverで運用)によって感謝や貢献が見える化され、よりつながりやすい状況を作っています。

こうしてコミュニティによる公式な場が盛り上がってくると、非公式な場でもメンバーが自主的に集まるようになります。そうなると、線の数はコミュニティデザイナーの手を離れたところでもどんどん増えていきます。

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