『戦争は女の顔をしていない』スヴェトラーナ・アレクシエーヴィチ(岩波書店)
第二次世界大戦時の1941‐45年、ソ連は「大祖国戦争」と呼ばれる、対ドイツ戦争に4年を費やした。ヒットラーのファシズム対アメリカを中心とする民主主義国家という構図で捉えられがちな対独戦が、多くの部分でドイツというファシズム国家とソ連という共産主義国家の戦いであったことを知ることができる。この戦いの4年間で、2千万人のソ連人が犠牲になったと言われている(P169)。この戦いでは、100万人を超える女性が従軍した。その500人以上に、1978年から2004年に亘ってインタビュ