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#推薦図書
心をきれいにしてくれる修復されたフェルメール
心の傷を治すように、やさしく繊細に。
「元に戻す」
かんたんにいうけれど、かんたんではない。
気が遠くなる手間と時間をかけたもの。
フェルメールの、1枚の絵。
綿棒に液を含ませて。
絵の上を転がす。
汚れが取れて、少しずつ色が出てくる。
綿棒できれいになるのは数ミリ。
それを何度も何度も繰り返す。
そのあとで、顕微鏡を覗き込みながら表面を削っていく。
本来の絵を傷つけないように、わずか
生きづらさを小さな宝物のように抱きしめて
ふたつ上の姉に、よくお気に入りのビーズやおやつを取られていた。
「ちょっと借りるだけだから」といってアクセサリーなどを作り、「もう取り出せないから、返せないや」などと。
いい返せなくて黙り込んでしまっていた。
それがイヤだった。
くやしくて。
姉との口げんかでも鍛えられ、いつしか口が達者になったらしい。
ビーズやおやつを守るために。
いいのか、悪いのか。
いつからか社交的、といわれてい
誰かを選んだら世の中が変わるのだろうか?
選ぶって勇気のいる行為だ。
夕飯の買い物で何を買うか、も。
どの本を読むか、も。
もっと大きな選択もたくさんある。
進路や、仕事。
中でも人を選ぶということ。
結婚、とか。
でも実はもっと身近で、しょっちゅう人を選ぶ行為がある。
それが選挙。
息子に初めての投票用紙が来た。7月4日の都議選だ。
18歳になったということ。
親子で実感する。
18歳の誕生日に「18歳になってかわったこ
美術館をもっと身近に感じる~原田マハ
「やあ、また会いに来たよ」と初老の男性があいさつする。
少しくすんだ青い服を着た女性に。
女性の名はマダム・セザンヌ。
印象派の画家・セザンヌの妻の肖像画だ。
そんな美術館とのつきあい方がとても素敵で。
『デトロイト美術館の奇跡』美術館には一生足を踏み入れないだろう、自分には縁がない存在だ。
そんな風に思っていた労働者が、妻の誘いで美術館に行く。そして足蹴く通うようになる。ある小説の始まりだ
孤独であっても人のつながりをもう一度確かめる~本屋大賞2021
私は結婚が遅く、独身時代に何度も「結婚しないの?」「大丈夫?」といわれました。大丈夫って何が?
真剣に心配されても返事のしようもなく、苦笑したり、ムッとしたりするだけでした。
それは気づかいではなく、おせっかいか、好奇心か、揶揄でした。
つまりは余計なお世話でした。
たまたまその後、私は結婚という形をとったけれど、そのまま独身の可能性も高かったのです。
私のすてきな友人たちに独身者は多く、私
うさぎ🐇いっぱいのうさぎ島に行ってみたい💗
かわいいうさぎさんがいっぱいいる島があります。
瀬戸内海に浮かぶ、広島県・大久野島です。
うさぎが900羽いる島「かわいい~!」と思わずさけんでしまいそうです。
あっちこっちにうさぎさん。
(写真は観光協会からお借りしました。抱っこしたりエサをあげたりは禁止です)
広島空港から車で45分、港から船で15分。
小学校で飼われていたうさぎ8羽を話したことから増えたらしいのですが・・・増え方がすご
推しのいる生活のリアルに巻き込まれる~「推し、燃ゆ」感想文
推しのいる方、多いですよね。キラキラした目で語ってくれます。
高校2年の息子にも、推しがいます。
息子の推し、友人の推しふだんあまり自分のことを話さない息子ですが、「推し」のことを聞くとちょっとうれしそうな顔で教えてくれます。
「この子は発言がおもしろいんだよ」
「この子は勉強は不得意みたいだけど、本を結構読んでいるんだ」
「この子はダンスがヤバい」
何人かいるんです。
私にはよくわかりません
魂のつがいはパートナーとは限らない~52ヘルツのクジラたち~感想文
一人の時間が長かったので、孤独になれていると思っていました。
でもちがいました。
一人時間と孤独は全く違うものです。
「孤独の叫び」を聞きました。
「寂しい」を超えた「世界に自分一人」「どこにも行けない」「どうしたらいいかわからない」・・・悲痛なまでの声なき声。
今年の本屋大賞の候補作の1冊を読んで感じたことです。
長い私の一人時間私は晩婚で、長い一人暮らしの時間がありました。
実家と関係は悪
あなたの居場所はどこですか?~お探し物は図書室まで~
小学校の時から、私の居場所は図書室でした。
いじめられていたわけでもないし、普通に友達といた気もするのだけど、記憶はいつも図書室です。
小学校の時から乱読だった毎日のように通っては借りて、図書カードが年に何枚もたまりました。
司書の先生がいた記憶はなく、カウンターにどなたがいたかも覚えていません。申し訳ないですね。
ただ名作シリーズ、伝記シリーズ、と読みたい本の本棚からどんどん選んでいました。
星野道夫さんの思い出と言葉に包まれて
世界的なアラスカ写真家・星野道夫さんの写真を見ると、文章を読むと、静かに降り積もる雪を感じます。
彼の本を読んでいると、私の心にも深々と静かな雪が降り、その中に包まれていきます。
亡くなって25年。彼の写真と本は愛され続けています。
星野道夫さんの笑顔私は何度か星野道夫さんにお目にかかっています。
写真とご本人を知ったのがほぼ同時期でした。
写真展のオープニングパーティーで紹介していただいて